ベトナム・ホーチミンで働く日本人~Eleven-nines 藤井堅太さん~
更新日:2017年7月26日 (取材日:2017年6月29日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
IT業界から一転、美容業界で起業された藤井堅太さん。ベトナムを東南アジアで1番美しい人が多い国にしたい、という藤井さんの仕事への思いや、毎週日曜日に主催されているボランティア活動についてもお話をお伺いしました。
独立したのは自然な流れだった
若い時から独立したいと思っていたのですか?
私の両親や親戚の多くは美容関連の仕事に従事していて、みな独立して美容室などを運営していました。そのような環境の中で育ったからなのか、私にとって独立するという事は特別な事ではなく、いつかは自分もそうするんだろうな、という自然な感情でした。
ただ、父親と同じ仕事がしたいとは思わなかったので、全く別のIT業界に進みました。
IT業界では無く、美容業界で独立したのはなぜですか?
人とのご縁があったからです。私にきっかけを下さった方が、美容業界で成功されていて、興味をもったためです。もし、その人が農業関係の事をしていたら、農業で独立していたかもしれません。
ただ、今思うと両親や親戚が美容関係という中で育った私にとっては自然なことだったかもしれません。
今はどのようなお仕事をされているのですか?
今は化粧品、美容機器などを中心に取り扱っており、オンラインでの販売、店舗への卸売、販路とパートナーの開拓を主な業務にしています。それに伴って営業マンや、美容部員の育成など人材教育も行っています。また日本の美容文化や技術を伝承することが非常に重要だと考えているため、ワークショップやセミナーも不定期ですが開催しています。
ベトナムを東南アジアで1番美しい人が多い国にしたい
ベトナムで仕事をすることを決めた理由はなんですか?
今、日本の美容業界は2兆円規模で既に成熟状態です。そうした中で、ずいぶん以前から知人たちがアジアへ進出する話を聞いていて、自然と関心が高まり、進出する必要性も同時に感じていました。
2014年頃から本格的に計画を開始し最終的にベトナムを選んだ理由は、直感が占める割合が大きいです。フィリピンかベトナムで悩んでいたのですが、まず初めに視察でホーチミンに来た時に、ここだ!と思いました。主な業務以外に美容学校の設立や店舗開発など業務の幅がドンドンと広がりアジアの可能性と面白さを実感しているので、あの時の直感は正しかったかなと思っています。
ベトナム人にとって日本の化粧品はどのように思われているのですか?
他の日本製品同様、化粧品も日本製は高いけど良い物、というイメージを持たれています。一方でベトナムでよく見かける韓国化粧品などは低価格帯の物が多く、流通量も多いため人気だと思われがちです。ただ、裕福層や美容にこだわりを持っているベトナム人は、性能に優れていたり、オーガニックである日本化粧品を選んでいる方が多く、セグメント別に住み分けされてるような形です。
ベトナムでの美容業界は今後どうなっていくでしょうか?
間違いなく拡大していきます。所得の向上に比例して生活水準が上がっていくと、人々が自己投資にお金を使うようになるのが、世界的に見て一般的です。また人口の増加や、交通インフラなどの生活環境の変化も要因となり市場は拡大します。今のベトナムの化粧品市場規模は800億円程度で、日本の20分1程度しかありませんので、将来性は非常に大きいです。
私は、ベトナムは美しい人が多い国だと思います。ただ、所得や生活環境が原因となり洗顔の仕方すら知らない人が多いのが現状です。今の事業をもっと拡大して、市場開拓だけでなく文化形成まで貢献できるような仕事をしたいと思っています。そして、ベトナムを東南アジアで1番美しい人の多い国にしたいと思っています。
感謝の気持ちを忘れないためのボランティア活動
ベトナムでボランティア活動を始めたきっかけはなんですか?
実は始めた理由は、社会のためというより私自身のためでした。私は自分自身が成長したり、ビシネスを成功させていく上で「感謝」の気持ちが非常に大切だと思っています。でも、日々の生活の中で感謝の気持ちを意識するのは難しいですよね。なので、感謝を忘れない為の習慣を作ろうと思い、始めたのが慈善活動でした。
数あるボランティアの中でゴミ拾いを選んだ理由はありますか?
日本人に馴染みがあり、自分たちが行動するボランティアだからです。ベトナムではボランティア活動というと、金銭や物資の寄付が一般的です。もちろん寄付も素敵なのですが、それより行動することを基本に、始めやすく継続出来るボランティアが良いと思いゴミ拾いを始めました。
ボランティア活動を初めて変わったことはありますか?
この活動がきっかけで本当に多くの素晴らしい人とのご縁に恵まれることが出来ました。
おまけに心なしか運気も上がって仕事も上手く行っているような気もします。
今は毎週1箇所でしか行えていないので、今後は他の地域や場所でも同時に活動できるような形にしていきたいですね。
今後、日本から一歩飛び出したいと思っている人にアドバイスをお願いします。
多様性がこれからの時代でとても重要なキーワードだと思っています。これから先、海外や外国人を避けて日本人と日本語だけで仕事をするのは困難になっていくと感じています。多様性を養うことで視野が広がり、可能性も広がると思っています。なので、それを養ううえで海外に行く、生活するというのは最も効率の良い方法だと思います。特に若い人たちには、自分の可能性を探したり、自己成長させるために海外を活用するという風に海外を捉えてみては如何でしょうか?
インタビューの感想
藤井さんとのお話の中で、仕事をする上で常に人の期待を少しでいいから上回るよう努力する。という言葉が、深く心に残っています。その結果が評価へと変わり、評価が次の機会を生み、責任が生まれる。責任は自己成長の促進剤である。熱いお話を聞けて本当に幸せでした。
お忙しい中、お時間を割いて頂いた藤井さんに感謝申し上げます。
取材日:6月29日加藤真友(JAC Recruitment Vietnamインターンシップ生)