カンボジア国境の町ハーティエンの『フ・トゥ岩』に伝わる悲しい伝説とは?
更新日:2019年4月20日 (取材日:2019年4月5日) / ライター: Sayaka
カンボジアの国境近くの町ハーティエン。フーコック島へのスピードボートも出ていて、欧米人バックパッカーの姿をよく見かけます。
この港町ハーティエンには、悲しい伝説の残る場所があります。「フ・トゥ岩(Hon Phu Tu)」と名付けられた海にぽっかりと突き出た岩山。
今回は、その伝説やその場所についてご紹介いたします。
フ・トゥ岩とは
海の中にぽっかりと浮かぶ不思議な形の島フ・トゥ岩。ベトナム語でフ(Phu)は父、トゥ(Tu)は息子という意味を表すそうです。この岩には、昔から伝わる悲しい伝説があるそうです。
フ・トゥ岩の伝説
昔、この海に獣が住んでいて、漁師を食べようと激しい海流を起こし、たくさんの人を海に沈めていました。近くに住んでいた親子はこの状況をなんとかしようとしました。ある日のこと、父親は自分の命を犠牲にして獣を退治することを考えました。父親は、毒を飲み、自らの体を獣に食べさせ、獣を退治しました。息子は死んだ父親を見つけ抱きかかえ悲しみました。そして、息子もその毒で、死んでしまいました。それから数日間、雨が降り続き、父と息子は2つの岩となりました。それ以来、大きい岩は父を表すフ(Phu)小さい岩はトゥ(Tu)と呼ばれるようになったそうです。
現在のフ・トゥ岩
残念なことに、2006年に父親の岩が倒れてしまい、現在は息子の岩だけになってしまいました。父親の岩と息子の岩が寄り添って立っている姿を見れないのは、本当に残念ですね。
以前のフ・トゥ岩はこのような姿だったようです。今ではチケットの写真でしか見ることができません。ただ、現在も、この岩までボートでいき、岩の下にある鍾乳洞に入ることができます。
フ・トゥ岩の対岸にあるハン寺
フ・トゥ岩の対岸には、洞窟の中に建てられたお寺ハン寺(Chua Hang)があります。ハン寺の洞窟を通っていくと海岸に出ます。
洞窟の中には海鮮を食べられるお店もある!
海岸の洞窟内には海鮮屋さんがたくさん並んでいます。さすが港町ですね。新鮮な魚介類がたくさん並んでいました。
フ・トゥ岩のある海を眺めながら、新鮮な魚介を味わえます。料理は、注文してから炭火で焼いてくれます。大きな身が詰まったハマグリ。プリプリでジューシーでとっても美味しかったです。
大人は美味しいシーフードとお酒を堪能し、子ども達は浜辺で楽しそうに遊んでいる家族連れがたくさんいました。
波もないので、海で泳いだり、砂浜で遊んだり、地元の子どもたちの遊び場となっているようです。
お土産やさん
海岸沿いにはお土産やさんもあります。子どものおもちゃや乾物などを販売していました。
フ・トゥ岩までの行き方
ハーティエン市内からラックジャー方面へ約32km、海岸線を走っていくとあります。ホンチョム海岸の近くです。
感想
「フ・トゥ岩」。何も知らなければ、ただの海から突き出た岩ですが、昔から伝わる伝説を聞くと、さらに興味を持ち、楽しむことができました。海鮮も美味しくて安いので、近くまで行った際はぜひ立ち寄ってみてください。
ライター情報
Sayaka
2012年9月〜ベトナム在住。旅行、料理、自然、子ども、動物、制作活動、カフェでまったり…が好き! たくさんの人にベトナムの良さを知ってもらいたい。ベトナムの生活・観光を楽しんでもらいたい。そんな時に役立つ情報をお届けしていきたいです。