「赤いナポレオン」と呼ばれたヴォー・グエン・ザップ将軍のお墓参りをしてきました
更新日:2014年10月12日 (取材日:2014年6月22日) / ライター: aki
6月のベトナムツーリングの際に昨年10月4日に102歳でお亡くなりになったベトナム人民軍元総司令官のヴォー・グエン・ザップ将軍のお墓に訪問してきました。将軍の生まれ故郷のクアンビン(Quang Binh)省の高台の上にあります。
将軍のお墓の位置
クアンビン省はベトナム北中部にあります。
昨年の「ヴォー・グエン・ザップ将軍(武元甲/Võ Nguyên Giáp)の死がベトナム社会にもたらした大きな影響」でも紹介した地図はこちら。最寄りの空港はドンホイ空港です。
今回は国道1号線(地図上QL1: Quoc Lo 1)を北から南へとバイクで走っている途中に立ち寄りました。
通常であればベトナムの要人はハノイの墓地に埋葬されるのですが、ザップ将軍の希望により彼の生まれ故郷のこの地に埋葬されることとなったそうです。訪問者の多寡よりも自分が愛した土地、風景を選んだということでしょうか。
ザップ将軍の墓への道
ザップ将軍の墓は国道1号線から少し外れたところにあります。ハティン(Ha Tinh)省からの峠を超え、トンネルを抜けた先に小さな看板がありました。
左折3.5キロでヴォー・グエン・ザップ将軍の墓と書かれています。この辺りは最近整備が始まったようで、看板も大量の土に埋もれていました。左折したところの風景がこちら。
新しく整備された道には小さな商店が立ち並んでいます。訪れたのが午後6時前だったのでもう片付けているところも多かったのですが、ちょっと話を聞きたかったこともありこちらのお店で線香を購入しました。一束3万ドン。
大きな花輪も販売しているそうです。ここを訪れる人はかなり多く、バスで来る人々もいるようなことを言っていました。といっても私のベトナム語がカタコトなのでかなりおおまかな会話しかできません・・・。
この先を右に曲がって丘を登ったところにヴォー・グエン・ザップ将軍のお墓がありました。
いよいよお墓参り
まだ整備途中なのか、一部整地中のところもあるお墓区域。砂利が敷き詰められた駐車場の一角に公安が座っているテントがありました。ここで受付を行って中に入ることができるようです。
バイクを止めてこのテントへ歩いて行くと、公安の方が座っていて色々と聞いてきます、が、いまいち何を言っているのかよくわからないので「ホーチミンに住んでる日本人です」「バイクで旅行しています」「お墓参りに来ました」と伝えると、パスポート番号と住所と電話番号を記入するように言われたので言われるがままに記入。ベトナム語が少しは出来ないと入るのは難しそうです。あとから来たベトナム人もID、カードを提示して色々と書いているのを見たので、外国人だけでなくベトナム人も身分証明証の提示と登録が必要なようです。
ちなみに先ほど道端で購入した線香の束はここで預かられ、その代わりに線香を数本もらいました。どうやらすべてのお供え物を一旦預かった上で全訪問者に線香を渡しているようです。
この辺りのセキュリティの厳しさなどは先日訪問したホーチミンさんの母親の墓とは比べ物にならないほどで少々驚きです。
お墓は海と島を見下ろせる場所に作られています。きっと将軍もよくこの景色を見ていたことでしょう。この海の先には中国などと領有権を争っているホアンサ諸島(Quần đảo Hoàng Sa/英語名:パラセル諸島/中国語名:西沙諸島)があります。
こちらがザップ将軍のお墓。たくさんのお供え物が添えられています。
お墓の前にも数人の公安の方が警備をしていました。やはりここに外国人が来るのは珍しいらしく、色々と質問攻めにあいます。
写真を撮ろうかと申し出てくれたのでお願いしてしまいました。普段は公安の厳しい面ばかり見ることが多いのですが、こうして話すと自分の任務に誇りを持っているとてもいい方なんだなと思います。
この時点ですでに夜6時を回っていたのですが、私の後にもベトナム人10名ほどの団体がお参りしていました。
行ってきた感想
非常にアクセスの悪いところにあるのにもかかわらず沢山の人が訪れているようで、ヴォー・グエン・ザップ将軍の人気の高さが伺えました。このお墓の近くでは色々と工事も行われていたのでこれから観光地として更に拡張されていくことと思います。また、ドンホイに続く国道1号線も拡幅工事が行われていました。近い将来、ベトナム人の人気観光コースとしてたくさんのツアーが発着するのかもしれません。ドンホイは世界遺産フォンニャケバンの入り口として外国人観光客も多いので外国人も多く訪れるようになるのでしょうか。
ベトナム戦争を勝利に導いたザップ将軍はベトナムの歴史上非常に大きな意味を持つ方であり、ベトナムに生活する日本人として訪問出来てよかったなと思いました。近くに行く機会があれば是非みなさんも訪問してみてください。
ライター情報
aki
旅をするように生きていたい、そう思っていたら気づくとホーチミンにいました。本業の傍ら、ベトナム観光・生活情報ナビ、Samurai Cafe Saigonをやったりしています。ベトナム・ホーチミンから、日本とは一味違うベトナムの日常をお届けします。