ベトナム・ハノイで働く日本人~JAC Recruitment Vietnam 大矢敏美さん~
更新日:2017年6月15日 (取材日:2017年6月7日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
今回は、JAC recruitment Vietnamの大矢敏美さんにお話を伺いました。JAC Recruitmentは1975年にイギリスのロンドンで創業し、東南アジアを中心に11カ国26拠点を構える人材紹介会社で、大矢さんはそのベトナム ハノイ支店でお仕事をされています。ご自身がベトナムで働き始めて約2ヶ月、大矢さんが様々な視点から見たベトナムでのお仕事の様子をぜひご覧ください。
目次
今までのご経歴を教えて下さい。
大学卒業後、産業用機械メーカーに就職しました。その会社で4年9ヶ月間働いた後退社し、フィリピンでの1ヶ月半の語学留学と、カナダでの9ヶ月間のワーキングホリデーを経て、今年4月からベトナムハノイの人材紹介会社、JAC Recruitmentでコンサルタントとして働いています。
以前は具体的にどの様なお仕事をされていたんですか?
私が日本で働いていた時の会社は、B to Bの機械を扱っていました。例えば、生産現場のラインを冷やす装置等です。パソコンが使っているうちに熱くなると、ストップしてしまうことがありますが、それと同じことが生産現場でも起こります。私はその会社の事業支援グループで、製品の購買や生産管理、倉庫・在庫の管理、集荷物流の管理、基幹システムの管理等を行っていました。具体的には、営業担当者の営業効率を上げるためにシステムを改善したり、出荷パフォーマンスを挙げる為に改善点を見つけて担当の人と話あったりしていました。 その後フィリピンに留学に行き、帰国後には2ヶ月間、知り合いの翻訳会社でお手伝いをさせてもらっていました。 カナダのバンクーバーでのワーキングホリデー期間中は、最初の2ヶ月間、非営利団体のファーマーズマーケットでNPOのボランティアスタッフとして働いた後、現地の日系旅行会社で働きました。私はホテル課で、個人や団体の予約や交渉作業をしていました。
海外で働こうと思ったきっかけを教えてください。
もともと海外が好きでした。高校生の時は国際教養科で勉強していて、その時に2週間程度イギリスでのホームステイを経験しました。その時に、異文化に触れることや、外国の人とコミュニケーションをとることが面白いと感じたのが、海外に行きたいと思った最初のきっかけです。その後日本で就職して働いているうちに、ビジネスの中で英語を使うことに面白さを感じ、英語を使って日本と海外の架け橋なるような仕事をしたいと思いました。日本の会社での仕事は好きでしたが、このままずっとこの会社に、日本国内にとどまっていていいのか、と考えるようになり、退社を決意しました。英語のスピーキングに自信がなかったので、フィリピンに1ヵ月半の語学留学に行きましたが、そこでの経験も自分にとって大きかったです。先生を始め英語を話すことができる人がたくさんいるし、政治について詳しい人もいたりして、その環境が自分にとって刺激となりました。
ベトナムを選んだ理由を教えてください。
まずはアジアでの転職を考えていて、アジアなら国はどこでもいいと漠然と思っていました。その時に今働いているJACを使って転職活動をしていて、JACの方とお話していく中でベトナムという国に魅力を感じました。決め手となったのは、社長の加藤さんの言葉です。「ベトナムの人材市場自体まだ成熟していません。これからその市場を一緒にまるごと作っていきませんか。」と言っていただいて、この国、この会社ではそういうことができるのか、と思ってベトナムで働くことを決めました。また、カナダで働いていた時は自分の英語のレベルが原因で、仕事をしていく上で厳しいと感じることもありましたが、ベトナムには自分が今できる能力を生かし、より活躍できるフィールドがあると思っています。
ベトナムで実際に働いてみて、いかがですか?
日系の企業が多く進出している中で、人材の問題は必ずつきまとう問題なので、ベトナムで日本人が必要とされているというのは常に感じています。人材紹介という仕事をしているので、日本で働いていた時よりも、自分が求められていると感じることも多いです。日本の企業は組織化されていて、自分がいなくなっても組織は回っていくし、「○○という会社の大矢さん」という印象でしたが、ベトナムに来てからは「大矢さんがいる○○という会社」という風に見られます。自分が看板になってビジネスをしていけるところが面白いです。 また、ベトナムは女性が活躍できる場面が多い国だと思っています。ベトナムの社会性が現れていて、工場で働いているのは女性がほとんど、という会社さんも多いです。営業というポジションに関しても、男性よりも女性を探している場合があり、女性が求められている国だと感じます。
現在は具体的にどのようなお仕事をされていますか?
今は人材紹介会社のコンサルタントとして、物流・運輸系、サービス全般、一部地域の製造系の企業様を担当しています。まずは企業様に訪問し、求人の案件を頂きます。そして求職者の方と実際にお話をして、その方のお人柄やご要望に合ったお仕事をご紹介します。何かと何かをつなぐ、という点では、以前の仕事と今の仕事に通じる部分があると感じていますが、仕事を通して会う人の数という点で見ると、大きく変わりました。今の仕事では、自分が会社の顔となって企業様とのコンタクト数を増やすことも仕事の一環で、いろんな業種や立場の方とお会いし、お話をすることが大切です。そのために、ベトナムの賃金相場や人口に対する企業数の増加率等、様々なニュースにも敏感でなければなりません。
目標はありますか?
まだ入ったばかりですが、私は目の前の人を大切にするコンサルタントでありたいと思っています。これは、前の会社の尊敬している営業マンの方の言葉なのですが、「ファンを増やしたい」です。もちろん数字も大切ですが、それだけを追い求めるのではなく、目の前の人、つまり企業様や求職者の方、社内の人を大切にして仕事をし、人の背中を押してあげられるような、また信頼してもらえるようなコンサルタントになるのが目標です。将来は日本に戻るのか、ベトナムに残るのかわかりませんが、日本とベトナムの架け橋になれればと考えています。
ベトナムの好きなところを教えてください。
まずは、人です。まだベトナム人の知り合いが多いわけではありませんが、同僚のコンサルタントの人たちを見ていて、ベトナム人は優しくて、人懐っこくて、真面目で、素直だと思いました。例えば、毎月数値の目標達成に向けてがんばっていて、達成するとみんなとても喜んでいます。達成を素直に喜んでいる姿を見ると、いい刺激をもらえます。また、社会が発展途中で、昨日までガタガタだった道路が急に整備されていたり、電車を開通させるために建設作業が行われていたり、日々の中でそういう場面に出会うことができます。そういう社会の中で生活できるのは楽しいです。
これからベトナムで働く人にメッセージをお願いします。
ベトナムは楽しい国です。日本ほど便利ではないですが、困らない程度には日用品も揃うし、何よりも毎日が刺激的です。安全なので女性にとって働きやすい国ですし、日本で働いている時とは違う面でやりがいを感じられると思います。ぜひみなさんとベトナムの経済市場を盛り上げていければと思っています。ベトナムでお待ちしています!
インタビューを終えて
人材紹介というお仕事ををしているからこそ見えてくるベトナムの特徴をお話して頂きました。インタビューを通して、ベトナムの社会や、ベトナムでの人材紹介という実際のお仕事の中に楽しさや面白さを見出していらっしゃる姿が印象に残りました。大矢さん、お忙しい中お時間を頂きありがとうございました!
インタビュー日:2017年6月7日 坂本詩歩(JAC Recruitment Vietnamインターンシップ生)