クチトンネルに行ってみよう 〜ベトナム戦争時に作られた巨大地下施設〜
更新日:2015年12月3日 / ライター: ベトナム生活・観光情報ナビ編集部
ベトナム戦争時、ベトナム人はアメリカ軍に様々な方法で立ち向かった。そのなかでもクチに住んでる人々は地下に住居施設を作り、アメリカ人と戦いました。今回はその地下施設である、クチ・トンネルに行ってみましょう。
目次
クチトンネル遺跡
クチはホーチミン市から北西へ約70キロの所にあります。ベトナム戦争当時解放前線の拠点がこのクチであり、アメリカ軍も最後までここを落とすことができなかったそうです。クチ住民はもともと地上に住んでいましたが、アメリカ軍の空爆や枯れ葉剤攻撃を受け、地上では住めないと確信し、地下にトンネルを作り、そこに住み始めました。そのトンネルが複雑すぎることもあり、クチは攻め落とされませんでした。トンネルは3層に分かれており、第1層は地下4メーター、第2層は地下6メーター、第3層は地下10メーター以下のところにあります。またトンネルは今は観光客が通りやすくできるようにしていますが、当時は四つん這いや匍匐全身でトンネルの部屋間を移動していました。クチ・トンネルの全長は250キロですが、観光できるトンネルは40~50メートルぐらいです。
TNKクチトンネルツアー
通気口・トンネル
メコンデルタツアーに続き、今回も旅行会社のTNKさんのツアーに参加します。ツアー代は41万ドンで朝の7時半集合で解散は14時過ぎです。
バスに揺られること1時間半クチトンネルに到着します。ツアー料金とは別で、クチ・トンネル遺跡入場料11万ドンを支払います。ガイドさんからチケットを貰い、入場します。
受付を抜け、山道を歩きます。山道は、ほぼ一本道なので迷ったりすることはないので自分のペースで歩けます。
こちらののアリの巣みたいな山。実はこれ、通気口で、地下に空気を送る・地下から出すために作られたものです。地面に通気口を大きく作ると、アメリカ軍に地下にいることがばれてしまうため、このように固い土使ったりしたみたいです。
その隣には、トンネルの入り口ががあります。入り口の大きさは、大柄で武装をしているアメリカ軍に入られないように、小柄のベトナム人のサイズに合わせたみたいです。
ブービートラップ
しばらく歩くと、ブービートラップゾーンがあります。ここで数百人のアメリカ軍が負傷したそうです。この落とし穴に下には蛇の毒が塗られた竹や針があります。深さも3メートルもあり、一度入ると地上に出てくることは難しそうです。
ブービートラップは落とし穴が多いです。このブービートラップは穴をから足を引こうとすると猛毒を塗られた針が足に刺さるものです。
他にも家の扉を開けると、上から針がささった、木材が降ってきたりなど、様々なものがあります。
道中にアメリカ軍が使っていた戦車が展示されています。戦車の上に乗ることができる貴重な機会です。戦車の先端の筒を持ち上げてみましたが、重かったです。ガイドさんによると60キロぐらいあるのだとかと。
こちらは塹壕です。地上にでるとアメリカ軍に居場所を知られてしまい危険なので、このように塹壕を作り、歩いてました。
不発弾リサイクル小屋
続いて、不発弾をリサイクルし武器を作る工程を見学します。まず不発弾を切ります。このとき、不発弾の温度が高くなると爆発するので、水をかけながら、慎重に二人掛かりで切ります。
不発弾を二つに切り終わり、中の燃料を抜いたら、外部分を分解します。
そして最後に武器の形になるように研磨してき、完成です。
不発弾の実物も置いてあります。
射撃場
工程を見終わり、山道をくぐり抜けると、銃声音が聞こえてきて、射撃場に到着します。銃はライフル、マシンガンの2種類6系統あります。射撃もまたツアー料金とは別途料金で、射撃する銃の種類のによっても値段はかわります。僕はライフルを射撃しましたが、10発30万ドンでした。銃声をとてもうるさく、鼓膜が破れる場合もあるので、渡されるヘッドホンをしましょう。
反動がすごかったです。射撃ということもあり、的に当たると嬉しいです。
ライスペーパー工場・サンダル作り
射撃場の隣には、ライスペーパーの作る過程を見ます。
収穫したお米の籾殻をとり、臼で粉末状にします。
粉末状にしたお米をお茹でとき、クレープみたいに焼きます。ライスペーパーの生地は、半透明にしなければいけないので、焼くのがすごい難しいみたいです。こちらのおばあさんが実際に焼いてくれます。手馴れていることもあり、さらっと綺麗な半透明な円のライスペーパーができました。
そして焼き上げたライスペーパーを竹で作った茣蓙の上に置き、天日干しをして、ライスペーパーの出来上がりです。出来上がったライスペーパーは、竹の茣蓙の上で天日干ししたこともあり、綺麗な竹模様がつきます。ライスペーパーや焼酎、蒸留酒などがここで売られてます。
ライスペーパー工場を歩いて、すぐにサンダルを作る小屋があります。このサンダルは、ベトナム戦争当時から作られていたものだそうです。戦車や車のタイヤのゴムをリサイクルしており、車のタイヤ1つから、30ものサンダルができるそうです。こちらでは、観光客に足のサイズに合わせ、しっかりと作ってます。
いざ、クチトンネル内部へ
爆弾が落ち、くぼんだところ。10メーター四方ぐらいの大きさです。当時は枯れ葉剤をばら撒き、その後に爆弾を投下していたみたいです。
そして、いよいよお待ちかねのトンネルに入ります。入り口に階段がありますが、観光客用に作られたものです。
階段を降りたてすぐはトンネルではなく、トンネルに続く階段の踊り場になっています。
トンネルにはいります。感想は狭い、小さい、湿気がすこしあり、壁が濡れています。壁の高さは、身長170センチの僕が足をすこしまげ、腰がつくかつかないくらい。中腰になって、進むか、足をたたんで、ペンギンみたいに歩くかのどちらかです。
トンネルの長さは40メートルしかないのですが、意外に疲れました。トンネルは明かりがありますが、途中あえて真っ暗にしたであろう区間があるので、そこを通るのがすごいおもしろかったです。人によってはスマホの光をつかったりします。僕も途中から、そうしました。
伐採した後の竹があります。伐採された部分は、ブービートラップや武器として使われたそうです。
タピオカ試食・ベトナム戦争のビデオ
当時の食糧であるタピオカ芋を試食できます。砂糖と塩とピーナッツを混ぜで粉末状にしたものにつけて食べます。おいしくなかったです。カロリーメイトほどではないですが、食べたら、口の水分がなくなります。美味しくないといいつつ、僕は3つ食べましたが、同じテーブルにいた3人は1つでやめました。
最後にベトナム戦争当時のクチの資料動画を見ます。日本語で説明されるので、心配する必要はないです。クチ区域全体でアメリが軍に対抗するために一致団結したこと。父親がアメリカ軍に殺され復讐を誓った少女の話。そして戦争が終わったはずなのに、現在でも影響がある枯れ葉剤について。10分程度の動画でしたが、勉強になりました。
お土産屋さん
お土産やさんはチケット販売所と射撃場の2つがあります。
まずチケット販売所の方から。
次に射撃場の方です。
実際に行ってみて
クチ・トンネル遺跡ということで、トンネルに入り、遺跡を巡るだけと思っていたが、いい意味で全然違いました。ガイドさんの説明の仕方がとてもお上手ですんなり頭の中に入ってきてためになりました。森の中を歩いたり、トンネルの中に入ったりするので、動きやすく、汚れてもいい服装で行くことをおすすめします。ツアーでしたが、忙しくなく、ゆっくり回れるツアーだったのでよかったです。
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ベトナム生活・観光情報ナビ編集部
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