ベトナム・ラオスバイクの旅:第6話~ベトナムからラオスへバイクでの国境越え~
夏休みを取ってツーリングに出かけてきたお話の第6話です。
これまで、ホーチミンからバンメトートまで北上し、ダライヌア、ダライサップの滝を見に行きました。
2日目はラック湖の大自然を象に乗って楽しみ、中部高原の自然を堪能した後でプレイクに向けて北上しました。
3日目、プレイクの街を楽しんでから、ラオス国境近くまで北上しました。今回はいよいよ国境を越えていきます。
国境の町でランチ
ダクト(Dak To)から国境方面に向かって引き続き国道14号線を西に進みます。しばらくして出てきたのがこの看板。国道14号線はアジアハイウェイ17号線(AH17)の指定も受けているのでAH記号で示されています。
右折方面の矢印が嫌に太いですね。国道は右折、間違えるなよといっているかのような看板。しかも奥にも文字はないけど矢印で右折しろと訴えている看板が。確かにどのバイクも右に曲がっていくのですが、ここは国境の町Bo Yに向けて直進します。
直進してすぐにラオス語が併記されている看板が出てきました。全くわかりません。ラオス国内の看板に英語が併記されていなかったらどうすればいいのだろうと考えながら進みます。しばらく進むと街になりました。
また右に曲がれと言っているかのような矢印ですが、行き先がなんともグローバル。左はCAM PU CHIA、つまりカンボジアです。右はラオス国境。今まさにベトナム、ラオス、カンボジアの3つの国の国境にいるのがわかりますね。外国が行先の道路標識は日本ではあまり見ることができないので新鮮です。そんな国境の町でランチタイム。時間も午後1時、ちょうどいい時間です。
もはやローカル食堂以外存在しないこの街なので迷わず目の前にあった食堂に直行。とりあえず昼ごはんが食べたい、と言うとなんか作ってくれました。このアバウト感、嫌いじゃないです。
今回ベトナム国内でランチを取ったのには理由がありました。ラオスのSIMカードの情報を今のうちに調べるのが目的です。早速パソコンを取り出しインターネットに接続。さすがにWifiはなかったので3G経由です。ラオスのインターネット定額パッケージの登録方法をしっかりと手持ちの紙にメモしていきます。
ご飯もとっても美味しい!豚肉と魚と野菜、文句なしです。これだけ食べて100円というのもいいですね。
「今からラオスに行くんだ!」「そうか、ラオス人?」「日本人です」のようなやりとりをしながら店員と談笑。まさかラオス人以外の外国人がくるとは思っていなかったようなので店員も驚いていました。うん、もっとベトナム語話せるようになりたいなぁ。国境まではあと数キロ、ご飯を食べて出発です。
ベトナム側国境施設
走りだしてすぐ、奥に国境の建物が見えてきました。今見えている森はラオスです。
国境まで来ました!何人もの両替商のおばちゃんが両替するかといって声をかけてきます。奥の方には店舗で営業している両替店もあるのですがお構いなし。このバイタリティ、見習わなきゃいけないなぁ。おばちゃんたちを振りきって奥に見える建物までバイクで進みます。
バイクを停めてもどこに行けばいいかわからない。建物をスルーして向こうに行こうと思えばいけちゃうこのシステム。とりあえず案内板があったので読んでみるけど右がベトナム、左がラオスということ以外、全くわかりません。
とりあえず建物に入ってみるとDepartureと書かれている窓口を発見。国境で英語を見つけてこんなに安心するとは思いませんでした。出国審査官も英語は苦手のようで、英語とベトナム語混じりでの質問。ちなみにラオス人が来たらラオス語を話してたので、ラオス語とベトナム語なら話せそうです。ラオス人とベトナム人以外がこの国境に来ることはほとんどないってことですよね。笑
国境横断
偽造を疑っていたのか、パスポートを色々とチェックしてましたが無事に出国のスタンプを押してもらったのでバイクに跨りラオスに向かいます。空港で言えば制限区域ってやつですね。今、どこの国にもいないことになっています。少し走ると道端に石碑がありました。
石碑の横にバイクを停めて記念撮影。この石碑がまさにベトナムとラオスの国境なのでいまバイクの前輪はラオスに、後輪はベトナムにいます。もっと言うと写真をとっている僕の右足がラオスで左足がベトナムです。笑
トラックの人たちは国境なんて何も珍しくないようで、写真をとっている僕を珍しそうに見ていました。それにしても国境を越えて行くベトナムナンバーのトラックがとても多くてびっくり。やっぱり経済には国境なんて無いんですね。
記念撮影も済ましたのでラオス側の国境へ。一気に道が悪くなった気がします・・・。奥に見える建物がラオスの国境施設。道の右側にもここが国境です、という看板があるのですが誰か突っ込んだ車がいるのでしょうか、傾いたままです。確実に今まで見た国境の中で一番しょぼいです。
ラオス側国境施設
ラオス側の建物まで行くと一気に立派な建物があります。石碑にはラオスとベトナムの国旗。なんて書いてあるかはよくわからないのですが、きっとこの施設はベトナムのお金で作られたのでしょう。日本がベトナムの空港を作っている間にも、ベトナムはラオスの国境を作ったりと、支援する側、される側に綺麗に2分はされないんですよね。どこに行けばいいかさっぱりわからないのでとりあえず建物の右側にバイクを停めてArraivaと書かれた窓口に向かう。この窓口もなんというかプレハブ小屋で、こんな所で入出国を管理しているのかと思ってしまうようなところです。ここでは無事に入国のスタンプを貰い、晴れて初ラオス入国です。
次にやってくるのが税関。どうすればいいの?と思って職員を見るも果物を食べたり思い思いに過ごしてます。一人の職員が英語を話せたので専属の担当になってもらいました。というか、やはりほとんどベトナム語かラオス語しか通じないんですね。色々話しているうちにやっとわかってきました。バイクの一時輸出証明書をベトナム側で作成して、その書類を元に一時輸入許可証を作るということです。なるほど!ということでパスポートはラオスに入国している状態のまま、来た道をベトナムに戻ります。
バイクのラオス入国手続
ラオスに入国したままベトナムの建物に戻ってきました。これ、いいのかな?税関の人に「バイクで向こうに行ったら書類をくれって言われた」と英語ベトナム語混じりで伝えると何とか伝わったようで書類を作りはじめてくれました。「バイクの名義はなぜ自分じゃないの?」「外国人登録できないでしょ」「うーん、確かにそうか」というよくわからないやりとりを税関職員としながら書類ができるのを待ちます。その後、もう一度出国審査へ。パスポートはもう押してもらってるし、ラオスも押しちゃったからこの書類だけ押してくれ、というとあっさりOK。これでバイクの一時輸出手続完了です。
裏にはバイクのナンバーとパスポート番号がしっかりと書かれています。この紙を持ってもう一度ラオス側の税関に向かいます。これを渡すとあっさりOK。すぐにプレハブ小屋で書類を作り始めてくれました。1人がパソコンに情報を打ち込み、あと2人が窓から中に身を乗り出して「そこそこ!」「そこじゃないでしょー」のようなヤジを飛ばしています。ラオスも好きになれそうです。笑
手数料5万キープ!と言われたがキープはまだ持っていない。ドル、円、ベトナムドンならある、というとじゃ15万ドンとのこと。レート的には適正。それよりも5万キープって本当かなぁ。上の税関の写真に料金表がラオス語で書かれているのだが、5万キープのところには「7」という数字が、その上の料金のところには「8~25」のようなことが書かれている気がする。これって定員8人から25人乗りの小型バスなんじゃないの?ってことは5万キープは乗用車じゃないの?と思ったけど面倒なので言われるがままに15万ドンを払う。しかもベトナムドンのお釣りまでしっかり用意してくれていました。
もらったのがこの書類。ラオス語と英語が併記されているのでなんとか読めますね。今回ノービザの入国で滞在許可が15日なので、それに合わせてなのでしょうか、15日後には出国するように書いてあります。バイクのエンジン番号や、ベトナム側でもらった書類の番号も書かれていますね。でも気になるのが上の領収書。どう見ても25000キープって書いてある。半額。でもさっきの料金表を見ると25000キープは一番安い種別なのでちゃんとバイクかもしれません。でも、領収書には「For Saloon, Jeep, Pick UP」って書いてある。どう考えても僕のバイクはサルーンでもジープでもピックアップでもないです。たぶん。
まぁ、細かいことを気にしても仕方がないということで証明書を大事にしまっていざラオスへ!
国境施設を出ようとしたらちょうど国際バスに遭遇しました。ザーライからパークセー、と書いてあります。乗客はほとんどベトナム人、というかベトナム人以外いなかった気がします。
国境施設を出るところにゲートが有り、もう一度パスポートのチェックを行うのですがこのベトナム人の波がすごい。順番を守るとかいう概念がないのですが、そこは後ろから全力で手を伸ばしてパスポートを提示。手の長さで打ち勝ってささっと許可をもらいました。
いざ、ラオスツーリングの始まりです。
次回:ラオスツーリング初日、セーコーンに宿泊
次回はラオス国内の小さな街、セーコーンに1泊して、ラオスの自然を楽しみます!ラオス、最高です!
ルートマップ
A:ダクト(Dak To)の戦車のオブジェ
B:ラオス側国境施設
ライター情報
aki
旅をするように生きていたい、そう思っていたら気づくとホーチミンにいました。本業の傍ら、ベトナム観光・生活情報ナビ、Samurai Cafe Saigonをやったりしています。ベトナム・ホーチミンから、日本とは一味違うベトナムの日常をお届けします。