ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(WHOベトナム事務所の発表)【在ホーチミン日本国総領事館からのお知らせ】

ベトナム国内における新型コロナウイルス関連発表(WHOベトナム事務所の発表)【在ホーチミン日本国総領事館からのお知らせ】

更新日:2020年1月24日

●WHOベトナム事務所は,新型コロナウイルスについて以下の通り発表しました。
●感染の危険性を抑える方法として、手と呼吸器を清潔にして下さい。テトを含む大型旅行シーズンに入っており、以下の防御対策をとって下さい。
・水と石鹸、又はアルコールを用いて手を洗って下さい。
・医療用マスク、ティッシュ、袖、曲げた肘で口と鼻を覆って下さい。
・防御対策を取らないまま、風邪やインフル様症状を呈している人と接触しないで下さい。
・ 熱、咳、呼吸困難様症状を呈した場合には医療機関を受診してください。

2019年12月31日、中国政府は、湖北省武漢市における原因不明の肺炎患者の集団発生を報告した。これらは、2020年1月、2019新型コロナウイルスと確認された。以降、武漢市以外の様々な箇所(海外も含む。)において、事例の発生が報告されている。
2019新型コロナウイルスについては依然不明なことが多い。このため、どのようにして感染するのか、どのような臨床症状を発症するのか、重症度はどのくらいなのか、どの程度まで拡大しているか、感染源は何かといった情報については、まだ確定的なことは言えない。下記情報は、これまでに、我々(WHOベトナム事務所)が把握しているものであり、本人及びご家族等の身の回りの方々を感染から防ぐためのものが含まれている。

(Q)2019新型コロナウイルスに感染すると、どのような症状を呈するか。どの程度重症化するか。
(A)現在有する情報によれば、症状は重症ではない。このため、発症した人が自身を単なる風邪又は季節性インフルエンザと誤解し、病院で受診せず自己治癒してしまうため、コロナウイルスが報告されないままとなる可能性がある。
しかし、本感染は重症な疾患を引き起こす可能性があり、これまでいくつもの死亡例が確認されている。
中国からの報告では、死亡例の殆どが基礎疾患(注:他に疾患に有しているかどうか。)を有しており、免疫不全の状態になっていると報告されている。
しかしながら、2019新型コロナウイルスについては依然不明な点が多く、WHOは状況を注視している。

(Q)2019新型コロナウイルスは、コロナウイルスの一つであると思うが、これについて多くの情報があり、混乱している。一体どこから来たのか?
(A)コロナウイルスグループは、様々な症状(風邪から、MERS中東呼吸器症候群、SARS重症呼吸器症候群まで)を伴う病気を引き起こす。2019新型コロナウイルスのような新型コロナウイルスは、以前は人間への感染が確認されていなかった。
コロナウイルスは、人畜共通感染症であり、動物から人への感染を引き起こす。以前の研究では、SARSコロナウイルスはコウモリからジャコウネコ、そして人間へと伝染することが疑われた。MERSコロナウイルスについては、ヒトコブラクダ(こぶが1つあるラクダ)から人間へと感染したことが疑われていた。いくつかの既知のコロナウイルスは、動物の間でのみ伝染するのであり、人間には感染しない。

(Q)2019新型コロナウイルスに感染した人の報道を見かける。彼らはどのようにして感染したのか。
(A)既に人から人にコロナウイルスが感染していることは明らかである。人から人への感染についてより詳細に把握するためには、更なる疫学的調査が望まれる。

(Q)2019新型コロナウイルスについては限られた情報しかない状況だが、感染の危険性を抑える方法はあるか。
(A)手と呼吸器を清潔にする。テトを含む大型旅行シーズンに入っており、防御対策をとることを推奨する。
・ 水と石鹸、又はアルコールを用いた手洗い
・ 医療用マスク、ティッシュ、袖、曲げた肘で口と鼻を覆う。
・ 防御対策を取らないまま、風邪やインフル様症状を呈している人と接触しない。また熱、咳、呼吸困難様症状を呈した場合には医療機関を受診する。

生鮮市場でショッピングする場合には、安全のために以下の感染対策を用いる。(当館注:生鮮市場には不用意に近寄らないようお願いします。)
・ 動物又は動物由来製品を触った際には、手を石鹸と水で洗う。
・ 目、鼻、口を触らない。
・ 病気を有する動物及び腐敗した肉との接触を避ける。
・ 飼い主のいない動物、ごみ、液体を触らない。

生鮮市場で働いている人は、以下の感染対策を用いる。
・ 動物又は動物由来製品を触った際には、手を石鹸と水で、頻回に洗う。
・ 最低でも1日に1回は、職場及び器具を消毒する。
・ 動物又は生鮮動物商品を取り扱う場合には、防護服、グローブ、顔を防護するものを身に着ける。
・ 作業後には、防護用の衣類を毎日洗うとともに、職場に置いておく。
・家族が、汚れた作業衣や靴に触らないようにする。

(Q)現時点でWHOは何を行っているのか?
(A)WHOは西太平洋地域の国々に対し、感染症予防、対策、対応といった観点から支援してきた経験を有する。たとえば、H7N9インフルエンザ、H5NB1インフルエンザ、SARSなどである。
WHOは引き続き、様々な国々と密接に協力しながら、必要な支援を行っていくことで、本新型ウイルスについての理解を深めるとともに、新たな症例を特定し、感染を防いでいく。

(Q)WHOは、緊急委員会を2019新型コロナウイルスに関して開催したが、これはどのようなものか?
(A)緊急委員会とは国際専門家からなる会議である。問題となっている公衆衛生上の案件が、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当するかどうか、技術的な助言をWHOの事務総長に行うものである。
PHEICについては、2005年の国際保健規則において、以下のように定義されている。
(1)疾病の国際的拡大により、他国に公衆の保健上の危険をもたらすと認められる事態
(2)緊急に国際的対策の調整が必要な事態

この定義が示唆する状況としては、深刻で、又は通常とは異なるか又は予想外であり、感染地域を超えて公衆衛生上の影響を及ぼすもので、迅速な国際的対応が認められるものである。

WHO事務総長は、緊急委員会、加盟国、科学的専門家からの助言と、及び人体の健康への影響、国際的に蔓延するかどうか、海外旅行への影響するかに関しての評価に基づいて、PHEICかどうかの最終的決定と、一時的な勧告を行う。
過去には、2005年に国際保健規則が施行されてから、5つのPHEICが宣言されている。
H1N1の流行性インフルエンザ(2009)
ポリオ(2014)
西アフリカにおけるエボラ(2014)
ジカウイルス(2016)
コンゴ民主共和国におけるエボラウイルス(2019)

2019新型コロナウイルスによる肺炎に関する緊急委員会は現在開催されており、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するか、また、どのような勧告がなされるべきか評価している。
(当館注:報道によると、WHOは、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を見送ることを決めた。)

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