ホーチミン在住日本人看護師コラム③~もう大丈夫!予防接種の正しい受け方

ホーチミン在住日本人看護師コラム③~もう大丈夫!予防接種の正しい受け方

更新日:2016年6月24日 / ライター: Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

「予防接種」、わからないことが多ですよね。日本とベトナムでは接種時期や使用するワクチンが違いますので、予防接種をどのように受けていったらよいのか迷うことも多いと思います。クリニックへのお問い合わせも予防接種についてはとても多いです。

「予防接種の今後のスケジュールを相談したい。」「予防接種を受けるだけのために日本やシンガポール、タイへ行っているので、そちらで受けられますか?」「ワクチンの在庫ありますか?」というお問い合わせです。お子さんの事はもちろんですが、大人の方からのご相談もいただいております。

今回はそんな「予防接種」について、お話していきます。

「予防接種」とはどんなものなのか?

私たちの身の回りには、病気を引き起こすウイルスや細菌(病原体)がいます。ワクチンの接種(予防接種)を受けると、私達のからだに抵抗力(免疫)がつき、病原体が感染して起こる病気「感染症」を予防することができます。ワクチンで予防できる病気は一部ですが、感染すると重症になることもあるので、予防が必要ということになります。

ワクチンの役割り

様々な種類のワクチン

様々な種類のワクチン

予防接種を受けた人にはワクチンによって免疫がつき、感染症にかかったり、重症化するのを予防することができます。さらに、多くの人が予防接種を受け、免疫を得ることで、社会全体で感染症の流行を防ぐことができます。

ワクチンで予防できる病気

ワクチンで予防できる病気としては、以下のようなものがあります。

飛沫感染~近くにいる人からの飛沫(咳や会話で飛び散る)を吸い込んで感染する病気~

  • 風疹
  • 流行性耳下腺炎(おたふく)
  • 百日咳
  • 細菌性髄膜炎
  • ジフテリア
  • インフルエンザ

空気感染~はなれていても、空気中を漂っている病原体から多くの人に感染する病気~

  • 麻疹(はしか)
  • 水痘(みずぼうそう)
  • 結核

経口・糞便から感染する病気

  • ポリオ
  • ロタウイルス
  • A型肝炎

おもに血液・体液を介して感染する病気

  • B型肝炎
  • ヒトパピローマウイルス感染症

その他の経路で感染する病気

  • 傷口からの感染・・・破傷風
  • 蚊を介した感染症・・・日本脳炎

予防接種の種類

予防接種は、制度の違いから「定期接種」と「任意接種」に分けられます。

「定期接種」とは、国や自治体が「受けるように努められなければならない」と強く進めているもの。既定の年齢での接種なら原則無料です。

「任意接種」とは、個人で接種するかを判断し、費用も各自で負担するもの。健康保険は適応されません。
※日本で接種する場合です。

ワクチンの種類

ワクチンは、感染症の原因となるウイルスや細菌をもとに作られています。成分の違いから「生ワクチン」と「不活化ワクチン」に分けられます。

生ワクチン

生きた病原体(症状が出ない程度に病原性を弱められたもの)でできています。自然感染と同じ流れで免疫を作るので接種後に得られる免疫は強くなります。別のワクチンを受けるまで、中27日以上を空ける。

例:麻疹風疹混合(MR)水痘、おたふく、BCG、ロタウイルス

不活化ワクチン

死んだ病原体や病原体の一部を集めたもの(病原性はなく、免疫をつけるのに必要な成分のみ)でできています。得られる免疫が強くないので、接種回数が多くなっています。別のワクチンを受けるまで、中6日以上空ける。

例:4種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ)日本脳炎、インフルエンザ、Hib、肺炎球菌、B型肝炎、A型肝炎、ヒトパピローマウイルス

赴任者に必要な予防接種って?

それでは、実際に海外赴任者がする必要のある予防接種について説明していきます。

小児の場合

小児の場合

小児の場合

  • 強く勧めるもの
    定期予防接種(BCG,ポリオ,DPT,MR,日本脳炎),B型肝炎
  • 望ましいもの
    流行性耳下腺炎,水痘,A型肝炎,Hib(ヒブ:インフルエンザ菌b型),ロタウイルス,小児用肺炎球菌,季節性インフルエンザ
  • 生活環境により考慮
    狂犬病,腸チフス(日本では未認可)

※年齢によっても各予防接種の有用性は異なるので医師ともご相談ください。

成人の場合

  • 強く勧めるもの
    A型肝炎,B型肝炎,破傷風(追加接種)
  • 望ましいもの
    日本脳炎,季節性インフルエンザ
  • 生活環境により考慮
    狂犬病,腸チフス(日本では未認可)

※詳しくは、外務省「渡航関連情報」をご参照ください。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/asia/viet.html

※日本の定期接種との違いは以下の通り。

  • BCG→日本では6ヶ月過ぎてからの接種
  • 麻疹→日本では1歳から
  • 日本脳炎→日本では3歳から
  • DPT3種混合、5価ワクチンは日本にはありません、日本では、4種類混合(ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ)になります

予防接種を受ける前のポイント

予防接種を受ける前のポイント

予防接種を受ける前のポイント

  • 予防接種機関(病院やクリニック)に相談・予約。
    ベトナムの場合、ワクチンはどこの物を使用しているのかなどをよく確認しておくことがポイントです。
  • 体調管理をしてください。熱(37.5℃以上)、鼻水、咳などの風邪の症状があると予防接種は受けられません。もし症状がある場合、医師と相談してください。

受ける予防接種について理解しましたか?予診票があれば内容を確認しておきましょう。
また、当日は予診票と母子手帳(予防接種の記録を残せるものは母子手帳だけです)を忘れないようにしてください。

予防接種を受けた後のポイント

  • 接種後30分は病院で観察
    接種後の副反応は、接種して30分以内に起こることが多いです。接種後は病院内で様子を見るのがベストです。
  • 接種後は発熱や腫れなどがみられることがあります。多くの場合は治療が必要になることはありませんが、高熱、接種部位のひどい腫れがありましたら病院に連絡してください。
  • 接種後の入浴はOKです。接種部位をゴシゴシこすらないでください。
  • 接種後の激しい運動は避けてください。

予防接種のスケジューリングに関しては、上記の内容を理解していただき、基本的には、ご両親の判断になります。

なお、当クリニックでは、日本のワクチンを使用し、日本のスケジュールに基づいて接種を行っております(すべて自費となります)。ベトナムという暑い環境でもありますので、同時接種は行っておりません。例えば予防接種後熱が出た場合、同時接種ですと何のワクチンで熱が出たのかわからないので、一種類ずつ接種します。

次のワクチン投与までは最低3日空けます。お子さんに安全に予防接種を進めていくためですので、ご理解いただけると嬉しいです。

予防接種のスケジューリング、わからないこと、相談したい事などありましたら、ご連絡ください。個別相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。

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ライター情報

Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

1965年生まれ山梨県出身。幼少のころに全身やけどを負い入院。3度の形成手術を行い入院経験から看護師を目指す。日本大学医学部付属看護専門学校卒業後、大学病院、市立病院、法人病院勤務。その後、ジョインハンズコン株式会社を立ち上げ、コンサルタントとして独立。2015年からベトナムホーチミンのHoang Khang Medical Cliniにて日本人窓口の立ち上げと運営、看護師教育、看護大学での講師を行っている。

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