ベトナム・ホーチミンで居合道教室を開き、居合道を通して日本文化を伝える日本語教師インタビュー (2ページ目)
更新日:2013年12月30日 (取材日:2013年12月22日) / ライター: aki
目次
居合道を習っている学生に話を聞いてみました
居合道を習っている師範大学1年生のニャンさんに話を聞いてみました。
写真の中央がニャンさんです。今年9月に師範大学に入学して日本語を勉強している1年生です。
居合道を始めようと思った理由
師範大学に合格した時に日本語学部のオリエンテーションで井浦先生の演武を偶然目にしました。その時にとても感動したことを覚えています。元々日本文化を学びたいと長年考えていたので、日本の伝統を学ぶ最高の機会だと思いました。そこで、日本文化を学ぶのと、健康を維持するために居合道クラブに入部することにしました。
居合道を通じて学んだこと
様々な状況での戦いを想定した居合の基本的な型を学びました。黙想を行うことで忍耐力もつきました。3ヶ月の刀を使った稽古で健康になり、体も柔らかくなったように感じます。黙想を通じて平和で健康的な心、つまり居合道の言葉で言う「平常心」を理解するようになりました。
居合道を教えている井浦さん
居合道を教えているのはこちらの井浦さん。日本語教師として昨年11月にベトナムに来ました。普段話しているといつも笑顔で温かい印象なのですが居合道の稽古になるとまるで別人のようなかっこいい姿を見せてくれました。
居合道との出会い
居合道との出会いは15歳のとき。元々日本文化に対して興味があった井浦さんは居合道を初めて見たときに「これだ!」と思って始めることにしたそうです。弟が剣道をしていたそうなのですが剣道ではなく居合道を選んだのは、実際には戦わないというところが良いのかもしれない、と話してくれました。確かに居合道の勝敗は演武の内容で決まるので、相手との勝負ではなく自分との勝負になります。それが井浦さんにとって良かったのかもしれません。
ベトナムに来たきっかけ
元々日本文化に興味を持ち、日本語・日本文化学類を専攻していた井浦さんは卒業後はアジアの国で日本語を教える仕事がしたいと考えていたそうです。ただ、元々はベトナムではなくてマレーシアでお仕事をされる予定でした。それが直前になってマレーシアではなくベトナムに変更となったそうです。ベトナムの第一印象は「思ったよりも都会」だったそうで、毎日楽しく日本語教師として働いています。
今後は設備をもっと充実させていきたい
今後もこの稽古を続けていきたいと語る井浦さんですが、居合道の稽古で使っている剣は日本から持ち込めずに現地調達したもの。真剣ではなく模擬刀だったのですが空港で止められてしまったそうです。生徒にも模擬刀を使わせてあげたいのですが今は木刀を使っています。木刀は鞘や鍔がなく、練習も少し制限されてしまうそうです。さらには稽古も師範大学の建物の空きスペースを使用しており道場もありません。出来る範囲でやっていきたいと言いつつもより良い設備で居合道を生徒たちに教えてあげたいと思っています。
行ってきた感想
私も日本文化及び日本を海外に伝えるということにはとても興味があり、ベトナムで居合道という響きを聞いた瞬間に「これは行こう!」と思い今回訪問させていただきました。実際に見てみるとこれは素晴らしい活動だと思いました。ほかメディア等でも取り上げられている理由がわかります。是非これからも続けていってほしいと願っています。
ライター情報
aki
旅をするように生きていたい、そう思っていたら気づくとホーチミンにいました。本業の傍ら、ベトナム観光・生活情報ナビ、Samurai Cafe Saigonをやったりしています。ベトナム・ホーチミンから、日本とは一味違うベトナムの日常をお届けします。