ベトナム・ホーチミンで働く日本人~Barbecue Garden Restaurant 斎藤博幸さん~
更新日:2016年11月15日 (取材日:2016年9月14日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
1区のレタントン通りとナムキコイギア通りの交差点にある、緑が多く開放的なお店「Barbecue Garden Restaurant」。10年経つこのお店のマネージャーを今年(2016年)からされている斎藤さん。今回はそんな斎藤さんにベトナムにいらっしゃるまでの経緯から、今後の展望まで幅広くお聞きしました。
日本でのお仕事
Q.日本のおられる間はどのようなお仕事をされていたのですか?
両親が経営している中華料理屋の手伝いを行っていた経験もあり、オフィスワークよりはどちらかというと現場での仕事の方が向いていると思い、サービス業や営業などを中心に仕事をしていました。
Q.様々な職業をされる中で身につけたスキルはありましたか?
コミュニケーション能力ですかね。何を売るにしても、結局はヒトと接しなければならないのが商売というものなので、人間力を磨くように意識していました。飲食の場合ほとんどのお客様とは初めて接するということが多いので、会ったときの印象を良くするために言葉遣いや接客には気をつけています。こちらの気分が優れないときでも、お客様には関係がないので、接客には特に気を使っています。
Q.日本で働いている中で苦労したことは何ですか?
ある飲食店で店長を任されていたときが一番の苦労でした。今のベトナムでの仕事でもシンクロするのは、どちらのときも突然抜擢された責任者という立場だったので、やはり、違う部門からいきなり来た私を受け入れてくれるのには時間がかかりました。その時に人と面と向かって話すということの大切さを学びました。その人と実際に話すことで分かることはたくさんあるので、固定概念だけで人を判断しないことが大切だと思います。
ベトナムへ
Q.ベトナムに来るきっかけについて教えてください。
弊社の社長と出会ったことですね。社長とは、恩師の方の紹介で出会ったのですが、前職を退職しようと考えていたときに、ちょうど社長の話の中でベトナムに日本人を一人送りたいという話があったので、ぜひ行ってみたいと思ったのです。現在の社長とはそのとき一緒に働いたことすらなかったのに、そのようなお話をいただけたときは本当にびっくりしましたし、見ず知らずの私にチャンスを与えてくれたことがとても嬉しくお話しいただいてからすぐにベトナムに渡航しました。
Q.海外で働きたいと思われていたのでしょうか?
元々海外に対してはとても憧れがありました。でも、それは漠然としたものだったので、きっかけになったというわけではありません。
Q.ベトナムにいらっしゃってみてどのような印象を受けましたか?
私は事前に調べてきたというわけでもなく、何も知らない状態でベトナムに渡航したので、本当に無謀でした。しかし実際に来てみて、意外と何でもあるなという印象を受けましたし、生活しやすいです。
Q.言語に対する不安はありましたか?
私は英語もベトナム語もできない状態で、このベトナムの地にやってきましたが、「来たからには、やるしかない!」という気持ちで何とかやっています。言葉の壁は大きく、とても苦労していますが、身振り手振りでいつもコミュニケーションを図っています。現在は現地コンサルティング会社のスタッフに通訳に入って頂き、週一回のミーティング等も開催しています。
Q.斎藤さんは従業員の教育をする中で心がけていることはありますか?
スタッフの教育では、サービスの質の向上を徹底しています。かつてはフランス人の方が経営されていたこともあり、現在と異なるサービス提供をしていたので、以前から勤めていたスタッフから、「昔はこのように業務を行っていた」と言われることがあります。そのため指摘したことがいつの間にか、簡単という理由で前のやり方に戻っていたりしています。ベトナム人の方は細々と怒りながら説明されるのが好きじゃないみたいなので自分ができなかったときを思い出しながら、教えるようにしています。常識的なことから順に教育し、またその過程で、「楽しく」ということも意識しながら教育しています。9年間続いていたお店を今は新しくしている最中なので、より良いサービスを提供できるように心がけています。
Q.言語が通じない中での苦労はありますか?
苦労はあります。しかし、私が英語もベトナム語もペラペラであっても、伝えるという事には変わりません。それば「人」だからです。バーベキューガーデンに来てもらったお客様に満足して帰ってもらうのが、私たちの喜びなので、そのためにはスタッフに徹底して接客術を教え、何が必要かを先読みできるスタッフの育成を目標にしています。
Q.働く上で心がけていることは何ですか?
「楽しむ」ということですね。自分自身が楽しいと思いながら仕事をすることが一番大切だと思います。ベトナムに来てから、一時期心身共に疲れていたときがあったのですが、そのときに社長に「顔が死んでいるよ」と言われ、自分の無意識のうちに表情が顔に出ているのだということに気づかされました。逆に楽しいときは自然に楽しさが顔に出ると言うことも知り、楽しむということを忘れてはならないと思っています。
Q.仕事のやりがいはなんですか?
お客様に感謝の言葉を言ってもらえることですね。この店や自分が育てたスタッフたちを褒めていただけたら、それ以上に幸せなことはないです。
Q.働くうえで心がけていることはありますか?
お客様の顔を覚えることが大切であると思っています。また飲食店なので、来るお客様の顔を覚えることは集客に繋がると思います。そのほかには、挨拶とか日本の当たり前をここでも当たり前にしたいですね。仲間同士で挨拶できないのにお客様に良い挨拶なんてできないと思うので、挨拶や声掛けは自分からするようにしています。
Q.ベトナムの魅力について教えてください
日々の成長が目に見えるということですかね。前はなかった建物が今はできているという発見はほぼ毎日できます。私はバブルを経験していないのですが、ベトナムの現状がまさしくそれなのかなとは思います。また、家族を大切にする精神は凄く魅力的ですね。
今後について
Q.今後の目標はありますか?
バーベキューガーデンは今後ASEANの国々に進出していくという目標があるので、私も関われたらいいなと思いますね。
Q.ベトナムに向いている人はどのような人だと思いますか?
タイミングも必要だと思いますが、体が動いて実際にベトナムに渡航する人や何か違う場所へ転勤の話があったときに、場所・環境を問わず行ける人は向いていると思います。
Q.ベトナムで働きたいと思っている方にアドバイスをお願いします
まずは一度来てみることだと思います。来ないと何もわからないですよね。「行ってみたい」と思うだけでなく、実際に来てみて自分自身の身で感じることが大切だと思います。
取材を終えて
従業員教育をすることのあたり、アドバイスを受け入れやすいように短く簡潔に分かりやすく伝えることや、一人一人の思考に合わせ、同じ立場に立って指導されている所が印象的でした。斎藤さんは朗らかな笑顔がとても素敵で、人の顔や特徴をすぐに覚えることのできる魅力が人脈の広さを現しているのかと感じました。
お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。
取材:9月14日高山木実(JAC Recruitment Vietnamインターンシップ生)