「ベトナムで仕事を探す方法とポイント」人材コンサルタントが教える海外就職事情 第3回
更新日:2014年6月23日 / ライター: 泊 和哉 - Tomari Kazuya - : JAC Recruitment Vietnam Co., Ltd.
こんにちは。JAC Recruitment Vietnamの泊(トマリ)です。
ベトナムで就職したい、ベトナムで仕事を見つけたいという日本人の就職サポートをしている人材コンサルタントです。ベトナムでは現在、若手から経営管理層まで担当しています。
前回のコラムでは3月に改定されたばかりの労働許可証取得に関する規定について取り上げましたが、あれから少し時間が経ち、少しずつ事例も集まってきており実際の影響が見え始めています。またこれらについては別の機会に、一度まとめたいと思います。
さて今回からはいよいよ「ベトナムで具体的に仕事を探す」方法についてお伝えします。
ベトナムで仕事を探す
想像はつくかと思いますが、今やインターネット全盛の時代に、実際はそんなに難しいことではありません。すでにこのページをご覧の方は、何かしらの情報を得ようと思い、インターネットで検索した結果こちらに辿り着いていると思います。基本的にはその能力があれば、求人を見つけることはできます。その能力を駆使し、「現地の人材エージェントを探し登録する」か、「インターネット上の求人掲示板から探し、応募する」のが一般的な方法です。
しかし、「インターネット上の求人掲示板から探す」場合も、結局はその求人は人材エージェントによって掲載されていることも多く、最終的には人材会社に登録をするケースが多いでしょう。
以前、特に何の準備も無く渡航してこられ、飛び込みで企業を回って自分を売り込んでいたツワモノもいましたが、(個人的にはそのような人材はとても好きですが)あまりマネをできることではないと思いますし、やはり情報不足なため、最終的には弊社に登録に来られサポートいたしました。
その昔、インターネットなど無い時代、弊社グループの役員が現役だった頃は、ロンドンの地下鉄の出入り口に立ち、日本人っぽい人を見つければチラシを渡して回ったそうです。基本的には、何かしらの理由ですでにその国にいる方達しか登録はなく、CVの送付も、基本は手持ちかFAXです。
そう考えると、上記のようにインターネットで日本に居ながらにして世界中の求人を探すことができ、無料オンライン通話サービスなどで面談ができるなど、便利な世の中になったものだと感慨深くなります。
日本国内にある人材会社を使う手もある
次に、日本国内で海外就職をサポートしている人材会社に登録をしてみる方法があります。弊社はもちろん元々の成り立ちが海外のため、こういったサービスには力を入れており、東京にジャパンデスクというセクションを置き、そこではグループの海外求人を一堂に揃えており、常に各国と連携をはかっています。
他にも実際に求人を紹介する人材会社ではないですが、海外就職実現に向けた準備等をサポートしてくれる企業もあります。こういった企業は海外各国の人材会社と提携していて、自社サイトに各国の求人情報を載せていたり、各国人材会社を招いて合同就職博の様なイベントを開催するなどして、海外でのお仕事探しをサポートしています。
これらは国を絞っておらず幅広く各国の情報を持っているため、海外に出たい気持ちは高いがまだ国を決めきれない方や、そもそも国は絞らず活動をしようと思っていた方々にとっては、特に利用価値は高いと思います。
ベトナムで仕事を探す際のポイント
次にベトナムで仕事を探す際のポイント(注意点)をいくつかお届けしたいと思います。
①給与・待遇面は、物価も知った上で
単純価格で見ると、給与の額面は東南アジア主要各国の中で低い部類に入ります。何も知らずに日本の感覚でみると、一瞬「えっ」と思う方もいるかもしれません。しかしそれは裏返すと、生活にかかるコストは非常に安いということです。例として、シンガポールと比較すると、若手向け営業ポジションの給与相場は以下の通りです。
- シンガポール:USD2400~3200(S$3000~4000)
- ベトナム:USD1200~2000
しかし家賃で比較すると、
- シンガポール:1人暮らしをしようとすると最低でもUSD1500くらいから。
※そのため2~3ベッドルームの物件で、ルームシェアをするのが一般的。リビングルーム、キッチン、シャワー、トイレなどは共同。マスタールームの場合はトイレ・シャワーは部屋付き。その分高い。
これで相場は、USD650~1200 (S$800~1500) - べトナム:USD200~400で、ワンルーム、シャワー・トイレ付き(バスタブがある部屋もある)。
※加えて掃除・洗濯サービスもこの金額に含まれていることも多い。
日系ラーメン屋さんでラーメンを食べると、
- シンガポール:一杯USD9~17
- ベトナム:一杯USD4~8
もちろん、シンガポールは都会で、便利で、モノも豊富にあり、キレイです。それは東南アジアの中では群を抜いていると思います。1人あたりGDPも東南アジアの中では別格です。やはり物価が高いだけの理由があります。このようにそもそもの物価が違うため、例えば10ドルを握り締めて出来ることが、ベトナムとシンガポールと日本とでは違うわけです。それは給与相場にもダイレクトに影響を与えています。
ですので、単純な額面で高い低いと考えるのではく、その国の物価はどうなのか、例えばその国でUSD2,000というのはどういった価値を持つのか、そういった視点で各国の求人票を見ていくようにしてみて下さい。そうすれば求人票を通して、各国の事情も垣間見えてくるかもしれません。
②以降のポイントは次回お伝えします
今回はポイントの1つ目として「給与と物価」に関することをお届けしましたが、次回もこの続きで、ベトナムで仕事を探す際のポイント(注意点)をいくつかお届けしたいと思います。
- ベトナムにある求人の特徴は?
- 面接はどうすればいいの?
- 渡航は必要?
- 人材会社の賢い使い方は?
などなど。
どうぞお楽しみに!
ライター情報
泊 和哉 - Tomari Kazuya - : JAC Recruitment Vietnam Co., Ltd.
大学卒業後、株式会社ジェイエイシー ジャパンに入社。日本(大阪)3年、シンガポール7年の勤務を経て2013年よりベトナムに。これまでに2000名を超える海外就職希望者との面談実績を持ち、日本人以外では主に製造業界におけるミドル~エグゼクティブ領域を担当し、幅広い国籍のご登録者への転職サポート経験あり。プライベートでは2児の父。シンガポールでの出産立会いと育児経験を持ち、現在も海外子育てをエンジョイ中。
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