ベトナムで食べておきたいもの~ホヴィロン~
ホヴィロンのこと
ホヴィロンhột vịt lộn(南部)/チュンヴィロンtrứng vịt lộn(北部)。
ベトナムをはじめとする東南アジアでよく知られている、孵化直前のアヒルの卵です。これをゆで卵状にして食べます。
ちなみにフィリピンでは「バロット/バロッ」、カンボジアでは「ポンティアコーン」、中国では「毛蛋(マオタン)」などと呼ばれるそうです。
これは滋養強壮に良いらしい。子どもから大人まで小腹がすいたときに、そして大人のビールのおともによく食べられます。
ホヴィロンを買ってみる
「hột vịt lộn」の看板をかかげている路上のプラスチックテーブル&イスで、もしくは自転車などで売ってまわっているところで買えます。
ちょっと青みがかった卵で、1個5000ドン前後くらい。ベトナム人から、「1人2個食べるのがスタンダード!」と言われたことがありますが、本当かどうかはわかりません。
買ったばかりのホヴィロンはほかほかです。一緒に、タデの葉っぱもついてきます。
このタデ、「蓼食う虫もすきすき」のタデです。タデには殺菌・抗菌作用があるとのことで、ベトナムではホヴィロンを食べるとき、貝を食べるとき、海鮮を食べるときなど、よくついてきます。苦味と辛味があって、私は好きですがちょっとクセはあるかも。
ホヴィロンを食べてみる
いざ買ったホヴィロン。まず、とがった方を上にして、エッグスタンドに立てます。そしてスプーンの背で上部をコツコツ叩いて割ります。ここで、中の汁をすする。これがおいしい。
ここで中身とコンニチワですが、たしかに孵化直前の卵ということで、何となく形になっているし、部位もわかれているし、羽もちょっとあるし、初めてみたときはびっくりするかもしれません。が、じっくりみなければ大丈夫!
塩コショウにレモンを絞ってトウガラシを加えたものをつけながら、タデと一緒にいただきます。
お味は、ほとんど卵の黄身の味に近いですが、濃厚です。塩コショウとタデの味も強いのですが、形をみなければ美味。
ちなみに「18日目」の卵が一番おいしいらしい。
ちょっと調べてみたところ、フィリピンの方が「形になりつつあるもの」、「形になっているもの」、「殻から出てくる直前もの」などとわけて食べているもよう…
アヒルではなくウズラもあります
ちなみにベトナムでは、アヒルの卵の他、ウズラの卵も同じように食べます。こちらはチュンクッロンtrứng cút lộnと呼ばれ、お味はホヴィロンと同じで、一口サイズ。
とても食べやすいので、ホヴィロンを食べるのはちょっと…という方、ぜひこちらをおためしください!
ホヴィロンはビールにぴったり![authorcredit]
ライター情報
ayako
元ベトナム考古学徒。研究のかたわらベトナムフェスティバルやベトナム検定公式テキストやたんぽぽカフェ@ダナンに携わったのち、2013年1月からホーチミン在住です。