ベトナム・ハノイで働く日本人~HIS 中村さん~
更新日:2017年8月7日 (取材日:2017年7月20日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
H.I.S.ハノイでご活躍されている中村有伽さんにインタビューをしてきました。
ハノイに来て半年、ハノイ在住の日本人の方の“旅行”を、ベトナム人スタッフの方々と一緒にサポートしていらっしゃる中村さんに、ベトナムでのお仕事や普段の生活について、海外で働きたいという思いについてのお話を伺いました。
目次
現在のお仕事
H.I.S. さんについて教えてください。
H.I.S.ハノイは、約75名の従業員がおり、そのうち日本人は全員で9名です。私も含め、赴任という形でこちらで働いている人が多いです。
業務は、アウトバウンドとインバウンドと2つに分かれております。
インバウンド業務では、日本のH.I.S.でツアーを申し込んで、べトナムに旅行に来た日本人の方のサポートを行っております。
アウトバウンド業務では、ベトナム人のお客様に対して、訪日旅行の販売を行ったり、日系企業様に対して、社員旅行のご提案や、一時帰国の際の航空券の手配を行っています。
私の所属する部署では、ハノイに住んでいる日本人の方に対して、ベトナム国内外へのツアーの販売や、航空券の手配を行っています。
中村さんの所属する部署では具体的にどんなことを行っているのですか?
ベトナム国内に関して言うと、ハロン湾などの観光地を訪れる国内ツアーを取り扱っています。国内のツアーも、もちろん人気はありますが、ベトナム国外への旅行に対する需要は高いです。特にバンコクやラオス等、東南アジア内の隣国は、日本からだと時間がかかるところをベトナムからだと1~2時間で行くことができるので、「2日間休みがとれたので、来週から旅行に行きたい!」と言ってご来店頂く方もいます。ベトナムに在住している方は、積極的で行動力のある方が多いように感じます。隣国だけでなく、アメリカやヨーロッパに行かれる方もたくさんいます。
ベトナム在住の日本人の方は増えてきており、旅行のみならず、急な帰国のための航空券の手配の問い合わせを頂くこともあります。若い方を中心に、インターネットでご自身で航空券の手配をされる方も多くいらっしゃいますが、やはりここは海外ですので、何かトラブルが起きたときに、サポートが日本国内のみの対応だったり、ベトナム語や英語でしか対応してもらえなかったり、そういう点を心配して、弊社にお問い合わせいただく場合もございます。
中村さんのお仕事内容について教えてください。
ベトナム在住の日本人の方に、国内旅行と海外旅行のご提案・販売をするのが主な業務となります。日本帰国の航空券手配も行っています。これらは日本にいた時にも行っていた業務の延長ですが、ベトナムに来てからは、日本国内の会社だと人事部が行うような仕事にも携わっており、業務の幅が広いお仕事だと感じています。ベトナム人スタッフの採用・面接の他、教育としてカンボジアやラオスへの海外ツアーを販売するためにその土地についての勉強会を行ったり、広告や商品造成にも携わっております。
ベトナムに来て気づいたことはありますか?
日本では2人の後輩のサポートを行っていました。しかしベトナムに来て9人のベトナム人をマネジメントする立場になり、視野を広げることの必要性に気づきました。このような経験をさせて頂き、日本で働いていたときの上司の考えや、人事の採用基準はどうだったのか、考えるきっかけにもなりました。そこが日本で働いていたときとの大きな違いだと感じていますし、ベトナムに来ていなければ経験できなかったことだと思っています。
また、スタッフの日本人よりも日本人らしい姿勢には驚きました。私の部署ののスタッフは日本に興味があり、日本語が喋れるスタッフばかりです。みんなペラペラと言っていいほど日本語が上手なのですが、やはりサービス業なので、丁寧語や謙譲語をものすごく勉強しているスタッフが多いです。敬語に関して私も知らなかったようなことを聞かれることもあり、私自身勉強になっています。私の部署のスタッフは考え方が日本人に近くて、皆、謙虚であり、恥ずかしがり屋であり、勤勉であり、日本人と似ているところがたくさんあります。その中でもスタッフの謙虚な姿勢や勤勉さは、日本人以上だと思います。
今までの経歴
日本でのお仕事について教えてください。
2014年4月に、新卒でH.I.S.に入社しました。ショッピングモール内の営業所で、カウンター業務を行っていました。1年目は教えてもらう側で、2年目からは後輩を指導することもありました。今から考えると日本での業務は今ほど幅広くはなかったのですが、毎日の業務に追われて、忙しい日々を送っていました。
旅行業を選んだきっかけはなんですか?
昔から、海外で働きたいと思っていました。一番初めのきっかけは、父親の影響で洋楽や洋画に触れているうちに英語が好きになったことです。それをきかっけに海外に興味を持ち、海外旅行が好きになり、実際に海外に行ってみると日本と海外が全く違うということに気づき、海外に住んでみたい、働いてみたい、と思うようになりました。なので、自分の中で、総合職について、数年でも海外で働いて、視野を広げて日本に戻ってくるという自分なりのビジョンを持っていました。それを軸に、大学3年生の時、地元で総合職に就きたいという強い思いを持って就職活動に取り組んでいたのですが、なかなかうまくいかずに悩んでいました。その時に、親の「とにかく旅行が好きでしょう?好きなことをやってみれば?」という言葉を受けて、初めて旅行会社にエントリーシートを送りました。他の企業の選考も同時に進んでいましたが、H.I.S.から内定をもらった時に、他の選考は全てストップして、H.I.S.への就職を決めました。旅行会社楽しそう!というフィーリングで、すぐに決めました。
どんな学生時代を送っていましたか?
大学は、国際協力に関して勉強していました。授業は英語で行われており、“英語を”学ぶわけではなく、“英語で”学ぶことのできる環境だったので、その大学を選びました。授業についていくために、自分で英語のリスニング力をあげるために勉強していたのですが、英語を習得することが最終目標ではなく、英語を使って何かをすることが大切だと考えていました。在学中に、海外にもたくさん行きました。オーストラリアのブリズベンとカナダのバンクーバーにそれぞれ3ヶ月間ずつ留学したり、東南アジア方面に旅行にも行っていました。大学の授業や海外旅行も、海外で働きたいと思うきっかけとなりました。
ベトナムでの生活
いつからベトナムで働いていますか?
2017年1月から、ハノイで働いています。今約半年経ったところです。
1年前に、旅行でベトナムに来たことがありました。ホーチミンとダナンにいったのですが、その時はまさか自分がハノイで働くことになるとは想像もしていませんでした。旅行先としてベトナムを選んだ理由は、ダナンがビーチリゾートとして注目されているから、だったのですが、来てみるとご飯もおいしく、治安もよく、雰囲気も良くて、ベトナムに対して良い印象は持っていました。ですが実際にハノイで働くことになったときは、何も知識もなくついていけるのかどうかという不安や、日本と比べたときの衛生面に対する不安がありました。その反面、ベトナムはこれからどんどん成長していく国だということが分かっていたので、そういうところで働かせていただけるんだ、というポジティブな思いもあり、不安と期待が半分ずつでした。でも、ベトナムに住むことが決まっていろいろと調べていくうちに、調べれば調べるほどわくわくした気持ちが強くなっていきました。元々ベトナム料理がおいしいことは知っていましたし、やはり日本ではないというだけでわくわくしていました。
休日は何をされていますか?
来た当初は、よくカフェ巡りをしていました。ハノイにはおしゃれなカフェが多く、探検のし甲斐があります。最近は節約もしたいので、スーパーに行って、買い出しをして、お料理しています。こちらでは大きくておいしい野菜や果物が安く手に入るので、大量に買ってお弁当や夕食のためのストックを作っています。
旅行先としてのハノイの魅力はありますか?
ベトナムにはハノイ、ダナン、ホーチミンの3大都市がありますが、その中でもハノイは魅力的だと思います。ホーチミンほど都市ではなく、ダナンほどビーチリゾートではなく、ハノイではベトナムらしさを感じることができると思います。雰囲気がのんびりとしていて、時間がゆっくり流れるような、ベトナムの雰囲気を感じることができると思います。ベトナム料理もブンチャーなど、ハノイ発祥のものが多いので、ベトナム料理を楽しみたいと言う人にももってこいの場所だ思います。日本とは違う海外らしさ、ベトナムらしさを感じるには、ハノイが一番だと思います。
感想
日本の旅行会社ということで、お話を聞く前は日本からベトナムへの旅行に注目していましたが、ベトナムに住んでいる方の国内外への旅行に対する需要が高いというお話を聞いて、驚きました。
また、海外で働きたいという強い思いやご自身のビジョンをもって就職活動を行い、現在3年目で、ハノイの1つの部署のマネジメントまで任されている中村様のお話は、就職活動を控えている私にとって、とても印象的なお話ばかりでした。
お忙しい中お時間を頂き、ありがとうございました!
取材日:7月20日 坂本詩歩(JAC Recruitment インターンシップ生)