ダナンの川沿いの遊歩道で「ベトナムの海と島」と題したパネル展示が行われています
更新日:2014年6月29日 (取材日:2014年6月27日) / ライター: aki
6月25日から30日までダナンのハン川の遊歩道沿いでビエンダオクエフーン(Biển Đảo Quê Hương)というパネル展示が行われています。Biển Đảo Quê Hươngはベトナム(故郷)の海と島という意味で、ホアンサ諸島及びチュオンサ諸島のことを指し示して使用されます。
展示パネルの紹介
ダナンでの展示は遊歩道の広いスペースにただパネルが置かれていました。ステージも中央にあったので、イベントが開催される時間もあるのかもしれません。パネルの内容を紹介していきます。
この遊歩道で展示が行われていました。奥に写真パネルが建てられています。BIEN DAO VIET NAM(ベトナムの海と島)という大きな文字とともにプロパガンダアートが描かれています。左の2つの石碑の絵はそれぞでチュオンサ諸島及びホアンサ諸島の主権を表し、ベトナムの海と島を守ろうと書かれています。
中央のステージにはベトナムが実効支配していると思われる滑走路のある島の写真が大きくありました。
こちらはベトナムの海の写真。ここにはハロン湾やダナンなどのきれいな風景が紹介されています。係争地は含まれていません。
こちらはベトナムの海洋石油開発の様子。
美しい海の風景が並んでいます。
こちらはベトナム海軍。
手前は反中デモの写真。奥はベトナム海軍。
中国海警から受けた被害の紹介。
チュオンサ諸島にあるベトナムが実効支配しているソンカー島の紹介。ちなみにベトナムの他にフィリピン、中国、台湾が領有権を主張しています。
ホアンサ諸島のベトナム領の島、と書かれています。現在ホアンサ諸島は全て中国によって実効支配されています。
ホアンサ諸島及びチュオンサ諸島について
日本でもベトナムと中国の衝突及びそれに伴う反中デモについては大きく報道されていますが、その係争地がホアンサ諸島(中国名:西沙諸島、英語名:パラセル諸島)及びチュオンサ諸島(中国名:南沙諸島、英語名:スプラトリー諸島)です。ホアンサ諸島は中国が実効支配しており、その他にベトナムと台湾が領有権を主張。チュオンサ諸島はベトナム、フィリピン、中国、台湾、ブルネイ、マレーシアが領有権を主張しており、各国がそれぞれいくつかの島を実効支配しています。
今回中国が石油掘削リグを設立したのはホアンサ諸島の海域。全域を中国が実効支配しているホアンサ諸島ですが、ベトナムの行政区分上ダナン市に属しています。ベトナムの国境及び国際空港では例外なく領有権を主張するポスターが張り出されており、そこにはベトナム領と書かれている中国の古い地図が紹介されています。
今回のこの展示もすべてベトナム語で行われており、国民に対してアピールする目的が強いと思われます。実際に、数人のベトナム人が足を止めてパネル展示を見ていました。
ライター情報
aki
旅をするように生きていたい、そう思っていたら気づくとホーチミンにいました。本業の傍ら、ベトナム観光・生活情報ナビ、Samurai Cafe Saigonをやったりしています。ベトナム・ホーチミンから、日本とは一味違うベトナムの日常をお届けします。