芸術を通して世界に平和を伝える「白鳩が平和を運ぶプロジェクト」

芸術を通して世界に平和を伝える「白鳩が平和を運ぶプロジェクト」

更新日:2017年8月9日 (取材日:2017年8月5日) / ライター: ベトナム生活・観光情報ナビ編集部

平和を世界に繋ぐ日越交流の結晶

平和の象徴である鳩。戦争の悲惨さと二度とこのようなことを起こさない願いを込めて壁画は完成された。

平和の象徴である鳩。戦争証跡博物館のキッズルームに描かれています。

この『白鳩が平和を運ぶプロジェクト」の舞台は、ベトナム、ホーチミン市にある戦争証跡博物館の白鳩の部屋。日本人画家やボランティアの方々と現地のベトナム人が共同で壁画を描く大きなプロジェクトです。銃を交えた戦争ではなく、筆を交えて世界に平和を発信する、日越両国の様々な人の願いが込められています。

白鳩の部屋の前に並ぶ、日越両国のプロジェクトスタッフ。間もなく白鳩の部屋が開かれる。

白鳩の部屋の前に並ぶ、日越両国のプロジェクトスタッフ。間もなく白鳩の部屋が開かれる様子。

今回、「枯れ葉剤作戦を記憶する日」のイベントと兼ねた、壁画の完成式典に招待され、実際に白鳩の部屋を見てきました!日越関係の結晶でもある、このプロジェクトの式典の様子も交えてレポートしていきたいと思います。

プロジェクトを通した人の繋がりと平和への想い

子どもたちに平和の重要さを伝えたい

式典でスピーチをする内本さん(写真左)。スピーチでは中学校の教頭という立場を超えて、日本の子供だけでなく、世界中の人に平和を説く必要性を語ってくれた。

式典では代表のスピーチをした内本さん(写真左)。スピーチでは、日本の子供だけでなく、世界中の人に平和を説く必要性をお話しになっていました。

今回のプロジェクトの総合プロデューサーを務めている、内本年昭さん。普段は大阪府の中学校の教頭先生として生徒の将来を支援するお仕事をなされています。内本さんは元結合双生児のグエン・ドクさんと長年にわたり交流を持ち続けてきました。「展示物が伝える戦争の悲惨さを日本の子どもに、世界に、発信していきたい」という想いを抱いたのは、内本さんが初めて戦争証跡博物館を訪れた2009年の8月。以来、内本さんはより熱心に平和・国際理解教育に取り組み始めたそうです。

多くの人が携わり、完成した壁画

奥さんが内本さんの同級生だという西影さん御一家やプロジェクトボランティアの皆さん。プロジェクトのため訪越し、壁画やプロジェクト全体をサポートしてくれた。

内本さんの同級生という関係で参加した、西影さん御一家と宮川さん御一家。プロジェクトのため訪越し、壁画やプロジェクト全体をサポートするスタッフとしてご活躍されていました。

今回のプロジェクトは、二年前、内本さんがグエン・ドクさんを通じて親しくなった博物館のフィン・ ゴック・バン館長との会談の中で持ち上がりました。内本さんが芸術を通じた日越交流の話をしたとき、館長は「キッズルームの壁画を描きなおしてもよい」という提案をしてくれたそうです。内本さんは大阪通天閣の天井画を手がけた沖谷さんに原画を依頼し、今年一月に「白鳩が平和を運ぶ」というテーマの下絵が完成しました。その後、近畿大学の西野昌克教授が監修して実行委員会組織が起ち上がり、沖谷さんの画家仲間や教え子、内本さんの高校時代の同級生らが共同制作やサポートを申し出てくれ、総勢40名がベトナムに渡りました。現地のベトナム人も含め、国境を越えた多くの人が一ヶ月間壁画を描き続け、ようやく完成しました。

枯れ葉剤被害者と伝える平和の尊さ

枯れ葉剤被害者にイベントの記念品が渡される様子。たくさんの想いが詰まったイベントであった。

枯れ葉剤被害者に、青い手提げ袋に入ったイベントの記念品が渡されている

この日の完成式典は枯れ葉剤作戦を記憶する日のイベントを兼ね備えており、式典には、多くの枯れ葉剤被害者の方が参加していました。式典の後半には、白鳩の部屋でプロジェクトボランティアの方々と彼らが一緒に歌を歌う他、プロジェクトを記念した写真撮影をしていました。

白鳩の部屋で枯れ葉剤被害者が歌を披露する様子。戦争証跡博物館のキッズルームから、世界の子供に平和教育を推進していくという想いが詰まっている。

白鳩の部屋で枯れ葉剤被害者が歌を披露する様子。

最後に

今回のプロジェクトに携わった方々の集合写真。部屋の壁に描かれたに鳩の絵を通して、日越国際関係のますますの発展を願いたい。

今回のプロジェクトに携わった方々の集合写真。

日越両国多くの人が筆をとり、完成させた今回の壁画を通じて、日越国際交流のますますの発展を感じました。イベントの参加者の共通の願いは、ベトナム戦争のような悲惨な戦争を二度と起こさないこと。世界に平和を伝える日越両国の祈りが込められた壁画を戦争証跡博物館に訪れた際はぜひ、ご覧になってください。

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ベトナム生活・観光情報ナビ編集部

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