ベトナム・ホーチミンで働く日本人~United Insurance Company of Vietnam 松本暁さん~
更新日:2017年11月8日 (取材日:2017年8月31日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
今回は、United Insurance Company of Vietnamで法人向けの保険営業を行う松本暁さんにお話を伺ってきました。松本さんは大学でベトナム語を専攻し、大学3年生の時にベトナムへ一年間留学していました。今ではベトナム人の友人とベトナム語で流暢に話す松本さんに現在のお仕事や生活など様々なお話を伺ってきました。
目次
とにかく好きなことをした学生時代
なぜベトナム語専攻したのですか?
私は外国の映画が大変好きで、もともとは英語が得意という事もあり高校の先生に外国語大学を勧められ、外国語大学の見学会に参加しました。そこで学長の挨拶の中で「英語だけ話せても当たり前という世の中になってきているからこそ、もう一つ何か違う言語を強みとして学ぶべきだ。しいて付け加えるのであれば今はアジアが熱い。」という言葉を聞き、アジアの言語に興味を持ちました。私の大学には、アジア言語として中国語・韓国語・タイ語・インドネシア語・ベトナム語があります。中国語は漢字が苦手だから、韓国語はK-popがすでに流行っていたため、タイ語は文字が難しい、インドネシア語は親友が入学を希望し彼と同じは嫌だったため、結果的に消去法でベトナム語を選んだというのが、一番正しいです。ベトナムが好きになったのもベトナム語専攻入学後でした。
どの様な学生時代を送っていらっしゃいましたか?
とにかく好きなことをしていました。ほぼ毎週末実家に帰省し、バイトは平日の夜に入れ、授業はよくサボり、酒ばかり飲んでました。ただ、ベトナム語に関しては「それを専攻している学生」であり、世間もそういう目で見てくるので、誰にも負けたくないという気持ちで頑張っていました。しかし「机の上で勉強できるタイプ」では全くなかったので、いかに自分のモチベーションを保つかを考えました。ベトナム人と友達になって話したり、一緒に飲んだり、気になるアノ子と辞書を片手にメッセージ、ベトナムの好きな歌を聴いたり、ベトナムに行ったりして勉強しました。
日本でのお仕事について教えてください。
大学卒業後、知り合いの縁で外国人技能実習生の受け入れ・管理を行う水産加工開発協同組合に就職しました。その会社では、入国管理・在留管理課に所属しベトナム人の対応を担当していました。そこでベトナム語の通訳、日本語教員、トラブル対応、入国書類手続き、技能実習生の面接と採用などを行っていました。私が所属していた組合は厳しい組織ではありませんでした。本来であれば自分所属組織や携わる制度について理解してから現場という順番になることが望ましいとされていますが、学ぶ前に現場に向かわされることが多かったです。通訳という立場上、私以外にベトナム語を扱う者がいなくて即戦力とされていました。楽しい時もありましたが、残酷な場面を垣間見ることの方が多かったです。なぜならベトナム語の通訳が必要な場合は、大抵は何かしらのトラブルがある時だったからです。
ベトナム語を学ぶならベトナム
現在のお仕事についた経緯
自分の更なる言語能力の向上やベトナムでの生活を強くを希望し、日本での仕事をやめました。そしてベトナムの人材紹介会社に勤めているベトナム人の友人にコンタクトを取り仕事を紹介してほしいとお願いしたことが始まりです。ベトナムの新聞やニュース等を日本語へ翻訳し各法人や個人に提供する情報発信サービス会社と今勤めている会社の試験に受かりました。前者の会社に就職すれば必ず自分の求めていた言語能力は向上しますが、言語と平行して何かスキルになるようなことを学べる環境が豊富な会社の魅力についても惹かれました。言語を自分の努力で学習しつつ、何か別の「スキル」を身に着けることも大切だと思いかなり迷いましたが丁重にお断りました。
現在のお仕事について教えてください。
2017年6月からUnited Insurance Company of Vietnam(以下UIC)に勤めています。UICは1997年に設立され、主にベトナムにある日系企業に各種保険の販売からケアーを行っている会社です。そこで私は新規顧客へのアプローチ、保険の更改や保険情報の配信などの既存客のケアをしています。さらには日本語と英語の翻訳も行なっています。保険自体が難しく日々勉強中です。また、保険を販売するにあたってどんな企業か本邦での取引があるのかなど、日系企業の知識が自分には足りないので勉強しています。
なぜベトナムがお好きなんですか?
理由はわかないけど好き。もしベトナムの好きなところがあったとして、それがなくなったらベトナムが嫌いになるというわけではありません。日本から飛行機に乗りタンソンニャット空港に着いて税関を通り荷物をとって空港の外に出た瞬間、他の東南アジアの国にないベトナム独特の空気感や匂い、雰囲気、人などが好きなのかもしれません。国、町、人自体が元気でパワーをもらえます。たかが買い物でも必ず売り手と何かしらの会話があり、人間を近く感じられます。
ベトナムでの生活
ベトナムでの生活は楽しいです。海外に住んでいると色々な事に興味や疑問を抱くことが多いです。それらに対して「直接見てみたい。感じてみたい」という心理が生まれます。更に、週末、会社でよく耳にするベトナム人の言葉が「Have a nice weekend」とか「How about your Last weekend ?」です。このような言葉を聞くと、仕事で疲れたり悩んだりすることも多いですが、「週末は楽しまなくては!」「プライベートは大切だ!」という気持ちになれます。何かアクションを起こさなくてはいけないような気持になります。週末に家でゴロゴロすることも時には大切だし私も好きです。しかし、そうしようと思えばおそらくいくらでもそうできる中、消極的にならず仕事で疲れた体にムチを入れて外に出てます。
さらなるベトナム語の向上を目指す
今後挑戦したいことはありますか?
とにかく仕事面では早く一人前となることが目標です。一人前になったその時何かやりたいことがあるなら、可能性と将来性と相談し何かするかもしれません。今は自分の持っている「ベトナム語能力の向上」とそれに伴い「保険会社から盗める多くのスキル」を獲得したいと思っています。
海外で働きたいと思っている人にメッセージをお願いします。
ベトナムでも特にホーチミン市は外国人にとっては住みやすい町です。インフラが整っていて、英語を話せる人も多いです。また、日本人も比較的多いです。時に現地の言葉がわからなくても大きな問題は起きない国だと思うので、海外で働いてみたい人にはオススメです。自分の行動力が試される国だとも思います。
インタビューの感想
大学時代もバイトでお金をためて半年に一回は必ずベトナムへ行っていたという松本さん。細かいことにこだわらず何事にもおおらかに生活している松本さんはまるでベトナム人の様でした。日本では海外で働こうとする人が減ってきている中、行動するなら若いうちという考えのもと24歳という若さで渡越された松本さんの行動力に感銘いたしました。
お忙しい中、お時間を割いて頂いた松本さんに感謝申し上げます。
8月31日 氏家久美子 (JAC Recruitment Vietnamインターンシップ生)