ベトナム・ホーチミンで働く日本人インタビュー~ES NETWORKS VIETNAM 笠松薫里さん~
更新日:2017年3月16日 / ライター: JAC Recruitment Vietnam
日本での就業を経て、海外へ訪れた笠松さん。銀行職、リクルート、コンサルタント業と環境も職種も変わりながら、三人のお子さんを育てておられます。今回は、そんなバリバリと働く笠松さんにインタビューさせていただきました!
目次
- 1 日本でも退職・再就職を経験されたそうですが、その際に心境の変化はございましたか?
- 2 銀行員からリクルートへの転職は仕事内容などにも違いが多いと思うのですが、そういった違いをどういうところで感じましたか?
- 3 ベトナムに来る前と実際住んでみて、イメージの違いはありましたか?
- 4 でも仕事と子育ての両立から、自分の時間は限られてしまいますよね・・・
- 5 やはり日本には触れておきたいですよね。笠松さんは今後日本に戻ることを考えておられるのですか?
- 6 では、笠松さんにとって「日本にはなくてベトナムにあるもの」とは何ですか?
- 7 最後に、ベトナムで働きたいと思っている方にアドバイスをお願いします。
- 8 取材を終えて
日本でも退職・再就職を経験されたそうですが、その際に心境の変化はございましたか?
名古屋から東京に出てきて、知り合いもおらず主人も仕事が忙しいので、毎日何をして過ごそうか迷っていました。そういった日々で「何をやっているのか」という虚無感のようなものを感じていたのですが、私は家でボーっとしていたいわけでなければ、子ども達の事ばかり常に考えていたいわけでもなかったので、自分自身が歩んでいくという機会が与えられるとすれば、何かその中で「これは成し遂げた」というものを残して生きたいと思うようになりました。そういう思いから、派遣で少し働いてみようと思い、リクルートに入ったのが再就職のきっかけです。何かに躓いた時には、「私は仕事を辞めて家庭に入ったほうがいいのかな」と思わなくもないですが、そういった時に「ブレない」ことを心がけています。
銀行員からリクルートへの転職は仕事内容などにも違いが多いと思うのですが、そういった違いをどういうところで感じましたか?
銀行では当たり前ですが、「ルール」があります。でも、そのルールを考えることを求められるというよりは、言われたとおり淡々とミスなく仕事をこなせばいいというものでした。それに比べてリクルートは、まず入ってすぐに「あなたは何がしたいのですか」という問いかけから始まったので驚きました。何を聞いてもその返事が返ってくるので、これは自分の意見を持って、その意見に基づいて自分がどう動くべきかを判断しなければ、この会社では何も通用しないと思い、常に「自分は何がしたいのか」を考えて生活するようになりました。
ベトナムに来る前と実際住んでみて、イメージの違いはありましたか?
そうですね、2012年にベトナムに行くと決まったときに、周りにすごく反対されました。当時のベトナムは、空気とか治安とか危険が多いイメージがあって、小さい子どもを連れて移住するような場所じゃないと言われましたね。でも実際住んでみたら、日本人がイメージしているほど前人未開の地なわけでもなく、ある程度の整備もされていたし、家族連れで来ている日本人も多く手を差し伸べてくれたので子育てで困った点も特にないです。日本だと、子育ては母親がするべきという固定概念があったりもするけど、こっちだとメイドさんの存在もあるから安心して働けますね。あとは会社の理解と主人の協力が仕事と子育ての両立にも繋がっていると思います。
でも仕事と子育ての両立から、自分の時間は限られてしまいますよね・・・
何をもって自分の時間っていうのか定義はできてないんですけど、私の中では仕事も大切な自分の時間だと思っているので、その時間が8時間もあると考えたら十分なんじゃないかなと思います。あとは空いた時間に自分とは全く違う境遇の友人と会って話すことで情報交換したり、また、日本で話題になっているものに対するアンテナを常にはっていたいとは思っていますね。
やはり日本には触れておきたいですよね。笠松さんは今後日本に戻ることを考えておられるのですか?
戻りたいですね。今まで海外でやってきたことを何らかの形で、今度は日本に持ち帰って何か日本で新しくビジネスを立ち上げるだとかベトナムやASEAN各国と日本の橋渡しをしたりだとか、具体的には未定ですがやってみたいと思います。なので、自分が本当に行きたいと思うようになれば戻るつもりです。私の中では、今後キャリアをもっとつんでいくことと、子どもたちとの生活ももっと大事にしていくことをバランスよくできればと思っているので、そういう未来があればいいなと思います。
では、笠松さんにとって「日本にはなくてベトナムにあるもの」とは何ですか?
「大きな可能性」ですね。ベトナムはビジネスのスキームや進め方がまだまだで、日本でのキャリアはベトナム人にとってレベルが高く、先をいっているものなんです。それはいい意味で見本にもなりますし、自分たちの持っているノウハウを教えてあげることで、会社やベトナム経済に貢献できるのではないかと思います。また、ベトナムに存在する不便なことや不都合なことは、私たちはある程度改善法を知っているので、そういうものをベトナムで発信していけばスムーズにいくのではないかとも思っています。こういうように、ベトナムはまだまだ発展の余地があるので、これからもその成長をみていきたいですね。
最後に、ベトナムで働きたいと思っている方にアドバイスをお願いします。
そうですね、自分のやりたいことや目指したいものを持って整理し、それを実現するために気持ちを前に持っていくことが大切だと思います。
取材を終えて
笠松さんの仕事も子育ても手を抜かずに両立されている姿が印象的でした。全く海外で生活することは考えていなかったのにも関わらず、今の状況でできる限りのことをされていることが伺えて、純粋に尊敬できました。
お忙しい中、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
取材:藤尾郁花・小池麻里子(JAC Recruitment Vietnam インターンシップ生)