ベトナム・ホーチミンで働く韓国人~Leferi Beauty Entertainment Youngjin Kimさん~
更新日:2017年5月24日 (取材日:2017年5月18日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
韓国企業美容系Youtuber事務所Leferiのベトナム拠点立ち上げに一人でベトナムに送り込まれたYoungjin Kimさん。韓国語、ベトナム語、英語、日本語の4ヶ国語を操る多言語話者でもあります。今回は言語習得の秘訣から韓国人から見たベトナム、日本についてお話をお伺いしました。
韓国人一人でのベトナム拠点立ち上げ
ベトナムに来るまでの経歴を教えていただけますか?
韓国外国語大学でベトナム語を専攻していました。在学中にベトナムに留学したかったのですが、金銭的な問題で行けず、ベトナム留学費用を稼ぐためにオーストラリアで1年間ワーキングホリデーで働きました。ワーホリが終わり次第、韓国に帰らずそのままベトナムへ語学留学の為5ヶ月間滞在しました。留学期間が終わった後、韓国の大学に戻ったのですが、5ヶ月では語学習得に充分でなく、再度ハノイのホテルにインターンシップに行きました。その後、再度大学の交換留学でベトナムに来て、今年の3月に大学を卒業しました。
今の会社で働くようになった経緯を教えていただけますか?
インターンシップをしている際に偶然今の会社の社長のガイドを務めることになり、その際に自分がYoutubeに興味のあることなど会話をしていると、社長にベトナムで新拠点の立ち上げをしてくれないか、と言われ入社することになりました。
Leferiの事業内容について教えていただけますか?
弊社は、美容系Youtuber事務所です。現在は約150人が所属しています。主な事業内容として、所属Youtuberのマネジメントを行っています。また、弊社の特徴として企業からYoutuberを指名してのタイアップは行っていません。この様な方法を取る理由として、Youtube視聴者はYoutuberに対してテレビの中の芸能人とは違う知人のような親近感を感じています。ですので、明らかな企業からお金をもらっての商品紹介動画は、Youtuberの本心が見えないので視聴者からは好まれません。
弊社ではオフィスに大きなショーケースがあり、企業の皆さんにはそちらに自社の商品を提供してもらいます。弊社に所属しているYoutuberはその商品を無料で利用することが出来、その中でYoutuber自身が良いと思ったものを動画で紹介してもらっています。
ベトナム拠点は去年立ち上がったばかりで、今は市場調査を行いながら、韓国人Youtuberのベトナム進出のサポート、またゆくゆくは弊社所属のYoutuberの獲得を行いたいと思っています。
言語学習は机上では無くてコミュニケーションが大事
どうして4ヶ国語も勉強しようと思ったのですか?
ベトナム語は私が大学に入る前に新聞でこれからの時代はベトナム語が出来たら100%就職できる!という記事を見つけて、じゃあ勉強しようという安易な考えで勉強し始めました。
ただ、学費として多額のお金を使っているので話せずに卒業はできないと思い必死で勉強しました。英語に関しても、ワーホリでオーストラリアに行った時に話せないと仕事にならないので、必死に勉強しました。
英語もベトナム語も趣味というよりはやらざるを得なくて生きていくために習得したという感じですね。
一方で日本語は趣味で勉強し始めました。幼少の時にドラゴンボールやスラムダンクなどの日本のマンガを数え切れないほど読んでいて、いつか翻訳版ではなくて原文でその漫画を読みたいと思っていました。日本語の勉強は兵役時期に暇な時間があったので始めました。
語学習得のコツはありますか?
とにかく聞いて聞いて、そして真似ることです。あのシチュエーションでこのようなリアクションをしながらこの言葉を使っていたというのを、会話の中で覚えていき、次に同じシチュエーションになったら同じように振る舞ってみるようにしています。私達が赤ちゃんの時どのようにして言葉を覚えるかというと、コミュニケーションの中から覚えていきますよね。言語習得は紙の上で行うものではないと思っています。実際に日本語に関しては、読むのと書くのは得意ではないです。特に漢字が難しいですよね、同じ発音で違う意味の漢字がいくつもあるので。
韓国人から見る日本とベトナム
近年韓国企業のベトナム進出がとても多いですけど、なぜ進出が多いと考えますか?
これはあくまで私個人の考えなのですけど、大企業以外でベトナムに進出している韓国人は韓国で失敗した人が再度挑戦するためにベトナムに来ているように思います。また、近年の若者の間では今の韓国就職活動であったり、職場環境が悪くて自分の国を『HELL朝鮮』と言っている人もいます。若者は韓国での生活を息苦しいと感じているんですね。ですので、韓国以外の国で働きたい若者が一定数ベトナムに来ているようにも思います。
ベトナムでの生活はどのように感じますか?
大変ですね。ケータイや鞄をひったくりにあったこともありますし。また、文化の違いに疲れた時もありました。ベトナム人は日本人や韓国人のようにhard workingを好む国では無いですし、仕事への意識や考え方の違いにも苦労はあります。
ビジネス面でのベトナムはどのように思いますか?
可能性に溢れていると思いますよ。私は10年前に新聞記事がきっかけでベトナム語を専攻することを決めたのですが、その後他の情報誌に10年後にはベトナムの時代は終わると書かれていたんですね。今ベトナムに来て、当時から約10年が経過したのですが、全然終わって無いですよね。むしろまだまだこれからだと思います。ただ、外国人が思うベトナムと実際のベトナムにはギャップがあるので、マーケティング調査は非常に大切だとも思います。
韓国人からみて日本はどのように思いますか?
私は日本大好きです。特に若者は日本が好きだと思います。実際に多くの韓国人が旅行で日本に行っていますし。ニュースなどを見ていると、反日だというニュースもありますがあくまで政治関係だけだと思います。ただ、メディアの影響で日本人が韓国人の事を嫌っているのでは無いのかという考えの人もいますね。個人では嫌いという人は少ないと思います。
今後はどのような人間になりたいと考えますか?
クリエイティブな仕事をしていきたいですね。
また、1つの大きな夢としては韓国人の中で一番ベトナム語が話せる人にもなりたいです。
生活の中でどのような事を大切にしていますか?
自己成長を大切にしています。昨日の自分より今日の自分、今日より明日と日々成長していく自分をみるのが大好きですし、楽しいです。
去年一年で多くはないですが稼げるようになって、自分の中でお金は生きていけるだけあればいいと思いました。大金持ちになっても、人生が楽しくなかったら意味が無いと思います。自分が楽しいと思うライフスタイルと自己成長を大切にしています。
インタビューの感想
日本に住んだことがないとは思えないほど日本語が話せるYoungjinさん。1ヶ月前にお会いした時よりも、さらに日本語力が上がっていて驚きました。言語習得の1番の方法は人とのコミュニケーションと話してくださるように、多国籍な多くの友達がいらっしゃいます。
日本語を勉強しようとしたきっかけは日本のマンガだったそうで、日本マンガの世界への影響力を実感しました。
また、ベトナム生活の苦労は日本人から聞くのと同じことを仰っていて、国にかかわらず全ての人が同じ悩みを抱えているのだとも思いました。
お忙しい中、お時間を割いて頂いたjinさんに感謝申し上げます。
取材日:5月18日加藤真友(JAC Recruitment Vietnamインターンシップ生)