ベトナム・ハノイで働く日本人~ 安南パーラー 永沼さん~
更新日:2016年7月19日 (取材日:2016年6月30日) / ライター: JAC Recruitment Vietnam
永沼さんは、日本で環境関連のお仕事をされた後、青年海外協力隊としてベトナム・ハノイで環境教育に取り組まれました。そして現在は、同じくハノイにて「an nam parlour(安南パーラー)」というベトナムの魅力を発信するカフェ&ショップのプロジェクトマネージャーをされています。
初めての来越が決まった際に「ハノイ?首都だし、都会過ぎて大丈夫かな?」と感じたと言う永沼さん。そんな永沼さんのハノイでのお仕事の様子をご覧ください。
目次
Q 日本ではどの様なお仕事をされていたのですか?
大学を卒業した後、環境関連の仕事に興味があったので、産業廃棄物やごみの処理を行っている会社に入社しました。そこでは環境管理の部門にいて、各処理施設が環境基準を満たしているかを見る監査室のマネジメントを2年半ほど行っていました。
実は私は、学生のときから、「海外のフェアトレード関連のNGOで働きたい」と思っていました。まずは社会経験も必要と考えて、日本で就職をすることにしました。
Q そもそも海外への興味を持ったきっかけは何だったのですか?
きっかけは、「世界が100人の村だったら」と言うテレビを見たことです。フィリピンのごみ山で暮らす子どもの様子などを見る中で、かなりの衝撃を受けました。自分は当たり前のように大学に行くことができて、明日食べる物に困ることなく生活できている。でもこれは本当に恵まれてることなんだと思い知らされました。そこでただ知識を入れるだけでなく実際に自分の目で世界の現状を見たくなり、大学生のときにバックパッカーとして各地を回っていました。当時はインドから初めて、タイ、カンボジア、アフリカ、南米などあらゆるところを見て回りました。
実際に自分の目で貧困の現状を見たことで、何か力になりたいと感じました。そこで大学の授業で学んでいたこともあり、友人とともにフェアトレードに関する学生団体を立ち上げました。主な活動としては、フィリピンのドライマンゴーを学内の売店で販売したり、勉強会を実施してフェアトレードに関する広報活動をしていました。
*フェアトレード(発展途上国の人が作った商品を適正な価格で買い取り、日本で販売することで途上国の支援に繋げる活動)
Q 日本でのお仕事の後はどうされたんですか?
2010年にJICAの青年海外協力隊でベトナム・ハノイに来ました。もともとNGOなどの国際協力分野で働きたいと考えていたのと、学生の頃からこの制度があるのを知っていたので、いつかチャレンジしたいと思っていました。国にこだわりがあったわけではなく、もともとアフリカとか、どこかの山奥に行くイメージだったので、ハノイに行くことが決定したときは、「首都だし、都会過ぎて大丈夫かな?」と思っていました。日本からも近いし、首都だし、ご飯も美味しいし、いいイメージばかりでした。(笑)
ハノイに渡ったあとは、環境教育の活動をしていました。例えば、ハノイ市が試験的に行っていたごみ分別への取り組みを現地のスタッフとともにフォローしたり、「3R(Reduce, Reuse, Recycle)」という環境配慮の考えを知ってもらうために広報活動をしていました。
ハノイでは、18:30~20:30の間がごみ捨ての時間なのですが(地区による)、その時間に町のゴミ回収所に行って、指導員の方と協力して分別を促したり、現場からどこに課題があるのか吸い上げて、ハノイの都市ごみを管理している都市環境公社(URENCO)にレポートを書いて報告したりしていました。
また広報活動では、分別の仕組みをどうすればハノイ市民の方に知ってもらえるかを企画していました。カレンダーなど日常で使う製品を作ったり、小中学校でゲームをとり入れたセミナーをしたり、様々な取り組みを行いました。
ベトナムの方に伝えるときは、「なぜその行動がだめなのか?」「そうすることによって自分たちにどのようなデメリットがあるのか」まで丁寧に伝えることを意識していました。例えば、ごみの捨て方1つでも、単純に「ポイ捨てしちゃだめ」と言うのではなくて、ポイ捨てすることによって、町が汚れてねずみや害虫などが多くなって、気持ちが良くないだけでなく、結果的に自分たちが感染症にかかるリスクが多くなる。と言うところまで説明する様にしていました。
こういった活動は、興味のある分野な上に、自分の行動に対して喜んでくれる様子がダイレクトに伝わってくる状況だったので非常にやりがいを感じることができました。
Q 現在はどの様なお仕事をされていますか?
青年海外協力隊が終わり1度日本に戻りました。ただハノイの食文化や工芸品、人の温かさなど、素晴らしいものを体験したことで、今後もベトナムと関わっていたいという気持ちがありました。さらに大学のときに行っていたフェアトレードととも繋げて、面白いことができたらと考えてベトナムの工芸品をECサイトで販売したりしていました。そんな中、ご縁があって現在、ハノイ旧市街のHang Vai通りで営業している「an nam parlour(安南パーラー)」というベトナムの魅力を発信するカフェ&ショップの立ち上げのお話を頂きプロジェクトマネージャーとして、2014年にハノイに戻ってきました。
「an nam parlour(安南パーラー)」では、店舗の運営、商品やメニューの企画開発、店舗のマネジメントまで多岐にわたることを行っています。ベトナムの良さを生かした「安南ラスク」というマンゴー、蓮の実、パクチーなど現地ならではの食材を使い、ベトナムのフランスパンで焼き上げたラスクを主に販売しています。
ベトナムはもともとフランス領だったのでフランスパンを食べる文化があり、ベトナムならではの食材でお持ち帰りできるお土産を作ろうということで開発されたお菓子です。また、ベトナム伝統工芸の銀線細工を使った手作りアクセサリーやオリジナルのバッチャン焼なども販売しています。
Q 先ほどおっしゃていたベトナムの魅力とはどの様なところですか?
文化や工芸品もそうですが、1番の魅力はやっぱり人だと思います。人情味があり、楽天的な性格の人が多いですね。バスに乗っているときに、隣のおばちゃんがどっから来たんだ?何歳だ?結婚してるのか?彼氏はいるのか?と質問攻めで、「そんなとこまで聞く?」って話まで突っ込んでくるんですよね(笑)
また、風邪を引いてしまって寝込んでしまっていたときがあったんですけど、大家さんが家から出てないことに気付いてくれて「病気か?」と気にしてくれ、おかゆを作って持ってきてくれたり、人情溢れる人が多いです。
これから先、こういったベトナムの良さを伝えられるようなお店を、今度は日本でオープンしてみたいと考えています。7月27日~8月2日まで、大阪にある百貨店の阪急さんの催事で、刺繍系の小物や銀線細工を販売するので、日本在住の皆様にもベトナムの魅力を伝えられるいい機会になればと思っています。
インタビューを終えて
今回インタビューさせて頂き、興味のあることに対してとことん行動に移していく活力や、好奇心の強さに驚かされました。
おしゃれな店内で、様々なお話を聞かせていただき貴重な経験になりました。
永沼さん、ありがとうございました。
取材2016年6月30 日 齊藤陸(JAC Recruitment Vietnam インターンシップ生)
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安南パーラー(An nam parlour)住所:24 Hàng Vải, Quận Hoàn Kiếm, Hà Nội
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