ベトナム・ホーチミンで働く日本人~百五銀行 柴田隼人さん~
更新日:2016年10月14日 / ライター: JAC Recruitment Vietnam
ご自身の勤められていた地方銀行がベトナムの銀行と業務提携をすることになり、駐在という形で去年からホーチミンのジャパンデスクで勤務されている柴田隼人(しばたはやと)さん。ベトナムに来られてまだ1年弱という柴田さんのリアルな声を伺ってきました。
目次
- 1 Q. これまでの経歴をお聞かせください。
- 2 Q. ジャカルタでも勤務されていたのですね!もともと海外で働くことに興味はお持ちだったのでしょうか?
- 3 Q. では、海外駐在に抵抗はありませんでしたか?
- 4 Q. ベトナムに対する不安はありませんでしたか?また、ベトナムの良いところは何だと思いますか?
- 5 Q. 日本だと堅いイメージのある銀行員という職ですが、ベトナムと日本の働き方の違いはありますか?
- 6 Q. 几帳面すぎる日本とルーズすぎる国を経験するとたいへんですね。
- 7 Q. 2014年9月にHDバンクと提携し、このジャパンデスクが設置されたばかりとのことですが、HDバンクの方との考え方の相違はありますか?また衝突したことはありますか?
- 8 Q. 日本とベトナムどちらで働きたいと考えますか?
- 9 Q. 仕事以外で苦労されたことはありますか?
- 10 Q. 最後に、これからベトナムへの駐在や滞在を考えている方にアドバイスをお願いします!
- 11 インタビューを終えて
Q. これまでの経歴をお聞かせください。
大学を卒業後、地元三重県の百五銀行に就職しました。そこでは営業をしていたのですが、ある時国際部門に入る機会があり、そちらに志願しました。そして2013年にはインドネシアのジャカルタに1年間駐在し、一度帰国したのち、2015年の10月からは提携先であるベトナムのHD BANKで勤務することになりました。
Q. ジャカルタでも勤務されていたのですね!もともと海外で働くことに興味はお持ちだったのでしょうか?
いえ、ほとんどありませんでした。元々地方銀行を選んだのも、家族の近くにいるためでしたし。ただ、営業をしている中で、自動車関係のお客様と接する機会が多くて、海外でのお話をよく聞かせて頂いていました。でも自分は海外で勤務したことがないからお客様と話が合わなくて…。そこから、自分も海外での経験をした上で、お客様と接したほうが、もっと親身に内容の濃いお話が出来るのではないか、と漠然と考えるようになりました。
Q. では、海外駐在に抵抗はありませんでしたか?
ちょうどインドネシアへの駐在の話を頂いたときは、自分の結婚のタイミングと被っていたのでさすがに戸惑いましたね(笑)でも妻は海外駐在に反対せず、逆に背中を押してくれたので、感謝しています。
Q. ベトナムに対する不安はありませんでしたか?また、ベトナムの良いところは何だと思いますか?
一応、同じ東南アジアであるジャカルタに駐在をしていたので、あまり不安はありませんでした。ただ、ジャカルタより整備されていない道路やビルを見て、ベトナムはまだまだ発展途上なのだなと思いました。
ベトナムの良いところは、ホーチミンがコンパクトシティーだというところですね。とても生活しやすいです。ジャカルタでは、隣のビルにタクシーで行くのに30分かかったことがありました(笑)また、日本人は非通知の電話に出たがる人は少ないですが、ベトナム人は知らない人から電話がかかってきても出てくれるので、そういった面で営業はしやすいかもしれないですね。
Q. 日本だと堅いイメージのある銀行員という職ですが、ベトナムと日本の働き方の違いはありますか?
やはり全然違います。ベトナム人の銀行員は銀行員といいながらも、時間にルーズな部分があります。なにより困るのは、約束の優先順位が約束をした順番ではなく、自分にとっていかに大切かで決まることですね。一度大切なアポイントメントをドタキャンされてしまったときは本当に驚きました。
Q. 几帳面すぎる日本とルーズすぎる国を経験するとたいへんですね。
そうですね。でも、きっと今日本に帰ると守らなければならないルールが多すぎて、逆に息苦しいと感じてしまうかもしれないですね。
Q. 2014年9月にHDバンクと提携し、このジャパンデスクが設置されたばかりとのことですが、HDバンクの方との考え方の相違はありますか?また衝突したことはありますか?
そうですね。やはり日本の銀行とベトナムの銀行では考え方や常識が異なるので、ピンとこないこともあります。また、お互いが自分のやり方について間違っていないと思ってしまうときは、うまくいかなくなったりもします。しかし、衝突したところで物事は変わらないので、間をとってなんとかしてみようといつも心がけています。ただ、仕事上働きづらいことはありますが、人間関係では働きづらいと感じたことはありません。
Q. 日本とベトナムどちらで働きたいと考えますか?
まだベトナムにいたいと思っています。ただ、永住は考えてないです。ベトナムに来て感じるようになったのは、「日本の素晴らしさ」です。これはずっと日本で暮らしていたらきっと感じることができなかったと思います。細かすぎることもありますが、電車が時間通りに来ることや欠陥品の基準が厳しいことなど、他の国だとこれくらいよいだろうと思われてしまう部分が日本では絶対に許されないことがよくあります。この厳しさや細かさという部分は日本にしかないもので、それこそが日本文化の素晴らしさだと思います。
Q. 仕事以外で苦労されたことはありますか?
あまりありませんね。食に関していうと、こちらではかなり日本料理店が多く、ベトナム料理が食べられないという人も、食に困ることはないと思います。ただ、ベトナム人に日本では食べないようなもの(鳥の足先が生々しいものなど)を強要されたときは、少し厳しいと思いました!(笑)でもまあ、ベトナムは比較的住みやすいと思います。
Q. 最後に、これからベトナムへの駐在や滞在を考えている方にアドバイスをお願いします!
とりあえず一度は来てみることだと思います。日本でどんなにベトナムについて調べても、やはり実際に訪れてみないと分からないことってたくさんあると思うんです。確かにベトナムは日本と比べるとまだまだ発展途上です。しかし、ベトナムに来たこともない人が、ベトナムのことをあーだこーだと文句を言う資格はありません。ぜひ自分の目で見て、自分なりにベトナムについて考えてみてください。
また、長い人生の中、ずっと同じ場所にいるよりは、少しぐらい外に出て新しい環境に身を置いてみることも大切じゃないかと私は思います。そのチャンスがあるなら決して逃さず、大事にして欲しいですね。
インタビューを終えて
今までベトナムで事業を始められた方や何年も住まわれている方へのインタビューが多かったので、駐在として来られている方へのインタビューは意外にも初めてでした!これまでの方とはまた違った意見や考え方を聞くことができ、大変興味深かったです。
また、初めは銀行員と聞き、柴田さんのことを「少し厳格な方なのかな」と思っていたのですが、お会いすると大変話しやすくフレンドリーな方でした!
今回はご多忙の中、貴重なお時間とお話を頂き、誠にありがとうございました。
取材:山本三里香、杉本ひかり(JAC Recruitment Vietnamインターンシップ生)