ホアンキエム湖に浮かぶ伝説と歴史の玉山祠

ホアンキエム湖に浮かぶ伝説と歴史の玉山祠

更新日:2016年8月1日 (取材日:2016年7月28日) / ライター: ベトナム生活・観光情報ナビ編集部

ハノイ観光でまず外せないのがホアンキエム湖とそこに浮かぶゴックソン島にある玉山祠。
元の進撃を撃退したチャン・フン・ダオや三国志の名将関羽、文学の神文昌帝君、医学の神呂祖が祀られており、一時期は大規模な出版センターとしても活躍していました。現在では観光地としても旅行客に人気のスポットです!

そんな長い歴史を持つハノイの玉山祠を紹介します。

門・筆塔・棲旭橋

入り口

最初の門

こちらが通りに面した最初の門です。右側に「福」、左に「縁」の文字が大きく描かれており、この文字を挟んで縦書きで書かれている文字は、「対聯(タイレン)」という左右一対になった漢文だそうです。

筆塔

筆塔

門を入ってすぐ左を見ると、高く積まれた石の山の上に筆塔が建っています。筆塔には「寫青天」という三文字が書いてありますが、これは「人が得た知識は世の中に公開しなければいけない」ということを示しているそうです。

二つ目の門

二つ目の門

最初の門からOOメートルほどの所に二つ目の門があります。二つ目の門は左右に虎と龍の絵が描かれており、こちらも縦書きの漢文が書かれています。

ここでは昔、科挙(官吏登用試験)合格者たちの名を貼り出していたそうです。

二つ目の門

三つ目の門

二つ目の門からさらに20メートルほど歩いたところに三つ目の門があります。
「硯臺(=台)」と門の上方に書かれており、門の上に硯が載せられています。陰暦55日(ベトナムでは端午節)に朝日が射すと、筆塔の先端の影が硯の上に落ちるといわれています。

チケット売り場

チケット売り場

三つ目の門をくぐってすぐ横にチケット売り場があります。こちらでチケットを購入し、その先の橋を渡った門の前でチケットを渡して入場します。

チケット

チケット

大人が一枚30,000VND(約150円)。学生の場合は学生証などを提示すれば半額の15,000VNDでチケットの購入が可能です。15歳以下は無料です。

開園は月~金が7:00-18:00、土~日は7:00-21:00だそうです。

橋を渡ります

橋を渡ります

チケットを購入したら赤い橋を渡って湖上のゴックソン島へ。

この橋は「棲旭橋(テーフック橋)」といいます。橋から右を見ると、岸辺に座って休んでいる人の姿が、左には湖上に浮かぶ亀の塔が遠めに見えます。ここまではチケットがなくても入れるため、玉山祠を見学する旅行客だけでなく地元の人々も橋の上で写真を撮っていたりと、橋上はとてもにぎわっていました。

「得月楼」と書かれた門

「得月楼」と書かれた門

橋を渡りきると「得月楼」と書かれた門があり、この前でチケットを渡して入場します。門の左右には麒麟と亀の絵が描かれています。

書物と刀を載せた亀の絵

書物と刀を載せた亀の絵

門の左側には亀の絵が。背中に刀と書物を背負っています。この絵では、文武両道を重んじる儒教の考えを描いているそうです。

八卦を乗せた麒麟の絵

八卦を乗せた麒麟の絵

こちら門の右側には八卦を乗せた麒麟の絵が!八掛とは、古代中国から伝わる易における8つの基本図像で、方位の吉凶や運勢を占うのに使われるそうです。

門の前に係員がいるのでチケットを渡し、この門をくぐります。

鎮波亭

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門をくぐり左側へ進んでくと、湖に臨んであずまやが建てられています。これが鎮波亭です。この鎮波亭は1865年の大改修の際に、筆塔や硯台、テーフック橋と同時に新しく作られたもので、それまでは島までは舟で渡ってきていたそうです。

鎮波亭は湖に面しているためそこからの景色もなかなか良く、湖を眺めながらくつろいだりお喋りをする人たちが多く、のんびりとした雰囲気が心地よいです。

正殿

正殿の出入り口

正殿の出入り口

そしてついに正殿です。赤い建物の入り口をくぐって中へ入ります。

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本殿入ってすぐ正面にあるのがこちら。お線香とお供え物を挟んで二羽のオウムが向かい合っています。この後ろにあるのが、関聖帝君(関羽)や呂祖(中国の仙人)、文昌帝君(文学の神)などを祀った前堂です。

前堂の像

前堂の像

こちらが前堂の中央の像とお供え物。

関羽の像

関羽の像

緑色の着物を着た、一番手前にいるのが、関聖帝君(関羽)の像です。きりっと吊り上がった目と長いひげがたくましいですね。

呂祖の像

呂祖の像

こちらの黄色い着物を着た像が中国の神仙、呂祖。ベトナムでは医学の神とされているそうです。関羽の像のすぐ後ろに鎮座しています。こちらは優しい目つきをしていますね。

 文昌帝君の像

文昌帝君の像

そのさらに後ろに鎮座しているのが、文学の神である文昌帝君の像です。金色に装飾された被り物をかぶっており威厳を感じます。

馬の像

馬の像

中央の像のほかにも、向かって左側には赤い馬の像がいたり、左右の壁沿いに武具などが飾られていました。

前堂からさらに奥むと、次なる部屋が現れます。

「忠」と「義」の文字が。

「忠」と「義」の文字が。

こちらが後堂です。この部屋には蒙古を撃退した名将、チャンフンダオが祀られています。入り口側の壁には「忠」と「義」の二文字が赤く大きく書かれていました。

この後ろにチャン・フン・ダオの像があります

この後ろにチャン・フン・ダオの像があります

この後ろにチャン・フン・ダオの像があり、ここでお祈りをしている人もいました。

チャン・フン・ダオの像

チャン・フン・ダオの像

こちらがチャン・フン・ダオの像です。1289年、チャン・フン・ダオは白藤江(バクダンザン)の戦いで元軍を打ち破った英雄であり、ベトナムでは軍神とされているそうです。

奉剣伝説と亀の剥製

チャン・フン・ダオの像や関羽、呂祖の像がある部屋の隣室に、全長2メートルの亀の剥製が展示されています。実はこの亀、「還剣伝説」という伝説と関係があるのです!

15世紀、ベトナムが明に支配されていたころ、のちに黎朝の初皇帝となるレ・ロイが、湖の宝剣によって明を撃退しました。その後平和な日々が続いていたある日、湖から亀が現れて剣を持ち主の竜王に返すようにと言って、剣を湖の中へ持ち帰った、というはなしです。

大亀の剥製

大亀の剥製

その還剣伝説の亀なのではないかと言われたのが、この大亀です。
湖で捕獲されたのが1968年のこと。当時はかなり話題になったそうです。今は剥製になって展示されています。

最近でも還剣伝説に関係する大亀のニュースがありましたね。2016年の1月にも、大亀の遺体が発見された、というニュースです。今までホアンキエム湖では4匹の大亀が発見されてきたそうです。ぜひ、生きた大亀の姿をみてみたいところですね。

お土産・アート

大亀のある部屋のさらに奥の部屋にある商品

大亀のある部屋のさらに奥の部屋にある商品

大亀が展示されている部屋のさらに奥側に、商品が展示・販売されているスペースがあります。小さいですが変わったものが多かったです。

Vietnamese Calligraphyと書いてある

Vietnamese Calligraphyと書いてある

前堂の入り口付近では、ベトナム風カリグラフィーもしていました。欧米人の旅行者向けなのでしょうか。

橋を渡ってすぐの建物の中

橋を渡ってすぐの建物の中

棲旭橋を渡ってすぐの建物の中にも、アートがたくさん並んでおり、細かな人形なども売られていました。帰りにちょろっと立ち寄ってみるのも良いですね。

いかがだったでしょうか?
地元民も旅行者も、多く集まる玉山祠。ハノイ観光の際にはぜひ訪れてみてくださいね。

玉山祠(Đền Ngọc Sơn)
玉山祠(Đền Ngọc Sơn)

住所:Đinh Tiên Hoàng, Hoàn Kiếm, Hà Nội

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ベトナム生活・観光情報ナビ編集部

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