ホアロー収容所~フランス統治時代のベトナムの歴史を知る博物館
更新日:2016年8月3日 (取材日:2016年7月29日) / ライター: ベトナム生活・観光情報ナビ編集部
19世紀の末、当時ベトナムを統治していたフランスによって造られた監獄、ホアロー収容所。最も多い時で2000人もの人を収容していたといいます。そんなベトナム歴史の一片を学ぶべく、ホアロー収容所へ行ってきました。
ホアロー収容所
こちらがホアロー収容所の入り口です。外壁は黄色い壁になっており、中で行われていたことが全く想像がつかないくらい可愛い外観です。
入場料は、大人30,000VND、学生15,000VND(学生証の提示が必要)、15歳以下無料です。入り口すぐ左のチケット売り場でチケットを購入して入り口にすすみます。
こちらが館内マップ。入り口はちょうど真ん中付近になります。入ってすぐ入り口近くのロッカーに荷物を預けることもできます。チケットの確認を入り口付近のスタッフにしてもらい、順路に従って進んでいきます。
入り口を右手に進んですぐのところにホアロー収容所の説明が書かれたパネルと数枚の写真が飾られています。
1896年、フランスによって造られたこのホアロー収容所。フランス統治時に造られたものとしては、インドシナ最大級の刑務所だそうです。19世紀末、フランス統治に反対する者を収容するために建てられ、のちのベトナム戦争時には捕虜になった米軍パイロットの拘置所として使われました。
1993年、建物の一部を残して収容所の跡地にハノイタワーズが建築されましたが、残った一部が今ではこうして博物館として一般に公開されているのです。
館内展示
建物・衣類・道具などの展示
館内はいくつかの部屋に区切られ、部屋ごとに展示がされています。こちらは当時使われていた食器などが展示されています。
次の部屋は少し大きめで、当時の収容所の模型や上空からの写真、建物に使用されていたレンガ、鍵などが展示されていました。
上空からの収容所全体の写真です。
当時使われていた衣服なども展示されていました。
収容所施設と当時の様子
集団房の当時の写真です。写真に写る人々の表情が、当時彼らが置かれた状況を物語っているようです。
写真のすぐ奥に、集団房の様子を人形を使って再現している部屋があります。
集団房以外にも、独房もみることができます。独房内は砂が敷かれ、足枷が同じようにある、狭い部屋になっています。
鉄のドアについた小窓を覗くと、実際の様子を模した人形もおかれておりかなりリアルでした。あばらが浮き出て目を見開いた姿が、当時の収容所の残酷さを表しているようで深く印象にのこります。
女性の集団房の様子も、鉄の柵越しに見ることができました。
こちらは実際に当時使われたギロチン(断頭台)です。政治犯処刑の様子を記録した文や写真が壁に貼ってあり、実際用いられた道具なども展示されています。このギロチンでは実際に5名の処刑が行われたそうです。
部屋の奥へ進むと、狭い廊下の左右に牢が並んでいます。当時、壁は黒いタールで塗られ、その暗く冷たい空間の中で、囚人たちは自由にトイレさえも行けなかったといいます。扉があけられるのは、一日二回きり、食事が運ばれてくる時だけでした。
こちらは当時の下水溝。1945年3月、この下水溝を通って脱獄した人たちがいました。その人数は100人以上に及んだそうです。
中庭もありました。壁には当時の囚人たちと彼らの様子が描かれています。右手の花の前で手を合わせ祈っている方もいました。
その他の展示
監獄の様子を一通り見終えると、最後に写真パネルや動画などが見られる部屋がいくつかあります。写真は、ベトナム戦争時の拘置所となったときに捕虜になっていた米軍パイロットの様子です。
パイロットたちの当時の装備も展示されていました。
最後に、博物館敷地内で唯一階段を上った二階にある展示室へ。収容所に関するビデオが上映されており、椅子に座ってみることができます。また、当時ホアロー収容所に収容された人、関連する人物の写真なども展示されていました。
いかがだったでしょうか?当時収容所で用いられていた施設や道具の実物や写真など、リアルに当時を思わせる展示が多くあり、かなりディープな博物館でした。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
ホアロー収容所(Di tích Lịch sử Nhà tù Hoả Lò)住所:1 Hỏa Lò, Quận Hoàn Kiếm, Hà Nội
ハノイの[エンターテイメント/博物館・美術館]
ライター情報
ベトナム生活・観光情報ナビ編集部
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