メコンデルタで一番高い山「バーデン山」登山記その1

メコンデルタで一番高い山「バーデン山」登山記その1

更新日:2016年1月15日 (取材日:2015年12月5日) / ライター: 内藤 健朗 - Naito Takeaki -: N.N.T Co.,LTD.

バーデン山は英語ではBlack Lady Mountain とも呼ばれ、タイニン省(Tỉnh Tây Ninh)にある標高986mの山。ホーチミン市南西部(Miền Tây Nam Bộ)とメコンデルタにおいては、一番高い山です。主な登山ルートは、バーデン山公園内とお寺を経由するお寺ルート(Cung Đường Chùa)、電柱ルート(Cung Đường Cột Điện)、マーティエンラン ルート(Cung Đường Ma Thiên Lãnh)の 3つ。このうち、お寺ルートが最も簡単なルートで、マーティエンラン ルートが最も難しいルートです。かつてはたくさん蛇がいたようで大蛇伝説などあるようですが、現在の名物はトカゲ。麓にはトカゲ料理の店があります。近年、ホーチミン市からのベトナム人登山客が増えています。山肌は花崗岩の岩に覆われ岩の隙間に出来た多くの洞窟があり、一部は観光地化されています。

バーデン山公園入口

バーデン山公園入口

バーデン山登山開始

今回は、最も簡単で登山客も多いお寺ルートから登ります。同行者は、今回何年かぶりに登山をするUさん。この日のために3ヶ月間もランニングで鍛えてきたそうです。

まずは、バーデン山公園入場チケットを買って公園に入場します。公園の正式名は「バーデン山歴史文化史跡-名勝および旅行区」という堅苦しい名前ですが、「バーデン山公園」と略して十分通じます。16000ドンを払って公園入場チケットを購入。朝の6:30ですが、すでにチケットを販売、団体客も入ってます。他のルートから登り公園に入る場合は、この入場料はいりません。ベトナムらしいアバウトさです。スタート地点の標高は、腕のプロトレックでは75m 。ゲート入場後、石段を登りお寺へGo。両側には飲み物やお土産物を売る店が並び、京都の清水寺を思い出します。時間がない、または体力を温存されたい方は、ロープウェイでお寺のすぐ下まで行くことも出来ます。

バーデン山のお寺

バーデン山のお寺

バーデン山のお寺

約1時間後、お寺に到着。このお寺の向かって左側、白い獅子像の横を通り登山道へ入ります。さらに少し石段が続き、左手にハンモックカフェが見えてきます。ここで休憩。ペプシ一本17000ドン。扇風機とハンモックがあるせいか、値段は少し高い。

本堂に向かって左側の白い獅子像

本堂に向かって左側の白い獅子像

このハンモックカフェを過ぎると、登山道に入ります。お寺ルートは最も簡単なルートですが、最短距離で頂上へ行くので傾斜がきつく両手を使って登る所も多くあります。

途中2箇所、茶屋跡があります。石組みの基礎だけ残っており、何となく熊野古道の「○○茶屋跡」のようです。樹木が多いところでは、非常に蚊が多い。虫除けは必須。できれば長袖、長ズボン着用が良いでしょう。Uさんは半袖、半ズボンのため、蚊に刺されまくりました。

最後の茶屋

標高約650mで最後の茶屋に到着。休憩します。この標高で飲み物を売る親父に脱帽です。冷えたソフトドリンク一本15000ドン。この高さまで担いだにしては、安いです。

最後の茶屋

最後の茶屋

親父の話では、ベトナム人登山客は普通午後3時以降に登り始め、山頂で一泊する。今日は、我々が最初の客との事。多いときは一日100~200人も登り、山頂の平たい場所は取り合いになる。平たい場所が取れなかった人は、岩の上で寝るのだとか。登山客は若者が多く、だいたい18~40歳くらいまで。40歳以上の登山客は、ほとんどいない。ここでは我々は、年寄りに分類されますね。

黄色い矢印にそって進む

この茶屋を過ぎ、100mほど行くと小さな竹林に入り左折します。ここは重要で、右折すると道に迷うことになりますので注意して下さい。黄色い矢印の目印があります。

黄色い矢印に沿って左へ左折

黄色い矢印に沿って左へ左折

このルートは、ここ以外で道を間違える可能性は、まずないです。ここから赤土の単調な登りが続きます。単調なため、腰に来ます。勝手に「腰破りの坂」と名付けました。

山頂に到着

さらに進むと背の高い草に覆われたところに出て、遠くに大きなヤウティエン湖(Hồ Dầu Tiếng)を望むことができます。この湖から流れる水は、ホーチミン市内を流れるサイゴン川になります。

山頂付近からの眺め 遠くにヤウティエン湖が見える

山頂付近からの眺め 遠くにヤウティエン湖が見える

登り始めて約5時間、11:30ごろ山頂に到着。山頂はベトナム軍の通信施設があり、立ち入りできません。軍の柵のあるところが、一般登山者にとって山頂になります。

頂上の通信アンテナ

頂上の通信アンテナ

帰りは、お寺ルートと反対側にある電柱ルートを3時間掛けて下りました。このルートについては、バーデン山(Núi Bà Đen)登山記 その2として後日ご紹介します。

バーデン山は、水場が非常に少ない山です。お寺ルートは途中に水を売る店がありますが、飲料水は多めに持参した方が良いでしょう。今回9時間の行程で私は4.0L、Uさんは3.4Lを飲みました。天気は快晴、微風、12月なので気温は若干低めだったと思います。蚊が多いですが、山ビルやアブはいません。蛇を見ることも、ほとんど無いです。

ライター情報

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内藤 健朗 - Naito Takeaki -: N.N.T Co.,LTD.

大学卒業後、ベトナム語の語学留学でベトナム語を勉強。1993年から在越。約8年会社勤めをした後、2004年11月に独立、貿易会社経営。品質管理、生産管理に強い。機械、樹脂製造業のほか食品、美容、農業関係の商品も取り扱う。あまり日本人が行かない地域への出張も多い。近年は輸出入業だけでなく、ベトナム国内マーケット開拓に注力。 プライベートでは、僻地、秘境の旅行地開拓を得意とし、今の趣味は登山、キャンプと筋トレ。

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