ベトナム・ホーチミンの日本人~アオザイ会会長森沢雅子様~
更新日:2017年5月31日 (取材日:2017年5月12日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
今回は17年度アオザイ会会長、森沢雅子さんにインタビューをして参りました。ホーチミン在住の方なら名前は聞いた事があるけれども、謎に包まれているという声も多い日本人婦人会アオザイ会を解明していこうと思います。
目次
アオザイ会とはどのような会ですか?
ホーチミン日本婦人アオザイ会(以後アオザイ会)は、ホーチミン市在住の日本人女性を中心とした会員交流の場として1995年に発足しました。2017年4月現在約150名の会員が在籍しており、会員の中から選ばれた8人の役員がボランティアとして会の運営に当たっております。(引用:アオザイだより)
奥様で無くても参加することが可能ですか?
はい!可能です。会員資格は3つのパターンがあります。
① ホーチミンまたはその近郊に住む日本人女性
奥さんだけでなく、独身の方、働いている女性の方も参加しています。ただ、活動範囲はホーチミンになるので、ホーチミンまたはその近郊に住む人でないと活動に参加するのが厳しいかと思います。
② 配偶者が日本人の日本国籍以外の女性
実際これまでに日本国籍以外の方も参加しています。ただ、活動は全部日本語ですので、日本語が理解できることを推奨します。
③ ①②以外でアオザイ会の承認を得られた方
以上、幅広い女性が参加していただくことが出来ます。
ただ、実態としては婦人会という事もあり日本人の奥さんが一番多くの割合を占めています。
どのような年代の女性が多いのですか?
会員の年代としては20代から60代まで幅広い年代の方々に参加していただいております。
一番多い年代は30代と40代ですね。ホーチミンの生活環境が以前より改善され、さまざまな面で利便性がよくなったことから、在住者の中にも小さいお子さんを連れた子育て世代の奥さんが増えてきており、若い会員の方も増えています。
アオザイ会の活動目的はなんですか?
1つ目の活動目的は、会員の互助の推進と親睦を深める場を提供することです。ホーチミンにいらしたばかりでお友達を作る糸口が見つからないという方などは、年間を通じて開催される様々なイベントを通じて、コミュニティーを広げるきっかけにしていただければと思っています。
2つ目は日本とベトナムの親善に役立つことです。これまで行っている具体的な活動としては、新年会時に寄付金を募って、NGOアジア失明予防の会に寄付をさせて頂いています。ほかにも今年の新年会では、家庭でいらなくなった日本語の本を寄付いただいて、ホーチミン市内で日本語クラスのある学校に寄贈いたしました。
また、これはベトナムとの親善ということではないのですが、毎年9月にアオザイ会主催で復興支援チャリティーバザーを行っており、その収益金を日本の震災復興に寄付させて頂いています。
バザーでは提携店の方にブースを出店していただいたり、多くの方から手作りの小物やアクセサリー、お菓子などを出品して頂いています。
どのような目的で会員になる人が多いですか?
交流の場を通じてコミュニティーを広げる目的で会員になる方が多いですが、もう一つアオザイ会の特徴であるアオザイカードに期待を寄せて会員になる方も多いです。アオザイカードとはアオザイ会のメンバーカードです。アオザイ会が提携関係を結ぶ店舗を利用する際、このカードを提示すると割引きや、様々な特典を受けることができます。
レストラン、カフェ、エステ、スパ、ネイル、美容室、食材屋さんなど日本人の女性が行きたい利用したいと思うお店と提携関係を結んでいます。
最近では、これまでの役員さんの努力によりアオザイ会の認知度が高くなったお陰で、ありがたいことにお店側から提携の依頼を頂くことが多いです。
どのような活動を行っているのですか?
年に6回ほど、2ヶ月に1回程度の頻度でイベントを行っています。
4月 総会:前年度会計報告や新役員の紹介などをホテルのバンケットルームを会場に行います。
6月 茶話会:軽食をいただきながらお招きした講師のお話を聞いて交流する場です。
9月 復興支援チャリティーバザー
10月 バスツアー:工場見学など郊外への半日ツアーです。お子さんがいらっしゃる方も多いので14時頃には市内へ戻ることが出来るスケジュールになっています。
1月 新年会:アオザイ会のイベントの中で一番大きなイベントです。
3月 茶話会:6月と同様の内容です、
その他にも年によって、クリスマス会など小さなイベントを行うこともあります。
これらのイベントはメーリングリストを利用して会員のみなさんに告知と申込みをして頂いています。また、フェイスブックでも告知を行っていて、新年会以外は会員以外の方も参加して頂くことが出来ます。
イベントの企画運営はどのようにして行っているのですか?
運営は会員の中から選ばれた8人の役員がボランティアで一年の任期を務めます。イベント企画にかかわる諸々のこと、例えば会場決めや予算決め、内容決めなどを月に2回ほど集まってミーティングをしたり、LINEを使って連絡を取り合い運営しています。
会員のみなさんが参加したいと思うイベントに出来るように、役員全員でアイディアを出し合いながら決めています。
運営役員はどのようにして選出されるのですか?
アオザイ会の役員は、会長、副会長、事務局長、会計、事務局員4人の計8人によって構成されています。役員の選出は立候補を原則としていますが、実際は名簿で会員番号が古い順を目安に、前年度の役員から次年度の候補に打診するという形で行われている場合が多いです。その際に会員の状況、特に小さなお子さんや受験生がいらっしゃるような方や、お仕事を持っている方は除かれます。その後集まった8人の候補の中で得意分野や各自の状況などをふまえ役割を決めていきます。最終的には会員の承認を受け決定されます。
森沢さん自身がアオザイ会会員になってよかったと思うことはなんですか?
様々なイベントへの参加を通して知り合いが増えたことがひとつですね。また以前、お手伝いをしたジャパンフェスティバルでのバザーでは、大変な中にもやりがいを感じることができ、楽しかったです。今の役員活動もですが、アオザイ会に参加することで普段できない経験が出来るというのも参加してよかったと思えるポイントですね。
アオザイ会をどのような存在にしたいと考えていますか?
ホーチミンでは1つの大きな婦人会ですので、新しくいらした方が気軽に参加でき、お知り合いを増やしていただいたり、ホーチミンでの生活を彩り豊かな充実したものにしていただくお手伝いができる会でありたいと思っています。女性だけでなく男性も含め多くの方にそのような認識を持って頂ける存在でありたいですね。
また、幅広い年代の方に参加していただいているので、世代を超えてみなさんが楽しめる、参加したい、居心地がいいと思ってもらえる存在でありたいですね。
アオザイ会を今後どのような会にしていきたいと思っていますか。
私が入会して感じているように、アオザイ会は気軽で楽しい会です。アオザイ会を詳しく知らない人の中には、謎めいたイメージを持っていたり、女性の縦社会であると思っている人もいるかもしれませんので、実際のアオザイ会の姿を知ってもらって、気軽に参加してもらいたいと思っています。
設立22周年目を迎えるアオザイ会の伝統を守りつつも、今年度、役員を務めさせていただくことになった私達8人のカラーを出して、運営に当たっていきたいと思っています。そして私達役員自身も運営を楽しんでいきたいですし、その姿を見て来年度役員になりたいと思ってくださる方が多くでたら嬉しいなと思っています。
アオザイだよりhttp://poste-vn.com/aodai.html
フェイスブックhttp://ur0.link/DylE
インタビューの感想
駐在員奥様の集まりと聞くと、ネットなどでは人間関係が不安、などのイメージがあるのですが、ベトナムに来て知り合った奥様からアオザイ会というオープンでフラットな婦人会があるというお話を聞き、これはインタビューしたい!と思いご連絡させて頂きました。
会長の森沢さんはとても品があり知的な方で、私の突然のご連絡にも笑顔で対応してくださいました。
お話の中で、旦那さんの仕事の都合で海外を点在することになったが、それをプラスにとらえて異国の地で新しい自分の経験を積み重ねていきたいとお話してくださり、現状を憂いるのではなく自分で絶好の機会に変えることが大切だと学びました。
アオザイ会は、ホーチミンに来た女性にとって心強い存在であり、私も多くの人に魅力を伝えたいと思いました。
お忙しい中、お時間を割いて頂いた森沢さんに感謝申し上げます。
取材日:5月12日加藤真友(JAC Recruitment Vietnamインターンシップ生)