ハーティエンにある「タックドン岩」は鍾乳洞の中にお寺がある珍しい場所だった。
更新日:2019年4月20日 (取材日:2019年4月5日) / ライター: Sayaka
ハーティエン市街からカンボジア国境に向かって西へ約8km。鍾乳洞の中にある珍しいお寺があります。タックドン岩と呼ばれる、今も参拝者がたくさん訪れるこの場所は、約40年前、ポル・ポト派との戦闘でたくさんの犠牲者がでた場所でもあります。カンボジアに近いタックドン岩に訪れたので、その様子をご紹介します。
タックドン岩とは
高さ約90mの塔のような石灰岩で、中は鍾乳洞になっていて入ることができます。鍾乳洞の中にある寺院には、絶えず多くのベトナム人が参拝にきていました。
この洞窟には、いくつかの不思議な物語があるそうで、天国への道と呼ばれるところがあったり、『王女クインンガ(Quynh Nga)を救うために、タックサン(Thach Sanh)がこの洞窟でワシを倒した』というおとぎ話が残っているそうです。
カンボジアとの国境が見渡せる
タックドン岩の途中まで石段が続いており、登っていくと、カンボジア国境付近の田園風景が見渡せます。日本は島国なので、ベトナムとカンボジアが陸で続いて見えるのが、なんだか不思議な感覚でした。
ポル・ポト派との戦闘での戦没者を祀る記念碑
1978年3月14日、この地でポルポト派との戦闘があり、約130名の犠牲者が出ました。戦没者を祀る記念碑が、タックドン岩の入り口に建っています。たった40年ほど前にこの地でたくさんの方が亡くなったと思うと、胸が苦しくなる思いでした。
タックドン岩入り口
現在は観光地化され、お土産やさんや食べ物屋さんが立ち並び、賑やかになっています。タックドン岩の入場料は、5000ドン(約25円)です。ゲートの右側にチケット売り場があります。
感想
現在は観光地になり、観光客がたくさん訪れるようになりましたが、たった40年前にこの場所で悲しい出来事があったと思うと、胸が苦しくなりました。それぞれの地に訪れ、その地の歴史を知り、感じることができるのも旅の一つの楽しみだと感じました。
ライター情報
Sayaka
2012年9月〜ベトナム在住。旅行、料理、自然、子ども、動物、制作活動、カフェでまったり…が好き! たくさんの人にベトナムの良さを知ってもらいたい。ベトナムの生活・観光を楽しんでもらいたい。そんな時に役立つ情報をお届けしていきたいです。