ベトナム・ホーチミンで働く日本人~Vitalify Asia 神崎基康さん~
更新日:2016年9月15日 / ライター: JAC Recruitment Vietnam
4年半前にベトナムの日系企業 ”Vitalify Asia”に就職され、マネージャーとして働く傍ら、今年の4月にはご自身のバー”Bar Kanzaki”をレタントンにオープンされた神崎基康さん。なんと今後はベトナムに永住を考えているとか…!?
今回は、そんな気になるプロフィールをお持ちの神崎さんのベトナムでの生活に迫ります。
海外勤務という夢
Q. ベトナムにいらっしゃったきっかけは何だったのですか?
元々日本のIT会社に開発マネージャーとして勤めていて、前職を退職した際に、次は海外で働くのも面白いかもと考えました。というのも、日本でも何回か転職をしましたが、会社や作っている製品は違っていても、結局やっている作業は大体同じなんです。だからまた次も日本の会社に就職しても面白くないなと思って。そこで、海外の会社を探していたところ、このVitalify Asiaに辿りつき、申し込んだというわけです。だから、その時は別にベトナムにこだわっていたわけではなくて、とりあえず海外ならどこでもよかったんですよね。
Q. 来る前はベトナムにどんなイメージをお持ちでしたか?
よく知らない国、ですね(笑)ただ、僕のベトナム行きが決定した頃は、ちょうどテレビなどのメディアでベトナムが特集され始めてきていて、なんとなくは知っていました。また、ベトナムに住んでいた友人がいたので、その人からベトナムの情報を得ていましたね。
Q. では、実際にベトナムに来てみてどんな印象を受けましたか?
思ったより発展していて都会だなーと。でもその都会な街並みの中にもローカル感が残っていて素敵だと思いました。
偶然来たベトナムは素晴らしい国だった!
Q. ベトナムに永住する覚悟だとお聞きしましたが、本当ですか!?
ははは(笑) まあ、日本に帰ろうとは思っていませんよ。元々この会社にも現地採用で入社していますし。でも初めからベトナムに骨を埋めるぞ!みたいな覚悟で来たわけではなくて、働いてみて合わなかったら他の国に行けばいいやくらいに考えてました。
Q. では、ベトナムで生活する上で魅力に気づいていったのでしょうか?
そうですね。ベトナムは自分にとって暮らしやすく、気楽に生きていけます。逆に日本は無言のプレッシャーを感じるというか、息が詰まるんですよね。元々自分がそこまでキチキチした性格ではないので、ベトナムの大らかさ、いい加減さと合っているんだと思います。
Q. 逆に苦労したことは何でしょうか。
ビジネスの中で、日本では、途中まで説明すれば大体の概要を理解してもらえます。でもベトナムでは1から10まで説明しないと分かってもらえません。説明以上のことを期待してはいけないんです。初めのうちはそこに戸惑いましたね。「あ、こんなところまでちゃんと説明しなきゃいけないんだ。」って。
Q. ベトナム人はどんな方々ですか。
彼らは初めこそシャイであまり話しかけてきませんが、慣れれば人懐っこく、壁がない人たちです。だからコミュニケーションをとる上では、あまり苦労しませんね。
Q. ベトナムに来て自分自身が変わったことはありますか?
穏やかになりましたね。日本だとマナーや礼儀に厳しいですが、ベトナムにはそれがない。だから、日本基準で考えて、ベトナム人にいちいち腹を立てるほうが疲れちゃうんです。出来るだけいらいらなんてしたくないし、人生楽しくいたいじゃないですか。だから
「まあいっか!」って受け流せることが多くなりました。
Q. 「日本にあってベトナムにないもの」を探すのは簡単ですが、「日本になくてベトナムにあるもの」は何だと思いますか?
先ほども話しましたが、居心地の良さですね。確かに日本と比べると不便なことも多いですが、それよりも暮らしやすさや居心地の良さのほうが私には大事なんです。利便さはある程度必要ですが、それが全てじゃありませんし、なくても生きていけますから。
ホーチミンに居心地の良い空間を
Q. 続いて、バーをオープンされたとのことですが、なぜバーを始めようと思われたのでしょうか?
元々飲み歩くのが好きで、日本でもよくしていました。でも、4年前にホーチミンに来た時はそういったバーみたいなお店がほとんどなくて。その時に「ないんだったら自分で作っちゃってもいいんじゃないかなー(笑)」なんて考えていました。ただ、その時は本当に冗談混じりでしたけど。
それがベトナムに来て3年程経った頃、何か新しいことをしたいと思うようになりました。そこで、来た頃に冗談で考えていた、「自分で居心地のいいバーを作りたい」という夢を実現させようと思い立ったのです。
Q. 会社での業務とバーの両立は大変ではないですか?
大変ですね(笑)日中は会社にいて、夜はバーの仕事があるので休みがなかなかとれないです。ただ、会社の方の協力や応援のおかげでなんとか続けられています。
Q. そんな中でもお店を始めてよかったなと思えたことは何ですか?
確かに大変ですが、楽しいですよ。元々人と話すことが好きでしたし、バーをしていれば様々な方と出会って話す機会があります。
ただ、今は自分の知り合いを中心とした日本人のお客様が多いので、これからは広告などを出して新規のお客様を増やしていきたいですし、日本人以外の方にも来て頂きたいです。
ベトナムで暮らすということ
Q. これからの大きな目標や夢はありますか?
今は特に決まった目標はないですね。ただ、1年前にバーをやりたい!と思って始められたように、その時その時でやりたいことをやれる人生でありたいとは思います。そのために自分のやりたいことがやれる環境を常に作っておきたいですね。
Q. これからベトナムで働くことを考えている方たちにアドバイス等をお願いします!
ベトナムは比較的暮らしやすい国ですが、それでもやはり日本とは違います。そして日本を離れる以上は、日本と同じものを求めずに、ベトナムという国のスタイルを受け入れることが必要です。日本人はどうしても「日本ではこうなのにどうしてベトナムは…」と、日本を基準にして考えて、ベトナムを下に見てしまいがちです。でもそれって、本当に見苦しいんですよ。ベトナム人から見れば私たちは外国人なんですから、「私たちがベトナムに居させてもらっている」という意識を忘れないで、是非ベトナムの欠点じゃなく、利点を積極的に見つけて欲しいです。
インタビューを終えて
会社での業務とバーの営業で、なかなかお休みがとれないにも関わらず、一つ一つの質問に大変丁寧に答えてくださった神崎さん。その言葉は、私の心に染み込んでくるものばかりでした。特に、最後のアドバイスの中の、日本がベトナムよりも優れていると考えてしまいがちな日本人のお話を聞いた時、「もしかしたら私もベトナムを下に考えていたところがあったのではないか」と、改めて考えさせられるきっかけとなりました。
改めて、ご多忙の中インタビューにご協力いただいた神崎さんに厚く御礼申し上げます。
神崎さんのバーはこちら!
バー神崎 (Bar Kanzaki)住所:15B/87 Lê Thánh Tôn, Quận 1, TP.HCM
ホーチミン市の[飲食・レストラン/バー]
取材:9月1日 山本三里香(JAC Recruitment Vietnam インターンシップ生)