ベトナムの数々の民族について知りたいならハノイにある民族学博物館へ!(後編:屋外展示)
前編で紹介した民族学博物館。実は館内展示だけにとどまらず、屋外にも沢山の展示があるのです!天気の良い日なら、屋外展示をゆっくり眺めて回るだけでお散歩気分で楽しむことができるでしょう。
後編ではそんな民族学博物館の屋外展示をご紹介します!
※前半「ベトナムの数々の民族について知りたいなら民族学博物館へ!(前編:館内展示)は以下のリンクからどうぞ!
ベトナムの数々の民族について学ぶならハノイにある民族学博物館へ!(前編:館内展示)少数民族というとみなさん何を思い浮かべますか?雑貨屋さんでよく見かける可愛らしいポーチやブレスレットを思い起こす方も多いのではないでしょうか。 ベトナムには54の民族が住んでいます。そうした人々にかかわる展示が豊富で、都会では見ることのできない、独特な文化やしきたりをとても…
屋外展示の紹介
民族学博物館の裏手に入っていくと、そこには広々とした芝生の広場が広がっています。小道が順路になっているので、ぐるっと公園を一周して展示を見てみましょう!
チャム族
まず現れたのがこちら、チャム族の家です。二層屋根が特徴的で、家の向きなども習わしとして決まりがあるそうです。
中の床はなめらかな木の板になっており、広々としています。上を見上げると屋根の骨組みが見え、構造がよくわかります。
ベト族・水上人形劇
園内には水上人形劇の水亭もあります。土・日曜日に1日4回の無料上演があります。(2015年5月より庭の工事で、現在上演は一時中止中だそうです。)
エデ族
こちらはエデ族のロングハウスです。長さは42メートル、ダックラック省のバンメトート市から移築されてきたものです。ロングハウスでは、母系大家族が暮らしており、例えば祖母ひとりと、その娘、孫娘の家族がここに集まって皆で過ごしています。
ロングハウスの内部も見学することができます。床は竹でできており、床下の空間が広いせいか、竹の間から空気が流れるためとても風通しがよく涼しく過ごすことができます。
ロングハウスの半分が共有のスペース、半分が個室のような仕切りのついたつくりになっていました。
バナ族
こちらはバナ族の集会場となっていた建物です。高さは19メートル。「クレーン車でもないとこの屋根は作れないのでは?」と思うほど高い位置に屋根がありますが、なんとこちらはバナ族42人の手でつくられたものだそうです!内部も風通しがよく涼しい造りとなっていました。
校外学習で民族学博物館を訪れる団体とも何度かすれ違いました。地元のベトナム人生徒たちにとってはおなじみのお散歩・校外学習の場所なのかもしれませんね。
集会場へ続く高い階段をみんなで降りて、「コーレン、コーレン!(がんばれ、がんばれ!)」と最後に残った子を他の子どもたちが応援している様子はとても微笑ましい光景でした。
ジャライ族
こちらはジャライ族の御霊屋です。ジャライ族は葬儀の時に御霊屋を建て、儀式を行います。
御霊屋の中にはあの世で使う食器などが納められ、儀式の後は手入れなどをせずに御霊屋が壊れていくままに任せる、という慣わしだそうです。
御霊屋を取り囲む人形たちは、亡くなった人とともにあの世に赴く人や物を表しているそうです。
タイー族
こちらはタイー族の高床家屋です。床下はかがまずとも立って歩き回ることができるほど高くなっており、実際、床下で家畜や家禽を飼ったり、染色の作業を行うそうです。
家屋内はこのような感じになっています。こちらも風通しが良く、竹で編まれた屏風のようなもので部屋を仕切っていました。
ザオ族
こちらはザオ族の家です。カオザン省など、ベトナム北部に住む民族で、こちらの家は1999年にラオカイ省で建てられたものだそうです。
家のなかはこのような感じで、動画による紹介も中で行われていました。半分が高床、半分が地面の上に直接建っている不思議な造りで、こちらも広々としたスペースが広がっていました。
モン族
こちらはモン族の家です。薄広い板が刺さるようにして屋根になっているのが特徴的。モン族もベトナム北部に住んでいます。モン族の中でも黒モン族、白モン族など、いくつかの部族に分かれるそうです。
家の中は二階作りになっており、階段で上へ上ります。地面の上に直接建てられた家で、近隣の森で切った「ベトナムヒノキ」と呼ばれる木が使われているそうです。
ハニ族
こちらはハニ族の家。今まで見てきた家々とはうって変わって黄土色のどっしりとした建物です。
家の中は薄暗いですが、風が入ってきにくいため冬は暖かそうです。こちらでも壁に設置されたテレビで民族の生活の様子を写した動画が流れていました。
ぐるっと園内を一周したところで、博物館の裏側の道に到達するのでそこから屋外展示の出口へ。公園をゆっくり歩いて楽しみながら見て回れる屋外展示、いかがだったでしょうか?
お土産物
館内も屋外展示も見たところで、最後に気になるのはお土産!博物館敷地内にお土産ショップもあるため、ここも要チェックです!
ベトナム料理の本が沢山。少数民族についての本屋その他ハノイ周辺の観光地を紹介する本なども販売していました。
もちろん雑貨も置いています。ベトナムの観光地でよく見かけカラフルな器や櫛、人形、キーホルダーなどが取り揃えてあります。
ベトナムの民族について学びたい人にも、少数民族に興味がある人にもおすすめのこちらの博物館。ぜひ時間のある時に訪れてみてください。
ベトナム民族学博物館(Bảo tàng dân tộc học Việt Nam)住所:Nguyễn Văn Huyên, Nghĩa Đô, Cầu Giấy, Hà Nội
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