ベトナム軍と戦争の歴史を知るなら外せない「ベトナム軍事歴史博物館」
ベトナム軍やベトナムの近代戦争について知りたい人には外せないのが、こちらの「ベトナム軍事歴史博物館(Bảo tàng Lịch sử Quân sự Việt Nam)」。ベトナム戦争で用いられた戦闘機や爆弾を間近で見ることができます。
ホーチミン廟やホーチミン博物館、一柱寺からほど近く、タンロン遺跡の真横という、観光にも最適の立地のこちらの博物館を紹介します。
いざベトナム軍事歴史博物館へ!
レーニン公園のレーニン像のある近くに博物館の入り口があります。警備員が数人博物館周辺で見守りをしており、その横を通って園内へ入ります。
園内入ってすぐ右側のチケット売り場でチケットを購入し中に入ります。
料金は大人40,000VND、大学生以下20,000VND、6歳以下は無料です。カメラの持ち込みは別途で30,000VNDかかります。チケットを購入したら中へ入りましょう。
屋外展示
園内入って博物館のすぐ左手に見えるのが、ミグ21型5121号戦闘機。ベトナムの英雄、ファム・トゥアンの愛機だったことで知られています。ファム・トゥアンはアジア初の宇宙飛行士として1980年にソユーズ37号に搭乗しており、こちらの5121号戦闘機は2012年に国宝に指定されました。
敷地内には旧ハノイ城の国旗掲揚塔(旗の塔)もあり、こちらも階段を上ってより高い場所から敷地内の戦闘機などを見下ろすことができます。追加料金などはかかりません。
旗の塔の手前側にはずらりと大砲が並びます。かつて戦闘に用いられていたもので、一つ一つの大砲に解説が書かれています。解説はすべて英語がついています。
こちらは旧ソビエト連邦により造られ、ホーチミンや他の主導者により使われ、のちに兵や武器の移動手段として1960年から4年間ほど用いられたものだそう。
実際に戦闘時に撃ち落された戦闘機なども展示されていました。
なかなか実物を前にしても実感がわきづらいですが、こうしたものを間近で見られる機会は多くないためぜひじっくり見てみてください。
ベトナム戦争時にアメリカ軍の用いた爆弾などもまとめて並べてあります。
屋外展示だけでもかなりの数の戦闘機や爆弾、戦車などが展示されていました。なかなかこれほど沢山の展示を一度に見られる場所は少ないのではないでしょうか?
屋内展示
屋外の展示を見たところで、屋内展示に移ります。屋内展示も屋外以上に盛りだくさんの展示となっています。
入り口側棟2階
まずは園内入ってすぐ正面にある展示室から。1階はハイランズコーヒーになっているため、展示は2階のみです。
こちらの展示室では主にベトナムの解放運動の時の戦闘の様子や、偉人の写真や像、当時用いられていた武器や楽器などが展示されています。
同じく2階の別の展示室にも武器や道具、衣類などの展示が行われており、また戦争当時の周囲の情勢を英語で解説する小さなスクリーンがあり、ここで一息ついて自動音声の解説を聞くこともできます。
タンロン遺跡側棟1階
続いて、入り口手前側の棟を出て、タンロン遺跡側の棟に移ります。
こちらはT54B型843号戦車。1974年4月30日、サイゴン陥落の際に大統領官邸に突入した戦車です。
サイゴン陥落時に大統領官邸に突入したのは、中国製のT59型390号戦車と、こちらのソ連製T54B型843号戦車。いずれも2012年に国宝に指定されました。
T59型390号戦車の方は現在、ハノイ市カウザイ区の「戦車・装甲車博物館」に展示されているそうです。
広々した展示室内では子供から大人まで、当時の写真を見たりまた館内の展示とともに写真を撮ったりと賑わっていました。
1階には複数の展示室があり、こちらの展示室ではベトナム戦争以降のベトナムとアメリカで撮影された写真が展示されていました。戦争による健康被害を被った方々、とくにベトナム戦争時の薬物によって身体的な障害を持った人達と、それに関わる出来事の写真が多く展示されており、色々と考えさせられます。
タンロン遺跡側棟2階
同棟内の2階の展示室でも当時の軍人の衣服や持ち物の展示や写真展示が行われていました。また、こちらでもスクリーンに映し出される当時の動画などを座ってみることができます。
屋内屋外ともに内容の充実したこのベトナム軍事歴史博物館。日常では触れることのない、戦闘機や戦車、戦争時の過酷な状況などを目の当たりにして、当時の事を知るとともに色々と考えさせられました。
ホーチミン廟やホーチミン博物館などを訪れた際にはぜひ足を運んでみてほしい博物館です。