ベトナム中部にある交通の難所であり絶景スポットでもあるハイヴァン峠
ベトナム中部のダナン市のすぐ北にあるハイヴァン峠。ベトナムを南北に貫く国道1号線も南北統一鉄道も走っているベトナムの交通の要所であり、古くからの難所でもあります。海のすぐ近くにあるこの標高約480メートルの峠には美しい海岸線も山も線路も道路も全てが揃っています。
ハイヴァン峠の様子
昔から国防の要として要塞が築かれていたこのハイヴァン峠。今も数多くの銃弾が残る要塞跡は自由に見学可能。
銘板には海雲關と欠かれています。元号が明命なので、グエン(院)朝の明命帝在位中(西暦1820年~1840年)に作られたものでしょうか。
地図もかなり古そうです。国道1A号線の904km800m地点を表すキロポストと、省境なのでトゥアティエン=フエ省という看板もありました。
峠の茶屋やおみやげ店も多数並んでいます。お手洗いは有料なので要注意。車やバイクを停めると、目の前のお店から駐車代の代わりになにか買うようにセールスされます。
峠から北方のランコー村方面を見ると、村まで道が続いているのがわかります。
峠を走っている途中、ダナン市を一望することができます。左奥の島のように見えるのはソンチャ半島。
峠の北側には踏切があり、南北統一鉄道と交差します。鉄道は道路よりもさらに海側を走っており、こちらも絶景が楽しめるので是非のってみてください。ダナン-ランコー駅間で、ダナンからフエに向かう際に鉄道を利用するのも良さそう。(ベトナムの鉄道の乗り方についてはこちら)
ちなみに、峠の北のランコー村はビーチが綺麗でリゾート開発が進んでいます。落ち着いたリゾートを過ごす方におすすめ。
ハイヴァン峠を貫く道路トンネル
実はこの峠、2005年に日本にODAにより全長6.28kmのハイヴァントンネルが開通しており、峠を通らずに行き来することが可能です。現在多くの長距離バスやツアーはトンネルを使うようになっています。
峠の北にある道路看板。直進はハイヴァン峠、左折がトンネルと書かれています。
霧の立ち込めるハイヴァン峠のトンネル、トンネルの換気システムには日本の技術が使われており視界は良好です。しかし、このトンネル、バイクは通行不可。
トンネルの両端にはバスのりばがあり、歩行者・自転車・バイクの方はバスを利用することになっています。バイクや自転車もトラックに積んで一緒に運んでくれます。
料金は2013年時点で人8000ドン、バイク(カブタイプ)25000ドン、スクーター30000ドン、自転車5000ドンです。バスの運行は朝5時から夜10時まで。
人はバスで、バイクはトラックではこばれます。せっかくなので峠を登って景色を楽しんで欲しいところですが、天候不良、夜間、疲れている時の運転は危険を伴うもの、この輸送サービスを使うのも良いでしょう。
ダナンからすぐ近くにあるのでダナンから観光に訪れることもできるハイヴァン峠。海と山のコラボレーションのこの絶景、できれば道路と鉄道両方から味わいつくしたいところです。
ライター情報
aki
旅をするように生きていたい、そう思っていたら気づくとホーチミンにいました。本業の傍ら、ベトナム観光・生活情報ナビ、Samurai Cafe Saigonをやったりしています。ベトナム・ホーチミンから、日本とは一味違うベトナムの日常をお届けします。