タイ湖近くの北の鎮守「鎮武観」に行こう!
タイ湖近くの通りに面して門を構え、バイクの行き交う中、独特の存在感をかもし出すのは、道教の代表的寺院である鎮武観(Đền Quán Thánh)。大きな寺院ではありませんが、湖の中を走るThanh Niên通りの最中にある「鎮国寺」から近いこともあり、鎮国寺を見た後にちょっと立ち寄るのにも丁度良いでしょう。
鎮武観の境内へ
Thanh Niên通り沿い、湖の南側に位置する鎮武観。正面は道路に面しており、門とその前に建つ柱が目立ちます。この正面の真ん中の門から敷地内に入っていきます。
門の中に入場料を集める係の人がおり、張り出してある金額を支払って中に入ります。
大人は10,000VND、学生以下と高齢者は5,000VNDです。
境内はそれほど広いわけではありませんが、静かで落ち着いた雰囲気があり、腰を下ろしてゆっくりするのも良いかもしれませんね。
鎮武観殿内へ
中庭をまっすぐ進み、正面の本殿へ。壁に描かれた模様や文字がとても華やかでなかなか迫力があります。
11世紀(李朝時代)、ハノイを北からの敵から守るという意味を込めて建てられた鎮武観。長らく人々の信仰を集めてきました。堂々とした立派な建物です。北方を守る道教の神である「玄武上帝」を祀っています。
そこかしこに描かれた文字や金色の模様が入り口の外側も殿内もを埋め尽くしています。こちらの入り口から殿内へ進みます。
文字や金の模様も素敵ですが、中でも際立った美しさを放っているのがこちらの螺鈿の文字。螺鈿の対聯は全部で38つ、このほかにも題額が34枚あり、これらは19世紀の阮(グエン)朝の儒教官僚らが寄贈したものだそうです。保存状態が良く、今でも美しい輝きを放っています。
殿内の一番奥に鎮座するのは玄天上帝像。黒く大きな、とても迫力のある像です。高さ3.72メートル、重さは4トンあるとのこと。元々は木像だったものが、1677年修復の際に銅像に造りかえられ今の像になったようです。
手に持った剣をよく見ると、剣に蛇が巻き付きその下に亀が見えます。
これは「玄武」という中国の四神の一つで、北の神です。こちらの像だと見えづらいですが、「玄武」は亀の尾が蛇になった霊獣だそうです。
玄天上帝像の左右に内側を向いて立っている4体の像が「四大元帥像」。
左右の一組ごと、甲冑を纏った一人と着物を着た一人がおり、武官・文官として祀られています。
こちらは玄天上帝像を造ったチュム・チョンの像。四大元帥像のさらに入り口側に鎮座しています。赤い幕に囲まれ独特な雰囲気を醸し出しています。
螺鈿で文字が描かれた題額も。とてもきれいに残っており遠目から見ても華やかです。
境内のギャラリー
玄天上帝を祀る本殿をでて、境内の正面左側にももう一つ建物があります。こちらは現在はお土産屋兼ギャラリーとして使用されており、こちらで沢山の絵を見ることができます。建物も年季の入った木造で、こちらをちょこっと覗いてみるの良いでしょう。
いかがだったでしょうか?螺鈿で書かれた美しい文字と迫力のある玄武上帝像が特徴的な鎮武観。中庭のゆたりした雰囲気もバイクの喧騒をひと時忘れてくつろぐのにも最適です。
時間があれば訪れてみてください。
住所:Quán Thánh, Quận Ba Đình, Hà Nội
ハノイの[エンターテイメント/名所・旧跡]
11世紀に建てられたお寺。