ベトナム・ハノイで働く日本人インタビュー~KDDIベトナム 中尾さん~
更新日:2016年3月27日 (取材日:2016年1月15日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
目次
ベトナムに来られる前はどんな仕事をしていましたか?
2007年から日本のKDDIで営業として働いています。始めは、量販店の個人向けにどうすれば携帯が売れるか、ということをしていました。それから、大阪で法人向けに、携帯電話のプランの提案をしていました。販売店や量販店に対して、商品の配置や、スタッフの教育をどうするか、店舗経営に関して提案をしていました。今ベトナムでは、法人営業をしています。なので、お客さんと接する仕事をずっとしています。九州4年、東京半年、大阪2年働いて、それから駐在員としてベトナムに来ました。
日本のKDDIではどんなスタイルで働かれていましたか?
周りの人にも恵まれていたこともあり、自分のやりたいように働かせて頂いていたと思います。お客さんに対してこういう背策をしたいだとか、意見を言えば、通して貰える会社だと感じています。むしろ自分から意見を言わないと、何も与えて貰えないので、自分から行動を起こしていかないといけない環境だと思います。例えば、今こんな努力をしていて、こんな目標があって、いつまでにどうなりたいかというビジョンを他の人に言うようには心がけています。言い方や、考えないといけないことも沢山あるんですけど。日本でも、ハノイに来てからもそうです。
ハノイに来るきっかけを教えてください。
東南アジアで活躍している日本人の知人が居たので、私もやってみたいと思いまして、自分から手を挙げさせていただきました。その頃は、まさかベトナムに来るとは思っていなかったですね。せっかく海外に出るのならば、伸びている市場で働きたいとは思っていました。
KDDI VIETNAMではどんなことをされていますか?
今ハノイに来て、2年と少し経ちました。主に、弊社では日系の企業様に対して、ITのトータルサポートをさせていただいています。具体的には、PC販売、工場設立時には、建設業者と一緒に進出企業のサポート、インターネットや電話の配線、生産管理のサーバーを入れ、システムの設定等のITに関するサポートをしています。
また、ハノイには工場が多く、新しく工場を立ち上げる企業様の受注も増えてきています。こういう時に、ITのエキスパートが居ないことが多いため、弊社がサポートをさせて頂いております。設定して終了ではなく、稼動以降にトラブルがあった時、相談できる窓口が少ないので、こういう時にも、弊社がサポートをしています。このほかにも、進出企業をサポートする際に、設計の図面を見て、どこにコードがあればよいかを他企業さんと相談をすることもあります。例えば、内装業者、建設企業、パソコンのソフトの企業の方といった感じで、幅広い分野の方とのお付き合いがあります。大変だけどやりがいがある仕事だと思います。
わからないことが出てきた場合どうしていますか?
実は、私は大学では、文系の商学部でITビジネスを勉強していました。文系ですので、詳しいことになると、わからないことも出てきます。そういう場合、弊社では、わからないことがあればすぐに聞ける環境があります。そして、わからないからこそわからない人の気持ちに寄り添えることができると思います。
わからないことがあったら、すぐに聞く。嫌な顔をされても聞く。3回まで押して聞くと98%教えて貰えるんです。本を読むというより、その場で働きながら勉強しています。最終的お客さんに迷惑をかけないことが一番大事だと思っているので、そのためにはたとえ一時的に迷惑がられても確認する。そこの遠慮はしていないですね。あと、社内では支え合おうという雰囲気が強いので、その環境に私は助けられています。
ベトナムでのワークスタイルはどうですか?
決して楽な環境とはいえなないです、日系企業なので残業もやっぱりありますし。ただ、時間をかけることで、ベトナム人と分かり合える部分は多いと思います。
人間関係の基本みたいな話になるんですけど、我々は社内での連携は比較的取れていると思います。意見がぶつかることがあっても、方向性はずれないです。日本人がベトナム人に、ベトナム人が日本に対しても尊重しているし、お互いの意見を尊重したいと伝えています。たとえば日本人にとっては理解できないことをベトナム人が話すことはやっぱりあります。ただ、そこには必ず理由があるので、そこを理解しようとしています。それはきっと逆も同じなのだと思うんですよね、日本人は厳しすぎると私でも思いますし笑。この環境は、私が作り上げたというよりは、10年くらい働いているリーダーが居るのですが、その方々の今までの積み重ねによると思います。今は一丸となってお客さんのためにやっていこうねといった環境が整っています。
一緒に働いているスタッフとはどういう感じですか?
よくベトナム人はまじめだとか、逆にずるいとか言われるのですが、私はベトナムに来る前は、何の先入観もありませんでした。来てみて思うことは、ベトナムの人(特にハノイ人)はしっかり話を聞いてくれます。こうしたいと伝えると、それに向かって一生懸命にやっくれるプラスのイメージが強いです。ただし、育った環境が違う以上、考え方が違うので、コミュニケーションに時間をかけないといけないということは、大前提として思っています。社内公用語は、英語でやり取りをしていますので、日本人にとっても、ベトナム人にとっても、第二言語です。ゆえに、きちんと仕事をしようと思ったら、コミュニケーションをすることには時間をかける必要があります。欲を言えば、もっと効率よく仕事をしたいのですが、コミュニケーションがそがれては意味がない。あなたの意見をきちんと尊重したいから、話をしっかりしたいんだ、という思いはきちんと通じると思うんです。
ベトナム人はよくサボるとか言われていますが、日本人でもベトナム人でも働かない人は働かない。やるかやらないかはその人次第だと思います。さらに言えば、ベトナム人が日本人に近しいがために、日本人がベトナム人に求める要望が高いと思うんです。ハノイの人は、わかっていなくても、まず聞いてくれようとする、話ている方は分かってくれた様に錯覚する。でも実際は、きちんと理解していなかったといった時に失望に繋がる場合があって、その印象が大きいんじゃないかと思っています。
人生で受け取ったアドバイスで特に思い出に残っている言葉やエピソードを教えてください。
上司に「お前の言ってることは、なにが実際起こっていることで、何がお前の意見なのかが分かんねーよ」と言われたことですね笑。
お恥ずかしい話ですが、ホウレンソウをきちんとしなければという気持ちが先走りすぎて、ちゃんと状況を自分の中に落とし込むこともせず、上司に話に言って、言われた言葉です。
当たり前なのですが、自分の思考が40%くらいしかかたまっていない段階で他の方の意見を求めに行くのと、80%まで高める努力をして、話をしに行くとでは、全然違うんですね。自分の立場、相手の立場によって違いますが、ホウレンソウは仕事上していかないといけないことですが、相手の時間を奪ってしまうことにもなる、これをきちんと認識できていなかったことが恥ずかしかったですね。
自分の話をしに行くときは、相手の時間を奪っていることもあるので、きちんと認識して、思いやりを持って相談しに行くことが大切だと思います。バランスと思いやりを持つことが大事だと気づきました。まあ、今でもできていないことが多いので、日々精進ですが。。
ハノイの休日はいかがですか?
娯楽が少ない分、逆に、健康的な生活ができていると思います。ハノイは早く店が閉まり、朝が早いので、早起きしてしています。そして、することがないので、未経験のテニスを始めました。結構健康的な生活ができているんです。治安が良いので、女性が生活しやすい国だと思います。
ハノイでの女性の力の発揮
女性の力を発揮の仕方は、世界で普遍的だと思っています。何を伝えるにも女性のほうがやわらかく伝わると思います。ベトナムに日本人女性は少ないので、人と違う角度から、話ができますね。女性が居るだけで、雰囲気が変わると思います。もちろん、海外で仕事をする以上、自分が何をしたいのかをしっかり主張することは大前提ですが、主張すればできることも多いんじゃないかと思いますね。
ハノイ人の性質
仕事に対してもちゃんとわかって貰えれば、真面目にやってくれる人達だと思います。上の人の言うことは、きちんと従おうとする性質だと思います。ベトナムというよりは、ハノイ人の性質だと思いますので、ホーチミンとはまた違うのかもしれないです。
最後に一言
常に変化のあるアジアだからこそ、「今」の状況を共有しながら、学べび、チャレンジできる環境が大切だと思っています。KDDIでは、その環境が整っています。わからないことがあれば、誰かに聞いて、それでもだめなら一緒に考える。自分の成長のためにも、お客さんのためにもコミュニケーションがとれている環境が最も重要だと思います。この環境は何年もかかって作り上げてきた環境です。KDDI VIETNAMハノイには今、日本人6名、ベトナム人40名のスタッフがいます。日本人、ベトナム人関係なく、お互いの意見を尊重し合い、お客さんのためには何が最善か、意見を交わせる良いチームとなっていると思います。この恵まれた環境を大切にして、日々働いていますね。まだまだ仲間は募集しているので、興味のあるかたは是非、ご連絡下さい笑。