ベトナム・ホーチミンで働く日本人インタビュー~ICONIC 安倉宏明さん~
更新日:2014年10月16日 / ライター: HIROYA
こんにちは、ベトナム・ホーチミンでインターンをしていた山梨です。今回はICONIC Co., Ltd代表取締役の安倉宏明社長に海外インターンシップについてインタビューしてきました。
目次
ICONIC co., ltd概要
■会社概要
【事業内容】
-ベトナム、インドネシアを中心に人財紹介事業
-ベトナム・東南アジアに特化した人事労務コンサルティング事業
-WEB求人媒体運営事業 ▷ It Works(ベトナム語)
【社員数】
-社員数50名
-世界4拠点(ホーチミン、ハノイ、ジャカルタ、東京)
■創業経緯
大学4年生の就活期にP.F.ドラッガー著「イノベーションと企業家精神」を読み、「世の中を作っているのは起業家だ」というメッセージに感銘を受け、自分もいつか起業したいと考え始める。それから3年後、2007年に新卒から働いていた日本のベンチャー企業を辞め、単身ベトナムへ移住する。ベトナムでは1年間ほど日系企業の進出をサポートする会社で営業マンとして活躍、その後は営業先であった家具工場の社長から「日本人を採用したい」という依頼をきっかけに、2008年ICONIC co., ltdを創業。
海外インターンシップについて聞きました
山梨:まずは御社での海外インターンを受け入れる理由を教えてください!
企業と学生の両方にとってメリットがあると思ってるからです。
企業にとってはプラスアルファに挑戦しやすくなることが大きなメリットですね。
例えば、新しいことに挑戦するためには新しい人を雇わなければいけないので、そこに予算を掛けられない場合があるのですが、インターン生に新規プロジェクトとか任せることができるので、会社としては新しいことをやりやすくなるメリットがありますね。
他には、社内が活気づくことです。
若くエネルギッシュな学生が社員に与えてくれる刺激もありますし、もちろん社員達もインターン生の指導を行うわけなので、“Teaching is learning”の言葉通り、インターン生を指導することで自身の仕事を見直して、効率化やマニュアル化、さらに仕事を任せて引き継がせることで社員の業務整理にもつながっています。
後は人手が確保できることですね。
ベトナムではとにかく日本人の人材が不足している状態なので、上手なOutputがでるように導いてあげれば、ブログの記事更新一つとってもOutput人材の不足を補うことができるので、大変助かっています。
そして、インターン生のメリットは若いうちから海外でること!
これは議論する余地がないくらいやった方が良いと思います。とにかく多感な若いうちに海外で見聞きして欲しいですね。
なぜ海外を見る事が良いかというと『比較』することができるからです。
物事は比較しないと見えてこないものが多く、当たり前に思ってしまう事がほとんどなのですが、海外に飛び出した瞬間に自身が置かれる環境の前提が変えられるため、自身の視野の狭さに気づかされますね。海外に出て比較することで、日本を客観視することができるので、感受性豊かな若いうちにぜひ海外に出て欲しいと思います。海外留学もいいですが、何か打ち込むものがあった方が当然得るものも大きいので、そういった意味でも海外インターンはお勧めですね。
企業は人手不足の中で新しいことにチャレンジできるし、学生は若いうちに海外を見る事ができるので、お互いメリットは大きいですね。
インターンのための長期休学について聞きました
山梨:学生が海外インターンの手段として1年間の長期休学という選択肢を取る事についてはどう思われますか?
貴重な学生期間を1年間も休学するかどうかは悩ましい事ではありますが、、、人生長いですからね!
僕が今、34歳だからかもしれないですけど、若い頃の1,2年で色々な事に挑戦する事は絶対無駄ではないですよ。
就活の話で言ったら、もちろん企業側は優秀な新卒を採用したいわけなので、学生は仕事を分かったふりして面接に行くわけですよね。でもその前に、正社員にかなり近い状態でフルコミットして仕事する経験を得る事で、特にアジア新興国では経済成長の現状を知る事ができるし、社会の仕組みを知る事ができるので、そこから自分自身を知ることができます。そうなると就活で分かったふりなんてせず、自分自身の進みたい道を決める事ができるようになると思います。
若いうちは小さな事でも、一つ一つの事で感動できる多感な時期であるため、その感動体験は成功を抜きにしてもすごく貴重なものになると思います。そんな貴重な若い時間をだらだらと過ごすのではなく、何かにコミットしていればより実のあることが経験できると思います。
海外でインターンをすることのメリットについて聞きました
山梨:日本でのインターンと比べて海外インターンのメリットとは?
まずは日本でのインターンと比べて海外インターンでは土台が変わります。
文化、言語、習慣、食など周囲の環境すべてが変わってくるので、すごく刺激的な環境に身を置く事ができます。
もちろんやりたいことが明確に決まっている人なら早く社会に出て、その道を突き進んだ方がいいと思うのですが、明確に見つかっていない人は海外インターンで何かを一生懸命やってみる経験をする事で一つの軸を創る事ができるので、その軸と比較してある程度自分を掴むこともいいと思います。
就活では軸がない学生の堂々巡りとなっており、ほとんどの学生が仕事を分かったふりをして企業にアピールして、今後10年、20年と続くかもしれない道の選択を迫られることが現状ですからね。
海外インターンを行えば、軸を創って比較することでそれなりにでも自分が見えてくるので、就活で将来何をしたいのか分からないという方には適切な環境になると思います。
インターン生に求めるものを聞いてきました
山梨:インターン生に求める姿勢や心構えを教えてください!
インターン生にとっての一番の報酬となるものは『学び』だと思っています。
たくさんの学びを得るためには、本当に素直な気持ちで何事にも取り組むことが大切なので、一度すべての意見を聞きいれようとする姿勢を持ってください。たとえ自分の意見と合わなくてもいいので、まずは受け入れてやってみて、それから判断してください。
どんな意見でもPDCAを回せば判断できるので、やってみて合うなら吸収、合わなければ反面教師でいいんですよ。人の意見なんて役に立たない事もたくさんありますが、大切な事はとりあえず自分でやってみて、全ての意見を受け入れて吸収しようとする姿勢です。
学生が本気で学びたいと思えば、周囲も本気でダメなところを指摘するので、指摘された数だけ成長のチャンスがあります。もちろん、ヘコんだり、悲しんだり、悔しいと思う事も多くなりますが、その全てを吸収して成長してやろうという覚悟が大切になってきますね。
社会人になって、ある程度の基礎が出来上がると聞く耳を持たなくなる人が多いので、素直に学ぼうとする姿勢を持って、怒ってもらえる環境をぜひ利用してください。
でもここで勘違いしないで欲しいのは、覚悟を言い訳にしない事です。
失敗の理由を覚悟が足りなかったから、意思が弱かったからではなく、具体的な方法論にまで落とし込んで打開策を打つ事が必要になってきます。人間は怠ける生き物なので、覚悟や意思だけに頼っていては成功に繋がりません。覚悟や意思はスタート地点では大切ですが、個人の行動レベルに落とし込んだ方法論を意識してみてください。
海外志向の学生へのメッセージを頂きました
山梨:最後に海外志向の学生へメッセージをお願いします!
何でも頑張ってください!笑
人から話を聞いたりインターネットで情報を拾うのではなく、自分自身で日本とベトナムを比較する体験が大事になってきます。日本を客観視して、新しい事に気づいた瞬間はすごい大事ですよ。科学者が特にそうですけど、人が気づいてない事に気づいた人がすごいという評価になるので、人が気づいていない事、人がやっていない事に価値を見出せるような存在になってください。
そのような存在になるためには、行動する事ですね。深く突きつめていくと、目の前の小さな事を一つ一つをコツコツとやっていく事が大切です。意識高い系学生であっても机上の空論で哲学を語る傾向にあるので、そうではなくてぜひ何でも行動に移して欲しいと思います。
編集者(山梨)の感想
海外インターンを経験して『良い経験』をした、『ビジネス知識やスキル』が身に着いた。ただそれだけで、具体的なステップアップのための行動段階まで、落とし込めていない学生が多い現状が少なからず存在しています。海外インターンを本当に意義のあるものにするために、価値を見出し、その価値を提供できるようになること。そのためには目の前の事からコツコツやっていく事が大切だということに改めて気づかされました!1人でも多くのインターン生の成長促進に繋がるように、今後も記事を配信していきます。
安倉社長、ありがとうございました。
ライター情報
HIROYA
山梨寛弥(やまなし ひろや) 1990年3月生まれ。静岡県出身。千葉大学大学院在籍。 日本でのご縁から学校を半期休学してベトナムでインターン生として活動しております。普段は感情無いとか省エネ男子とか言われますが、、、心は誰よりもオーバーヒートな全力インターン生です!! インターン先:KTDC Group(http://www.ktdcgroup.com/ja/)