ベトナム現地採用で働く人のリアルな本音:ベトナムで働く編 ベトナムでは変な日本人と繋がらないこと
更新日:2020年3月9日 / ライター: ASPIRATION VIET NAM(人材会社)
大学卒業後は日本、ベトナム、日本、ベトナムと、べトナムに2度転職をされたAさん(男性 / 30代前半 / ベトナム歴5年以上 / ホーチミン)にベトナムで働くことについてお話していただきました。場所はベトナムですが、日本にいる時と同じスタイルで働くことが大切になるとのことです。
目次
社内のベトナム人スタッフとはいかがですか?
社内のベトナム人スタッフとのコミュニケーションの数は多いですね。だから、逆にコミュニケーションの数を多く取ることを意識していますね。お昼ご飯を食べたり、雑談したりとか。今日のランチも「写真を撮ってあげる。」と言って、カメラを持って、一緒にランチに行きましたよ。
業務上、ベトナム人スタッフには「あれもお願い。これもお願い。」と無茶ぶりに近いお願いをするが多いです。それをやってもらうためには、信頼関係がないと頼めないので、その信頼関係を築くために日々のコミュニケーションの数を取るように意識しています。もちろん、無茶ぶりも本当の無茶ぶりとならないように気をつけて依頼していますよ(笑)。
社内言語は何語になりますか?
メインは、英語と日本語です。状況によりますが、ベトナム語で話す時もありますね。
ベトナム人スタッフに対しては、ベトナム語を習っているという体を出すようにしていますね。ベトナム語を習っている姿勢をベトナム人に見せると、自分達の国の言葉を勉強していると嬉しい気持ちを持ってくれるのではないかと思っています。そして私自身にもベトナム語が身について、更に仕事がしやすくなるから、皆幸せですよね。
弊社の規模が大きくないからかもしれませんが、ベトナム人スタッフは家族的な仲の良さを求めている感じがしますね。
社外のベトナム人のお客様とはいかがですか?
日本語が話せるベトナム人の方が多いですが、それでも考え方の違いがあると思います。特に、支払いを期日までに行ってくれないことが多いです。それは悪気があるわけではないようでして、「そもそも遅れるものだ。」のような感覚があるのかなと感じています。ベトナム人の方は全体的に遅いですね。だから、その遅くなることを分かった上で行動するようにしていますので、特に問題はありません。
ベトナム人のお客様と接して、他にも発見や気づきはありますか?
今はあまり行かなくなりましたが、飲みニケーションで得られる情報があることでしょうか。昔はベトナム人のお客様とはよく飲みに行きました。飲みの席だと、結構腹を割って話してくれます。腹を割るとは、会社の深いところから家族の話まで本当に様々なことを話してくれます。まぁ、お酒が入っているので、少し誇張されている点もあると思いますけど(笑)。
ベトナム人のお客様の対応において、日本との違いを感じたことはありますか?
同じ会社でも、担当者が変われば全てリセットされることでしょうか。
例えば、お客様の購買担当のベトナム人が弊社の提案にOKを出して、書類にサインをした後に退職をすることがあります。そうなると、後任の担当者の方は、前の人がやったことだから会社としてはその提案の話はリセットされているから、もう一回最初の提案からやり直しとかあります。
イメージとしては、契約などは会社ではなく、担当者に紐づいている感じです。担当者が変われば、「もう契約は終わりです。」となることもあります。それは最悪の場合ですが、前任者と進んでいた話がペンディングとなり、進まなくなったりします。
日本だと、途中で担当者が変わっても後任者の方に対して「前任者の方とは、ここまで進んでいます。」と、過去のメールのやり取りを見せたりして状況を説明すれば、それで納得して、そこからスタートがすることが多いですが、ベトナムは違いますね。
担当者が変われば契約が見直されることに対して、どのように対応されているのですか?
後任の新しい担当者の方には、何度も催促して進めるように働きかけています。言い続けて、納得してもらって、話を進めるようにしてもらわなければいけないですね。
ただこれは、チャンスであり、ピンチでもありますね。だから、最悪の場合は解約をされても、気持ちを切り替えて次の新しいお客様に行く、その辺りの余裕さを持つことが大事ですね。
ベトナムで働いていて嫌になったことはありますか?
ベトナムだからと言うことではありませんが、嫌になったことはありますね。
過去には、今の仕事が嫌になった時期がありました。何年もやっているので慣れもありますが、仕事が作業になってしまった感じでしたね。
その時は、会社として上手く機能していない時期で、毎日お客様からクレームをもらっていました。でも会社として対抗策や仕組みがない状態でしたから、何も変わらないんですよね。クレームに謝ることに時間を取られるから、状況はより悪くなっていきます。だから、謝ることの繰り返しになり、その謝ることも作業になっていた感じです。
お客様数に対して人手が足りず、お客様を抱え過ぎていて、お客様一社一社への対応やフォローが薄くなり、顧客満足度が下がっていましたね。当時は、これが永遠に続くのかと思い、気が滅入りましたね。当然、会社への将来性も感じなかったです。
だから今はその失敗を活かして、適切な担当顧客数を設けていますので良くなったと思います。
辛い期間を乗り越えることが出来たのはなぜでしょうか?
会社の立ち上げも経験して、思い入れがあるからだと思います。会社の将来性は感じなかったものの、今の状況は許せないと思いがありました。だから、仕事が作業になっていたものの、心のどこかに「立て直してやろう。」という気持ちがあったのだと思います。
ベトナムで働くことに関するアドバイスはありますか?
日本と同じ仕事スタイルで臨むことです。具体的には、仕事に対してプロフェッショナル意識を持って働くことです。そのためには、日本人の良いところを残しつつ、ベトナム人の良いところを取り入れる必要があります。それが出来るためには、仕事に対してプロフェッショナル意識を持っていなければなりません。
なぜ得かと言うと、それだけプロ意識があると周囲の人も評価してくれますし、信頼も厚くなります。ベトナムの日本人コミュニティは狭いので、評価も信頼のスピードも早いので良い環境と思います。
プロフェッショナル意識を保つために意識していることはありますか?
意識していることは、言い訳をしないことですね。日本人にとっても、ベトナムは何でも言い訳がしやすい環境ですが、そこは言い訳をせずに正直に言うことにしています。そしてそれが信頼に繋がります。
私だっていつかはクビになるかもしれません。そうなった時に信頼があれば、どこからかお声掛けいただいて、どこかの会社の仕事に就くことが出来るかもしれません。
だから大切にしていることは、誠実で、嘘をつかない、誇張しない、言い訳しない、悪い時は素直に謝ることですね。これはすごく大切ですし、自分を守るものにもなると思います。これを意識して、仕事をするようにしています。
そういう意味で、ベトナムや海外に転職するのであれば、何かしら格言を持って来ると良いと思います。それが自分の支えになります。ベトナムだから、家が雨漏りしましたとか、タクシードライバーと喧嘩したとか、生活面でも必ず何か起きます。それに加えて仕事のストレスがかかるわけです。だから自分の支えになる格言などがあるとは良いと思います。
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