ホーチミン在住日本人看護師コラム~①これからは予防の時代。病気の前に、病気を治す~

ホーチミン在住日本人看護師コラム~①これからは予防の時代。病気の前に、病気を治す~

更新日:2016年6月10日 / ライター: Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

ベトナムという、日本人からするとアウェイな環境に住むとなると衛生面や健康管理などは今まで以上に気になりますよね。実際、ホーチミンに在住の看護師の目にはベトナムの医療事情はどのように映っているのでしょうか?今月からホーチミンに在住の看護師による連載がスタートします。今回は初回ということで筆者の紹介とベトナムの医療事情について解説していきます。

自己紹介

はじめまして。
Hoang Khang Medical Clinic(ホアンカン医療センター/Trung Tâm Y Khoa Hoàng Khang)看護師の輿石光希(こしいし みゆき)と申します。ベトナムで看護師をしております。看護師の視点で生活に役立つ必要な医療情報をお伝えしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

少し自己紹介をさせていただきます。1965年生まれ。山梨県出身、幼少のころに全身やけどを負い入院。3度の形成手術を行い、入院経験から看護師を目指しました。日本大学医学部付属看護専門学校卒業後、日本大学板橋病院5年勤務、市立病院に17年勤務し30代で病棟師長となり多くの勉強等経験をさせていただきました。
その後、法人の病院で看護部長として勤務し、病院の新築移転、電子カルテの構築、看護部の教育を行いました。多くの経験を積ませていただく中で、自分にはもっとできることがある!と思い立ち、ジョインハンズコン株式会社を立ち上げ、コンサルタントとして独立しました。看護師教育や病院・クリニックの業務改善、評価制度の作成、訪問看護ステーションの立ち上げ、経営サポート、セミナー講師などを行っていました。

今回ご縁があって、ベトナムホーチミンでクリニック(日本人窓口)の立ち上げと運営、看護師教育、看護大学での講師を行うことになり、予想もしていなかったベトナム生活が開始しました。

左から3番目が筆者

左から3番目が筆者

ベトナムの医療・病院事情

ベトナムの2015年のGDP実質成長率予想は6.5%、経済投資省の見通しでは2016年には6.7%となっているように、ベトナムの経済は緩やかではありますが加速しています。4月に開催された国会では、親日家として知られるグエン・スアン・フック元副首相が首相に選出されて政権交代したばかり。経済状況や政権も、日本人専門窓口の開設にとっては追い風になっています。また、近年、ベトナムに進出する日本企業は右肩上がりに増え続けています。2013年9月時点の日系会員企業数は約1200社に達し、ASEAN地域では首位のタイの1480社に次いで2位となり、アジアの景気を支えています。

にもかかわらず、ベトナムの医療レベルは日本に比べると格段に低く、驚きの連続です。ベトナムで働く日本人従業員が急増するなか、技術面と衛生面で安心して治療を受けられる病院は数えるほどで、ベッドの稼働率198%!えっ?どういうこと?それは、1つのベッドに2人の患者さんが寝ているからです。
患者の家族も所せましと寝ている状況。感染管理も安全管理も全くされていません。「お見舞いに行けば病気をもらう」「とにかく病院には近寄らない!」というアドバイスは当てはまっているかもしれません。子どもの予防接種も問題の一つ。安全なワクチンの確保が困難で、小さい子どもを連れて、日本やシンガポール、タイに予防接種を受けに行っているとの事。安全にワクチン接種ができる環境つくりが必要です。

ベトナムの看護師さんは、技術力は高いようですが、説明などは一切行わない。検査結果はもらうだけ、本人の状態の説明もない。素足にサンダル履き。日本では考えられないことが起きています。
すぐには現状を変えられないかもしれませんが、今後、ベトナムの看護師さん、看護学生さんに「看護」をお伝えしていく機会をいただきましたので(看護大学で看護を教えます!クリニックの看護師さんと勉強会を行っていきます)少しずつ今持っている知識をお伝えしていけたらと思っています。
その活動でちょっとした体調不良や怪我、健康診断でさえも、わざわざ帰国して治療を受ける人も少なくなるでしょうし、重症になった場合は、ベトナム国内での対応もできるようになってくると思います。

ベトナムで生きる私達に今できること~予防医学と安全安心の医療を

年間の平均気温は25度以上、平均湿度は70%度を超える高温多湿の気候。バイクが数多く行き交い、排気ガスの問題もあげられます。食・水・環境の衛生的な状況を保つのは簡単ではありません。主にかかる病気として、肺炎、下痢・胃腸炎、急性気管支炎、外傷で、ベトナムの乳児死亡率は17.8%と高く、これから未来を担っていく子どもたちが、安全で安心な医療を受けられることが重要だと考えます。

クリニック内でのワークショップの様子

クリニック内でのワークショップの様子

自分や家族の健康管理を行っていくためには、必要な知識と対処方法を知っておくことが重要です。病気にならない、病気になっても悪化しないようにするための予防医療の考え方を浸透していく必要があると思います。医療面でのサポートをし、医療の技術の向上にも貢献できたらと考えています。
ベトナム生活に必要な医療情報発信をわかりやすくお伝えしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

ホアンカン医療センターへの無料医療相談はこちらかどうぞ

ライター情報

Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

Hoang Khang Medical Clinic看護師 輿石光希

1965年生まれ山梨県出身。幼少のころに全身やけどを負い入院。3度の形成手術を行い入院経験から看護師を目指す。日本大学医学部付属看護専門学校卒業後、大学病院、市立病院、法人病院勤務。その後、ジョインハンズコン株式会社を立ち上げ、コンサルタントとして独立。2015年からベトナムホーチミンのHoang Khang Medical Cliniにて日本人窓口の立ち上げと運営、看護師教育、看護大学での講師を行っている。

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