ベトナム・ハノイで働く日本人インタビュー~TSI VIETNAM 荒川さん~
更新日:2016年6月8日 (取材日:2016年5月20日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
今回は美大の建築学科を卒業後、日本で設計デザイン会社に3年半ほど勤務。約2年前に海外転職をし、現在はベトナム・ハノイにて内装デザイン・施工全般を手がける「TSI Vietnam」にて設計、営業、現場を見る総合職として活躍中。来月からミャンマー支社に常駐予定という荒川さんにお話を伺ってきました。
荒川さんのこれまでのキャリア
Q まず日本ではどのようなお仕事をされていたのですか?
日本では設計デザイン会社で働き、主に住宅の内装デザイン業務に携わり、プレゼンテーション資料や図面の作成、模型製作をメインに行っていました。
Q 現在どのようなお仕事をされているのか教えてください。
前職では設計する側、一方で現職では施工する側の立場です。
業界は同じでも立場が変われば業務も変わり、オフィスや住宅、店舗など用途に関わらず内装全般や、家具の販売代理店まで仕事の幅は以前より大きいです。
お客様から直接依頼を受け自社で 設計、デザイン、施工まで受けることもあれば、ゼネコンさんからお仕事を頂くこともあります。最近の例で言うと、昨年秋にハノイにできたイオンモールでも部分的に仕事を頂きました。
今のところハノイで数が多いのはオフィス案件ですが今後はレジデンスの仕事の割合もどんどん増えてくると思います。
海外での仕事に目を向けたきっかけ
Q そもそも海外に初めて行かれたのはいつですか?
大学3年の夏休みのときです。妹がケニアでボランティアをしていた時期に妹に会いに行きがてら、せっかくなのでヨルダン、エジプト、ケニアを一ヶ月間バックパッカーで回りました。
それが始めての海外でしたが、そのときはまだ海外で働くなんて想像してなかったですね。
Q 海外での仕事に目を向けたきっかけは何だったのですか?
日本で仕事をしながらも、また海外を旅したいという気持ちがありました。20代のうちならならまだ許されるだろうと考え、もう一度、今度は長期でバックパッカーをすることを決意しました。
まずはインドに渡りました。出発したときは「日本とは違うものが見てみたい」という気持ちで飛び込んだので、何ヶ月間旅するか、どういった経路で行くかは全く決めていないノープランの状態でした。
そのまま数珠繋ぎのような形でネパール、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、ミャンマーとアジアを約1年かけて回りました。
そうやって1年間旅をしている中で、日本に帰りたい気持ちが無くなっちゃったんです。もっと海外にいたいから、単純に海外で働こうと 、海外での就職を考えました。
いろんな国を見て回ってきて、仕事をするならどこか?と考えたときに、インドネシアとベトナムが候補として上がりました。理由は、実際に行ったときの居心地が良かったからです。人もそうですし、料理もそうですし、総合的に雰囲気が良かったのがこの2カ国でした。
「もしやり直せたとしても同じ決断をします」~ベトナムでの仕事~
Q 実際にベトナムで働いてみて、どう感じましたか?
ベトナムは海外就職の第一歩目としては良いと思います。他の国と比べても比較的日本人に近いように感じたりもします。 日本人みたいにシャイなところがあったり、食事も口に合いましたし、治安も他の東南アジアと比較するとかなり良いと感じます。
ベトナムで働いて早2年経ちますが、日本に帰りたいと思ったことは、一度も無いですね。もちろん、帰省や友達に会いたいといったことはありますが、この先も海外で働いていたいと思っています。あのときベトナムで働くという決断をしたことに後悔は一切無いです。
Q 逆にベトナムで働いて大変なことはありましたか?
ベトナムの場合英語でのコミュニケーションだとお互い第2言語でやり取りするので、感覚の不一致や「言った言わない」のミスコミュニケーションが起こりやすいです。
たとえば何かをお願いするときも口だけで~やっといてと伝えるだけでなくて、さらにメールで念を押したり、分かりやすく絵を使って説明するように気をつけてます。
Q ベトナムから見て改めて感じた日本の良さはありますか?
やはりモノやサービスの質の高さは日本の良さだと思います。その辺のローカルのお店で買い物をしても「ありがとうございました」って言われること少ないですから、すぐ慣れましたけど(笑)
実はこの床材も日本からわざわざ輸入したものを使っているんです。時間はかかりますがそのほうがお客様にも満足してもらえます。(取材はTSI VIETNAMさんのオフィスでさせて頂きました。)
Q 逆に、日本には無いベトナムならではの良さはありますか?
周りのベトナム人がおおらかで 自由な雰囲気ですね。「他人に迷惑をかけないように」が日本に比べてよわいです(笑)だからこそ自分も気が楽なんですが。迷惑を掛け合いながら人々が助け合うところはベトナムの良さだと思います。
あとは、街が成長している様子を実際に見れることです。何も無かったところにビルがニョキニョキと建っていったりして人々の生活が大きく変わっていく様を感じられるのは面白いです。
Q お話を伺っていると、知らないところに飛び込んでいくのが上手だと感じたのですがなぜできるのでしょうか?
もともと自分の知らない場所に溶け込んでいくことが好きなんです。思い通りにならないこと、日本のようにいかないことも多いですがそれも海外生活の醍醐味として楽しんでいます。仕事のなかだとそうも言ってられませんが。
それと挑戦できるのは幸いにも日本にいる家族も元気で、いまだ独り身だからかもしれないですね(笑)もし昔に戻れるのなら、もっと早くから海外に出ていたかったかもしれません。若い方が言葉をはじめあらゆる面で環境に順応する能力が高いですから。
Q これからミャンマーでどのようなお仕事をされるのでしょうか?
基本的にはベトナムでの業務と変わらないんですが、当分ミャンマーオフィスは常駐の日本人が1人なので、仕事の幅は増えると思います。今までのような業務に加えて、材料にしても、人手にしても、ミャンマーではベトナム以上に海外に頼ることになると思うので様々なところと連携を取る業務も大きく増えると思います。
インタビューを終えて
荒川さんとお話しさせていただいて、「もし人生をやり直せても、大体同じ様なことやってると思います。」と仰っていたのが非常に印象的でした。
またローカルなどの、同業の企業とも単純に競合と考えるのではなくて、リスペクトを持って接している姿勢が、どんな環境にも溶け込んでいける秘訣なのではと感じました。
新天地のミャンマーでも頑張ってください!お時間を頂き、貴重なお話を聞かせていただいてありがとうございました。
取材2016年5月20日 齊藤陸(JAC Recruitment Vietnam インターンシップ生)