ベトナムの万能薬『緑の油』を使いこなす
ベトナムの『緑の油』は、ベトナム人誰もが知っている、そしてどの家にもある常備薬かつ万能薬のオイル。
例えば飛行機に乗ったときなど、ベトナム人(のおばさん)が、鼻に小瓶を近付けて、スンスン香りを吸い込んでいるのをみかけた、もしくはまわりで何ともいえないスースーするような香りがしてきた、という経験はありませんか?これこそが『緑の油』です。
ベトナム薬事情
ベトナムで生活していると、おなかが痛くなったり頭が痛くなったり肩が痛くなったり、虫に刺されたり、けがをしたり、あざができたり…色々なことがあるものです。ベトナムでは病院へ行かずとも、近所の薬屋で症状を伝えれば、欲しい日数分だけ症状に合った薬を処方してくれます。しかも日本人が日本で薬を買うのと比べればずっと安い。ただベトナムの薬は輸入ものがほとんどで、日本人にはすこし強過ぎることもあります。例えば体調不良で薬を飲むも、薬が強過ぎたゆえさらに別のところに不調が…などということも。
日本人は、やはり日本の薬を常備した方が良いようです。…この『緑の油』以外…
『緑の油』?
いつぞや、ベトナム人から「おなかが痛いのだけれど、『緑の油』を持っていないか?」と聞かれたことがあったのですが、『緑の油』が何なのかまったくわからない。飲むのか塗るのか、それすらわからない。そしてある日、私もおなかが痛くなったとき、ベトナム人から「『緑の油』を塗りなさい!」と言われてやっとわかりました。
そう、これが『緑の油』、『Dầu Gió Xanhヤウヨーサイン』です。(Dầu=油、Gió=風、Xanh=緑)漢字では『風油精』。
そっくり(むしろ同じ)なパッケージ、そっくり(むしろ同じ)な瓶、そっくり(ブランドによってすこし香りが異なる、…気がする)な緑の油、…まぁ中の油はどれでもほぼ同じです。
『緑の油』の効能と使用法
効能について、説明書をみると…
【風邪、咳、鼻水、頭痛、日射病、船酔い、車酔い、吐き気、腹痛、腫れ、炎症、筋肉痛、関節痛、腰痛、だるさ、虫刺され、蟻咬まれ、手足のリューマチ】
ベトナム人いわく、これらプラス、やけど、傷、打身、肩こり、何にでも効くとのこと。まさに万能薬。
そして使用法は、【塗る】か【香りを吸い込む】かに大きく分けられます。吸い込むとスーッとスッキリ、塗るとスースー、何故かとても良く効く気がします。
絶対に口、目に入れないでください。油を塗った手ですこし目をさわるだけでもギャーッと叫ぶくらい痛いです。
【風邪、咳】
喉~胸のあたりに塗る。お湯に数滴たらして、鼻から蒸気(香り)を吸い込む。
【鼻水、日射病、船酔い、車酔い、吐き気、だるさ】
鼻の下にすこし塗る(塗り過ぎると痛いです)。鼻から香りを吸い込む。
【頭痛、腹痛、腫れ、炎症、筋肉痛、関節痛、腰痛、虫刺され、蟻咬まれ、手足のリューマチ、やけど、傷、打身、肩こり】
痛むところに塗る(頭痛ならこめかみ、腹痛ならおなか、など)。
ちなみに私は、眠いとき、落ち着きたいときにも鼻の下にすこし塗ります。要は、何にでも効く。
『緑の油』を手に入れる
お値段は、サイズとブランドによって、10000~80000ドンくらいと様々。特にイーグルブランドのものは輸入ものなのですこし高いですが、個人的にはこのイーグルブランドが好きです。ちなみにイーグルブランドの12mlのもので80000ドン弱くらい。ベンタイン市場でお値段を聞いてみたことがあるのですが、店によって「80000ドン」「90000ドン」とまちまち。しかも高い。薬屋かスーパーで買った方が良いです。
薬屋で買う場合、「ヤウ↓ヨー↑(北部ではゾー↑)サイン(→)」(ヤジルシは発音のイメージ)と言えばOK。スーパーで買う場合、シップとか虫よけ薬とかと一緒の棚にならんでいることが多いです。
ちなみに画像にある緑のもの以外、色々なブランド、種類があります。実は赤い油もあるのですが、こちらについてはいつかためしてみます。
日本へのおみやげにもおすすめです。ついはまってしまうこの香り、そして何にでも効く。ぜひおためしください!
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ライター情報
ayako
元ベトナム考古学徒。研究のかたわらベトナムフェスティバルやベトナム検定公式テキストやたんぽぽカフェ@ダナンに携わったのち、2013年1月からホーチミン在住です。