ベトナム・チャンパ王国を巡る旅~チャンパ王国とは~
2世紀末〜17世紀、ベトナムにはチャンパ王国という偉大な王国があったことをご存知でしょうか。ベトナム南部に港町を作り他国と外交をし、他国の文化や技術を取り入れ発展してきました。残念ながらそれらの遺跡は、ベトナム戦争等で崩壊し、現在は修復された姿となっていますが、今も尚当時の偉大さ、神秘的な佇まいを残し存在しています。それらの遺跡を自分の目で見てきたいと思い、ホーチミンからダナンまで遺跡巡りの旅へ出掛けてきました。チャンパ王国の歴史とともに訪れた遺跡をご紹介します。
チャンパ王国とは
チャンパ王国とは、2世紀末から17世紀までチャム族が築いた王朝で、ベトナム南部の海岸沿いを中心に栄えたと言われています。チャンパ王国が栄えた理由として、9世紀以降、ニャチャンやファンティエット等の港町を中継貿易の拠点とし、中国やインド、オランダなどの欧米まで海上交易を広げ、高い建築技術を取り入れていたと考えられています。また、インド文化を柔軟に取り入れてたとされています。
チャンパ王国の遺跡は、8世紀から17世紀にかけて建立されたレンガ造りの建築が主です。日干しレンガではなく、焼成されたレンガが使われていたということです。接着面は接着剤を使わず、すりあわせて造ります。また、屋根はレンガを少しずつズラして重ねる迫り出し構造となっていました。ヒンドゥー教シヴァ信仰の強かったチャンパでは、祠堂と呼ばれる建物の中に、神格化された王のリンガと女性を象徴するヨニが安置されています。それらは、王や貴族による儀式の為の場とされていたようです。
ベトナムには貴重なチャンパ遺跡がたくさん!
ベトナムに点在するチャンパの遺跡は20以上あると言われています。これらの遺跡は、ベトナム中部から南部に掛けて点在し、修復されながら存在しています。ベトナム戦争によって遺跡の崩壊が激しい場所や、遺跡の偉大さを知るチャム人が少数になってしまったという理由で保存状態の良くない遺跡もありますが、偉大だったチャンパ王国の建築を間近で感じることができます。
チャンパ遺跡の様式
チャンパ遺跡はミーソン遺跡群、クアンナム遺跡群、ビンディン遺跡群、ポーナガル遺跡群、ポーハイ遺跡群、王国衰亡期遺跡群と6つの様式に分けられます。
建物の規模が大きく作られた遺跡、装飾・彫刻の美しい遺跡等、時代や背景によって変化してきたチャンパ王国の寺院。自然の中に神秘的に佇む遺跡もあれば、町中の人々の生活の場にそびえ立つ遺跡があったり…まだまだ、解明がされず謎の多い遺跡です。これから、様式毎に巡ったチャンパの遺跡をご紹介していきますので、興味を持たれた方ぜひ読んでください。
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ライター情報
Sayaka
2012年9月〜ベトナム在住。旅行、料理、自然、子ども、動物、制作活動、カフェでまったり…が好き! たくさんの人にベトナムの良さを知ってもらいたい。ベトナムの生活・観光を楽しんでもらいたい。そんな時に役立つ情報をお届けしていきたいです。