世界遺産フォンニャケバンにあるダークケイブ(Dark Cave)訪問記

世界遺産フォンニャケバンにあるダークケイブ(Dark Cave)訪問記

更新日:2015年12月9日 (取材日:2015年11月8日) / ライター: 内藤 健朗 - Naito Takeaki -: N.N.T Co.,LTD.

クアンビン省(Quảng Bình)フォンニャケバン(Phong Nha Kẻ Bàng)にあるダークケイブを訪問してきました。

ダークケイブへ向かう道のり

前日7日にパラダイスケイブ(Paradise Cave)を訪問した際には、降雨のためダークケイブは閉まっていました。特にこの時期(日本の秋頃)は台風がよく来て降雨も多いので、閉まっている事が多いそうです。雨は7日から止んでいたので、8日は訪問できる事を天に祈り就寝。

当日の朝、ダークケイブの受付へ電話して確認。正午から訪問可能との返事。ドンホイ(Dong Hoi)のホテルでバイクを借り、11時ごろ出発。日ごろの行いが良いせいか、本日は快晴。雨は降りそうにもない。ホーチミンルートの東ルートを通り、約1時間半でフォンニャーケバン国立公園の看板のある位置を通過。ダークケイブはパラダイスケイブへ行く途中にあり、そのままホーチミンルートの東ルートを走り、続いて西ルートに入る。この辺りは昔のベトナムに似て、牧歌的風景が続く。観光客にボッテくるのも昔のベトナムに似ている。ローカルの店は価格表やメニューはないので、入ったらまず最初に値段を聞く事。でないと、ベンタイン市場並みの高値で支払う羽目になる。

ホーチミン・ルート

ホーチミン・ルート

ジップラインに乗ってダークケイブへ

12時半ごろ、ダークケイブへ到着。入場料は35万ドン。料金にはヘルメット、ヘッドランプ、救命胴衣、ハーネスなどのレンタル費用とガイド料が含まれている。洞窟へは、ジップライン(Zip Line)で対岸まで行き、そこから泳いで入る。すでに20人ほどの欧米人が来ており、彼らとひとつのグループを構成する。この際、メガネ、水着以外の物は持ち込み禁止。サンダルやTシャツの着用も禁止。カメラは防水仕様のものであれば持ち込み可能。洞窟内は暗くて泥で足を取られるので、観光客が紛失してゴミになるのを防ぐためと想像する。代金支払い時に、免責事項の書かれた紙にサインする。もし事故が起きても、運営会社には責任を問いませんよという内容。

ダークケイブのレセプション

ダークケイブのレセプション

水着は持参しなかったので短パンに着替え、スタッフにジップライン用のハーネスを付けてもらう。

10メートルくらいの塔に登り、ハーネスに付いたワイヤーをジップラインのワイヤーに取り付ける。ジップラインのワイヤーは2本あり、角度も緩やかで下が川のため、あまり恐怖感はない。

ジップラインで対岸へ

ジップラインで対岸へ

ハーネスに腰掛けるように腰を落とし、ハーネスのワイヤーをピンと張ってから軽く塔を蹴って滑走。スピードが遅いので、何枚か写真を撮ることが出来た。

救命胴衣をつけて川の中を歩いてダークケイブへ

着地地点でスタッフにハーネスを外してもらい、指示に沿って階段を降り川に入る。水温は思いのほか低いが、耐えられない程度ではない。前日までの雨のせいか、水が茶色く濁っており水位も通常より高いようだ。ダークケイブの広告写真を見ると水の色は青色のため、綺麗な水に入りたい場合は日本の春頃に来るのが良いと思う。春頃は雨も少なく、観光に適したシーズンだそうです。

洞窟へ

洞窟へ

川底は粘土質。足を滑らせ、沈んでいたコンクリの構造物(階段?)に当たり左足のふくらはぎに擦り傷が出来てしまった。出血したがこのまま50mほど泳いで洞窟の入り口へ向かう。入り口には洞窟へ上がる階段と木で出来た通路があり、すでに渡っていた20人ほどの欧米人が待っていた。ヘッドランプを点灯してガイドを先頭に中へ進む。途中で通路は無くなり所々、身長よりも水深が深いところを泳いで進む。救命胴衣を付けているので、泳ぎが苦手な人でも安心して進める。この洞窟には、フォニャーやパラダイスほどの壮大で美しい鍾乳石や空間はない。しかし地味ではあるが、ライトアップされてなく人工物があまり入っていないという点、および自分の手足を使い進んで行く探検的な要素が、欧米人に受けている理由だと思う。

水に浸かりながら洞窟内を進む

水に浸かりながら洞窟内を進む

川底は長年の侵食で削られ、尖った石灰石のある箇所がたくさんある。水が濁っているので、川底の石は見ることが出来ない。今度は、右足の裏を切ってしまった。ダークケイブへ来られる方は、擦り傷が出来ることを覚悟で訪問して下さい。

洞窟の奥で水泳は終わり。この辺りで水はより茶色くなり、何となく体が浮きやすくなった気がする。救命胴衣を脱いで粘土質の陸に上がり、人一人が通れる程度の狭い洞窟の中を進む。床を見ると炭化した木の葉や枝が泥に半ば埋もれ、天井近くには緑の葉っぱが付いているではないか。これは水が増えたときは洞窟一杯に水が満ちること、洞窟外部から川のように水が入り込んでいる事を意味する。雨が多い日には入れない訳だ。洞窟の地面は粘土質の泥、壁は黒っぽい石灰岩で、何百メートルか歩く。泥で滑り何度か石灰岩に頭を打ち付けるが、ヘルメットがあるので大丈夫。最後に到着したのが泥の池。ここへ入る直前、太ももに達するほど深さのある粘りの強い泥がある道を通る。ここを通るのが難儀。泥が足に引っ付き、なかなか足が抜けない。皆笑い声混じりに叫びながら進んで行く。この泥の池の水深はあまり深くないが、泥の比重が絶妙なためか死海のように体がプッカリと浮く。横になると体の半分くらいは浮く感じだ。泥の粒子は、かなり細かい。泥の池には10分くらい滞在し、来た道を戻る。

さながら泥風呂

さながら泥風呂

洞窟の出口ではカヤックが準備されており、1艘に2人乗って漕いで帰る。ツアースタートからカヤックで戻ってくるまでの時間は、約1時間15分。ジップライン、洞窟探検、水泳、カヤックと、短時間に多くの体験が出来ます。体力に自信がある人はぜひ、ダークケイブを訪ねてみて下さい。

洞窟探検の後はカヤック

洞窟探検の後はカヤック

着替え中に見た光景ですが、別のグループにいた東洋人観光客が洞窟の泥をビニル袋に入れて持ち帰っており、スタッフに叱られていました。帰りはバスや飛行機を使うでしょうが、泥をこれら交通機関で持って帰ろうとする発想も凄いです。ひょっとして、ホテルで泥風呂を楽しむ積りだった?

帰りにモック渓流(Mooc Spring)に立ち寄る

続いて、モック渓流(Mooc Spring)を訪問。ここもパラダイスケイブへ行く途中にあります。18万ドンでカヤックやアドベンチャーゲームやらを楽しめるそうですが、渓流の水量が多くこの日は閉まっていました。

モック渓流(Mooc Spring)

モック渓流(Mooc Spring)

帰りは元来た道ではなく、ホーチミンルートの西ルートを通り、途中の十字路でフォンニャーへ行く省道20号線(Tỉnh Lộ 20 )へ左折。このルートは定番のツーリングコースになっているのか、バイクで走る欧米人が多かったです。

ダークケイブへのアクセス

ダークケイブへは、ドンホイやフォンニャーから行く方法のほか、フエからの日帰りツアーを利用して行けます。パラダイスケイブへ行くツアーに便乗し、途中で降ろしてもらい、帰りにピックアップしてもらう方法もあります。ツアー会社に尋ねてみて下さい。ドンホイ、またはフォンニャー滞在の場合、(観光シーズンや祝祭日を除けば)ダークケイブとパラダイスケイブ両方を1日で訪問することは出来ます。しかしフエからの日帰りの場合、両方行くのは時間的に難しいです。

ライター情報

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内藤 健朗 - Naito Takeaki -: N.N.T Co.,LTD.

大学卒業後、ベトナム語の語学留学でベトナム語を勉強。1993年から在越。約8年会社勤めをした後、2004年11月に独立、貿易会社経営。品質管理、生産管理に強い。機械、樹脂製造業のほか食品、美容、農業関係の商品も取り扱う。あまり日本人が行かない地域への出張も多い。近年は輸出入業だけでなく、ベトナム国内マーケット開拓に注力。 プライベートでは、僻地、秘境の旅行地開拓を得意とし、今の趣味は登山、キャンプと筋トレ。

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