ホーチミン在住日本人看護師コラム⑧~更年期を楽に乗り切る方法(女性編)

ホーチミン在住日本人看護師コラム⑧~更年期を楽に乗り切る方法(女性編)

更新日:2016年8月2日 / ライター: Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

クリニックにて火曜、金曜日の午前中にセミナーを開催しています。その中で興味を持っていただいているのが「更年期」についてです。更年期、私はまだ違う!まだまだ関係ない!と思っている方も多いのではないでしょうか。暑い国ベトナム。生活環境も違い、ストレスも多いかもしれません。そうなると、更年期症状も強く感じることもあるかもしれませんね。

更年期の事、更年期を楽に乗り切る方法を具体的にお話していきたいと思います。

更年期症状とは

更年期とは?

更年期症状とは?

閉経が近づくと卵巣のはたらきが低下し、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの量が急激に減少します。それにともなって身体に出てくるさまざまな症状の事を更年期症状とよびます。

更年期のカギを握るエストロゲン

ここで更年期を語る時には欠かすことのできない、エストロゲンについてお話します。

エストロゲンは、卵巣で作られ、子宮の発育や子宮内膜の増殖などにかかわりがある女性ホルモンのことです。

年齢によってエストロゲンは変動し、思春期にはエストロゲンが上昇し、女性としての機能が発育・発達して月経が始まります。性成熟期には規則的な周期で月経があり、エストロゲンの変動は安定したパターンで繰り返されますが、更年期に入るとエストロゲンは次第に減少、月経が停止する閉経の前後には急激に低下していきます。

更年期症状とエストロゲンにはどんな関係があるのか?

卵巣が十分にはたらいている状態では、卵巣から脳へエストロゲンの信号が送られ、その信号を受けた脳は、卵の発育を促す卵胞刺激ホルモン(FSH)や排卵を促す黄体刺激ホルモン(LH)の信号を卵巣へ送るという、卵巣と脳の間でホルモンのキャッチボールがおこなわれています。

しかし卵巣の機能が低下してくると、エストロゲンの量が減少するため、その信号を受け取った脳はより大量のFSHやLHをだそうとするようになり、ホルモンのキャッチボールはうまくいかなくなります。

このホルモンバランスの崩れが、更年期症状の原因と考えられているのです。

更年期前と後の違い

更年期前と後の違い

エストロゲンは生殖器への作用はもちろんのこと、神経、皮膚、血管、骨、脳に至るまで幅広い作用があります。いわば、女性の身体を守るうえで一番大切なはたらきをしているのがエストロゲンなのです。

その昔、100年以上前は、閉経の年齢と寿命はほぼ同じで、女性は更年期に悩まされることはほとんどありませんでした。しかし最近では医学の進歩によって平均寿命が急速に伸び、現在日本人女性の平均寿命は85歳となりましたが、閉経年齢は100年以上前と同じ約50歳。つまり現代女性は閉経後の約30年間、人生の約3分の1をエストロゲンが欠乏した状態で過ごさなければならないということになります。

更年期の症状は閉経前後と言われていますが、30代から症状が始まっている方も多いのです。私はまだ若いから!と思っていませんか?少しご自身のからだと向き合ってみてください。

更年期の症状

更年期の症状は個人差が大きく、症状が強く出る人もあれば、ほとんど出ない人も。そして、日常生活に支障をきたすほど強い症状が出る場合を「更年期障害」と言います。

更年期の症状の例

更年期の症状の例

更年期障害は人によって症状がさまざまです。おもな症状について説明します。

  • のぼせ・ほてり・発汗
  • 肩こり
  • 疲れやすい
  • イライラ
  • 動悸・息切れ
  • 頭痛
  • 腹痛・腰痛
  • 不眠
  • うつ状態・不安感
  • めまい

のぼせ・ほてり・発汗

いわゆる「ホットフラッシュ」という、のぼせやほてりは、更年期障害の代表的な症状のひとつです。急に顔が熱くなったり、汗が止まらなかったりします。自律神経の調節がうまくいかず、血管の収縮・拡張のコントロールができなくなることが原因です。

肩こり

更年期になって首や肩のこりがひどくなる人は多いようです。更年期によるエストロゲンの減少による自律神経の乱れが、その症状を強めることがあります。
日常生活の姿勢をチェックして、肩や首への負担がかからないように意識することや、またストレッチなど適度な運動や入浴で温めるなど、血液の循環をよくすることが効果的な対処法です。

疲れやすい

「何もする気が起こらない」「疲れてだるい」という症状も更年期障害特有のものです。周囲からはなかなか理解してもらえないのです。

イライラ

ちょっとしたことで、不安になったり、イライラしたり、感情の起伏が激しくなって怒りっぽくなる。これらも、更年期障害の症状のひとつです。ホルモンの変化は感情の起伏とかなり深く関係しています。

動悸・息切れ

激しい運動をしたわけでも、興奮したわけでもないのに、急に心臓がドキドキしたり、突然、息が苦しくなったりします。これはエストロゲンの減少による自律神経の乱れから起こるものです。

頭痛

頭痛は女性に多い症状ですが、更年期になってから出てきたり悪化したりする場合があります。更年期によって起こる頭痛は、脳血管の血管壁の痙攣や収縮によって起こるともいわれます。これもエストロゲン分泌の減少が関係していると考えられています。

頭の一部が痛い、頭全体が重たい、うなじが痛い、肩こりをともなうなど、症状はさまざまです。

腹痛・腰痛

腰痛は更年期からよく見られる閉経後骨粗しょう症と関係している場合があります。

不眠

やはり更年期のエストロゲン減少に伴う自律神経のバランスが崩れることにより、寝付きが悪い、眠りが浅い、すぐに目が覚めてしまうといった症状があらわれます。まずは、からだを動かして軽い疲労を与えたり、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったりするなどしてみましょう。

うつ状態・不安感

気持ちがふさぎこむ、何を見ても感動できないなどのうつ症状は、専門家が診察すれば、本当のうつ病か更年期障害によるうつ症状か、区別ができます。治療で改善する見込みが高いので、まずは受診しましょう。

めまい

加齢によって血管の収縮や拡張のコントロールがうまくいかないために起こるのですが、更年期障害によっても起こることもあります。急に立ち上がったときや、からだの向きをかえたときなど、目の前が真っ暗になり、血の気が引いていくような感覚になります。まずは横になって休むこと。また、急な動作などめまいを起こさせるような動きをしないよう、日頃からの心がけも大切です。

更年期を楽に乗り切る方法

1) 大豆イソフラボン更年期障害対策には必須の栄養素!

イソフラボンとはポリフェノールの1種で、大豆などのマメ科の食べ物に多く含まれています。更年期障害にとっても非常に有効な成分です。

大豆イソフラボンは、女性ホルモンであるエストロゲンに非常に形状が似ており、植物性エストロゲンとも言われております。更年期障害は、閉経に伴う女性ホルモンの減少が原因で引き起こるのですが、更年期に体内から減少していく女性ホルモンの代わりとなる成分として、症状の軽減に活躍してくれます。実際、更年期障害は海外の方が猛威を振るっているのですが、日本の食文化に深く根付いている、納豆や、豆腐、味噌、醤油や、きな粉などの大豆加工食品を積極的にとりましょう。

2) ビタミン群の摂取

かぼちゃなどの緑黄色野菜やナッツ類に多く含まれるビタミンEには血液循環を促し、ホルモンバランスを整える働きがあります。更年期障害の症状であるほてりやのぼせを和らげる効果が期待できます。また、ビタミンB1には自律神経のバランスを整える働きがあります。ビタミンB1は豚肉やレバーなどに多く含まれています。また、ニンニクやニラに多く含まれるアリシンはビタミンB1の吸収を高めてくれるので、一緒に摂ることでより効果が期待できます。

3) 30代の食生活が更年期障害を防ぐ

更年期症状が強い人の特徴として、30歳代の食生活で間食や夜食をとっている人や、栄養バランスを考えず好き嫌いをしてきた人は、更年期障害になる可能性が高いと思います。

例えば、間食の定番と言えばスナック菓子だと思いますが、スナック菓子は油を大量に含んでいる為、カロリーが高く栄養価が低い為、代謝機能を低下させてしまいます。更年期障害は女性ホルモンが下がり代謝が悪くなっていくので、更年期障害予防にはやめた方がいい食べ物です。

4) 自分なりのストレス解消法、リフレッシュ法を見つけましょう

お友達と食事とおしゃべり、映画を見る、好きな音楽を聴く、お気に入りの作家の本を読むなど、ストレス発散の仕方やリフレッシュの仕方も人それぞれですので、自分のペースで楽しんでください。

5) 身体を温めて免疫力アップ

からだを冷やさない!からだを温めることで免疫力が上がります。

冷たいものを控える、温かいものを食べる、半身浴をする、クーラーの効いているところではスカーフなどで冷え防止。

30代から食事や生活に配慮し、更年期を楽に乗り切りましょう!
筆者が勤務するホアンカン医療センターでは医療相談を行っております。無料医療相談から予防接種、血液ガン診断など、日本人看護師が対応いたします。いつでもお気軽にお問い合わせください。

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参照: http://www.hisamitsu.co.jp/hrt/about/symptoms.html#symptoms10

ライター情報

Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

1965年生まれ山梨県出身。幼少のころに全身やけどを負い入院。3度の形成手術を行い入院経験から看護師を目指す。日本大学医学部付属看護専門学校卒業後、大学病院、市立病院、法人病院勤務。その後、ジョインハンズコン株式会社を立ち上げ、コンサルタントとして独立。2015年からベトナムホーチミンのHoang Khang Medical Cliniにて日本人窓口の立ち上げと運営、看護師教育、看護大学での講師を行っている。

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