カンボジアツーリング第2回~プノンペンからメコン川を北上してクラチェへ~
前回の記事ではホーチミンからプノンペンまで走ってきました。その後、プノンペンで一日過ごし、翌日プノンペンからメコン川の上流にあるクラチェという街を目指しました。
プノンペンからコンポンチャム
プノンペンでは友人と朝食を食べたりしていて気づくと昼出発となってしまいました。
プノンペン市街地の信号待ちにて。交通ルールはベトナムと非常に似ているのですが、ベトナムにはないトゥクトゥクが走っており、更に車も多いです。信号がない交差点もまだまだたくさんありました。
このプノンペンから国道6号線で郊外に抜けていきます。
プノンペン市街地からはカンボジア日本友好橋をわたっていきます。ちなみに最近隣(写真奥)にカンボジア中国友好橋が中国政府の支援により作られて、上下線が分離されて走りやすくなったそうです。
プノンペンの郊外。トランクを開けたまま走る過積載のバンをよく見かけます。トラックの積載量も非常に多く、ベトナム以上に過積載の車両がたくさん走っています。右車線の赤い車両がカンボジアのトゥクトゥクで、タイとも少し違う形をしています。
この国道6号線をしばらく走ることになるのですが、早速道路工事が始まりました。
この辺りはまだ舗装が残っていたので快適。下校中の子どもたちもこの国道を歩いています。
その舗装もすぐに無くなり、そこからはひたすら工事のために舗装が剥がされた道が続きます。道自体は穴などもなく走りやすいのですが、それよりも砂埃がひどくてトラックとすれ違った後は視界がとても悪くなります。白い道と青い空のコントラストはとてもきれいなのですがヘルメットがどんどん白く曇っていきました。2,3年もすれば6車線以上あるとても快適な道になりそうです。
しばらくして国道5号線へと向かう道と分岐します。ここも工事中のためか、とても小さなお手製の看板が置かれていました。右方向の国道6号線にすすみます。ちなみに、左方面の5号線はアジアハイウェイ1号線にも指定されており、ホーチミンからプノンペン、カンボジア第2の街バッタンバン、そしてタイのバンコクへと続く道です。
国道6号線はのどかな牧草地帯や湿地帯を通っていきます。相変わらず道は未舗装路で、橋の上だけが舗装されているような状態。稀に散水車が道路に水をまいて砂埃を抑えていますが、ほとんどの区間では砂埃が舞っていてせっかくのきれいな景色を楽しめません。カンボジアではオフロードバイクをしばしば見かけるのですが、こういった道路事情があるからかもしれません。
途中牛の横断待ちをする場面も。前の車は牛の群の間に入ってしまいました。
PA AVという小さな町を通過。赤土の道路、土の色の壁、カンボジアというとこういうイメージを持つ方も多いのかもしれません。ベトナムの地方都市よりもさらに未発展な感じがあります。
Skunという街で国道7号線に入ります。6号線はアンコール・ワットのあるシェムリアップに向かいます。道路看板にもアンコールワットのステッカーが貼られていました。
国道7号線に入ると今までといは一転、完全舗装の快適な道になります。今日は天候もよく、青空と赤い道路がとても美しかったです。
道路から見える景色も最高でした。道の状態が良くなってペースをあげようかと思ったのですが景色がとてもきれいなのでゆっくり景色を見ながら走ります。たまに集落があり、ドリンクを売る屋台で子どもたちが働いていたりしているのが良いですね。
プノンペンを出発して2時間半、130キロほど離れたコンポンチャムに到着しました。
コンポンチャムで休憩
コンポンチャムにはきずな橋という名前の橋があります。この端は2001年に日本のODAにより作られた、カンボジア国内で最初のメコン川を渡る橋。
橋の袂のロータリーにはナーガのオブジェとともにきずな橋について書かれていました。
ちなみにこの石碑、三角形になっていて英語、クメール語、日本語の3カ国で表記されています。
プノンペンの橋や、ベトナムのトンネルなどを見ていると日本の功績を表す石碑は小さかったり見えにくい場所にあるのが多いイメージなのですが、ここはとても目立っていますね。ちなみに今走ってきた国道7号線はアジア開発銀行の支援で整備されたと看板が立っていました。
川沿いのバックパッカーカフェで一休み。欧米人しかいません。ちなみにこの街からはプノンペンやシェムリアップへバスが出ており、欧米人バックパッカーが多いそうです。
バックパッカーカフェで食べるローカルステーキランチ。どこまでローカルなのかよくわかりません。値段も安くないですが美味しかったのでOKです。
リバーサイドにあるレストランからはきずな橋の全景を見ることができました。さすがメコン川、とても大きな橋です。フェリー輸送だった時代から比べると格段に便利になったのでしょう。
近くの学校の校庭を覗いてみました。バレーボールをしたりと楽しそうです。その学校の隣にあるのが12世紀に建てられたというノコール寺(Wat Nokor)。新しい建物と古い建物が混在しています。ここも子どもたちに遊び場になっているようでたくさんの子供達がいました。
やはりボール1つあればできるサッカーはどの国でも定番ですね。3年前にインドネシアの地元の子供達とサッカーをしたのを思い出しました。
ここは古い建物のエリア。石の建物に残る彫刻がとても綺麗ですね。隣の建物では地元の方々がお祈りをしていました。
もう少しこの街でゆっくりしていきたかったのですが今日の目的地はまだまだ先なので先を急ぎます。
コンポンチャムからクラチェ
先ほど下から見上げたきずな橋をわたります。
奥に見えるピンクの建物はフランス統治時代の監視塔のようです。更に奥に広がる森はゴムのプランテーション。ゴムの木に傷をつけて、樹液を回収するという昔ながらの手法です。ゴム林を通るときに木を見るとそれがわかります。橋を降りたところに看板がありました。
クラチェまで、204キロ。事前に地図で見ていた感じではもう少し近いと思っていたのですが、かなり遠いですね・・。これは気合を入れて走らないと。思っていたより遠かったことがわかったのでペースを上げて走ります。
ベトナム国境に向かう分岐がありました。国境のすぐ近くを走っていたのです。ちなみにこの国境を抜けるとタイニン省の国道22B号線です。今日はもちろんクラチェ方面に直進。
緩いアップダウンがいくつもある気持ちのよい直線が続きます。この辺りは交通量も少ないので安心して飛ばせます。
この写真のような小さな町をいくつも抜けていきます。途中、路上の商店で水を購入しました。クメール語はさっぱりなのでジェスチャーで買おうとしたら意外にも英語がしっかり通じるのが驚きです。
ゴムのプランテーションの間を走っていきます。途中集落があったり、草原になったり、子どもたちが自転車で下校していたり、子どもたちがバイクに3人乗りしていたり、丸太を満載したトラックの更に上に人が6人ほど乗っていたりと様々な風景と出会いますが、日が暮れる前にできるだけ目的地に近づきたいので写真も撮らずに運転に集中していました。
辺りもかなり暗くなってきた頃、途中の田舎町でふと左を見るととてもきれいな夕焼けがありました。写真ではあまり伝わらないのが残念です。ベトナムも、カンボジアも、ラオスも、とても美しい夕焼けに出会うことが多い気がします。
この夕焼けを見てからすぐに真っ暗になってしまいました。周りはとても小さな集落があるだけで草原が広がっているようです。後はクラチェに着くまで歌いながらでもう必死に運転するしかありません。
クラチェは川イルカが生息しているということで旅行者に人気の街。欧米人バックパッカーの姿も多く、ゲストハウスがいくつも並んでいました。ゲストハウスを探していると、川沿いの歩道でダンスをしている人たちを発見。
ベトナムでよくある太極拳などではなく、ポップな音楽に合わせてリズミカルに踊っています。
ゲストハウスにチェックインして、レストランでカンボジアビール。気を張って運転していたのが一気にゆるみ、酔いも回ります。明日は川イルカなどを見てからさらに北に向かおうと思います。
ライター情報
aki
旅をするように生きていたい、そう思っていたら気づくとホーチミンにいました。本業の傍ら、ベトナム観光・生活情報ナビ、Samurai Cafe Saigonをやったりしています。ベトナム・ホーチミンから、日本とは一味違うベトナムの日常をお届けします。