日本の味をベトナムに伝える料理講習会(Taste of Japan in Ho Chi Minh City)現地レポート!
更新日:2016年5月6日 (取材日:2016年5月5日) / ライター: ベトナム生活・観光情報ナビ編集部
ホーチミン市一区の料理教室(Netspace)で2016年5月4日、5日に日本産食材を使った料理講習会(Taste of Japan in Ho Chi Minh City )が開催されました。「日本橋ゆかり」三代目・料理人 野永 喜三夫氏が講師となって和食についての講義や調理デモンストレーションが行われ日本料理の魅力に迫りました。
野永 喜三夫氏
1972年東京都生まれ。村田吉弘氏の「露庵 菊乃井」で日本料理の修業をし1997年、25歳の頃に実家の「日本橋ゆかり」に戻られました。2002年、テレビ番組「料理の鉄人 JAPAN CUP'02」で総合優勝を飾り、2003年にはニューヨークタイムズ紙にて日本を代表する若手料理人に選出。現在では多くのメディアで取り上げられ海外でもPRイベントや日本食レクチャー、デモンストレーションなどを行っていらっしゃいます。
日本料理講座
日本料理の歴史や味付け等をメインにスライドで丁寧に教えて頂きました。
日本料理が四季を大切にしているということを改めて認識しました。
旨味講座(鰹と昆布)
大きな鰹節!実際に削る前の物を見るのは初めてでした。
ほとんどの日本料理は鰹出汁と昆布出汁で出来ているそうです。この二つの出汁がないと旨味が出ず日本料理が成り立ちません。昆布と鰹は日本料理の命と言えるみたいですね。
鰹節と昆布の試食。初めに昆布を噛み続けその後に鰹節を口に含みました。口の中で昆布と鰹が混ざり合い旨味というものを実感することができました。
実際に調理をした出汁も飲ませて頂きました!ワインを味わうように飲んで欲しいとおっしゃっていたので意識しながら飲んでみると確かに舌に響く旨味を感じることが出来ました。
和食で使われる包丁
日本料理の包丁の種類は多く、魚を解体する時、捌く時、野菜を切る時など場面場面に応じて細かく使い分けられています。
包丁を使ったパフォーマンスのではズッキーニで蛇腹切りを披露して頂きました!
蛇腹切りとは太さの半分まで細かく切り込みを入れた後、逆の面にも同じように切り込みを入れるという切り方です。切った野菜が蛇の腹に見えるということでこの名前が付けられています。
調理デモンストレーション
ブリの解体
お皿に収まりきらないサイズで脂の乗りも最高です!そんなブリを贅沢に丸々一匹解体。
ブリの解体を目の前で見させて頂きました。すごい迫力でみるみるうちに捌かれていく様子は見ていて気持ちよかったです。部位の説明もして頂きブリの構造もよく分かりました。この後いよいよブリの調理に入ります。
料理
一瞬で捌ききり盛り付けは美しく丁寧でまさにプロの技!という感じでした。
ブリを厚めに切り、酒、みりん、醤油で味付けをされていました。ジュージューとすごくいい音で食欲をそそられました。
マグロやカツオ、サーモンのカルパッチョは見たことがありましたがブリのカルパッチョは初めて見ました。
ブリの余った部分でふりかけを作ったそうです。味がしっかり染み込んでいて絶対ご飯が進みます。
ベトナムには冷たいスープを飲むという習慣がないのであえて冷製にするというのはチャレンジだったそうです。
なんとバインミーとA5ランクの和牛のコラボレーション!非常にマッチしていて美味しかったです。ただこのバインミー通常価格の何倍のお値段になるのかは想像できません。
このバインミーに挟まれているカツはブタではなくブリです!バインミーとブリの味が絶妙にマッチしていました。衣もサクサクでした。
試食
どれも本当に美味しかったです。特に空芯菜の冷製うどんは衝撃的でした。ブリとホタテから出汁を取っているのですごく濃い旨味を感じました。ベトナム人の方々も6人中5人が空芯菜の冷製うどんが一番だと言っていました。冷製スープ人気が来るのではないでしょうか。
参加した感想
この講演会で日本料理の素晴らしさ・奥深さを痛感することが出来ました。日本と他の国の食べ物を合わせ新たな食文化を生み出そうとする野永 喜三夫さんの取り組みに感銘を受けました。いずれ日本料理とベトナム料理が融合した料理が食卓に並ぶ日が訪れるかもしれません。
ライター情報
ベトナム生活・観光情報ナビ編集部
ベトナム生活・観光情報ナビ編集部です。ベトナムをもっともっと楽しめる、そんな情報を日々探しては発信しています。こんなこと知りたい!というリクエストがあればお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。