ダナンからのツーリング ~第1話:1号線を北上せよ~

ダナンからのツーリング ~第1話:1号線を北上せよ~

更新日:2013年7月13日 (取材日:2013年5月2日) / ライター: aki

「1号線を北上せよ」はあの「深夜特急」の著者である沢木耕太郎が書いた本ですが、ベトナムの国道1号線をホーチミンからハノイに向けてバスツアーで旅行した旅行記です。タイトルはそこからそのままお借りしてみました。

先日、ダナンから1号線北上ツーリングに出かけて来ました。と言っても1号線を行くことに目的があったわけではなく、世界遺産のフエやフォンニャケバン洞窟に行ってみたいと思ったからです。

まずはルートマップ

ダナンとかフォンニャとか言われてもわからない!という方も多いと思いますので、まずは地図を見てみましょう。

フォンニャツーリングのルート

フォンニャツーリングのルートです!

まずはベトナムの全景を・・。ホーチミンからハノイは2000km離れていますが、その5分の1くらい走ったことになりますね!と言ってもこれじゃわからないので、もう少し詳しく見てみましょう。
ちなみに南シナ海に浮かぶパラセル諸島とスプラトリー諸島については中国及びフィリピンと領有権争いをしていますが、国内発行の地図には記載が義務付けられているようなのでそれに倣ってみました。

フォンニャツーリングマップ

拡大したルートマップです。

  • A:出発地点のダナン。正確には美味しいバインセオのお店、Ba Duongです。
  • B:ドンホイ市。ここで1泊しました。
  • C:フォンニャケバン洞窟
  • D:天国洞窟
  • E:フエ市
  • F:ダナン、正確にはたんぽぽカフェ。

全行程約800キロを2泊3日で行ってきました。最高のツーリングでした。

※地図はこちらからご覧いただけます。(Google Maps)

ダナンを出発~ハイヴァン峠

5月の連休の昼下がり、ダナンに来たら毎回食べに行ってしまうバインセオ(Banh Xeo)が美味しいお店、Ba Duongでベトナム人の友人と増えに行こうという話をしつつ、フォンニャも行きたいなー等と考えていました。食べ終わって、とりあえず行ってみよう!ということになり北上することが決定。バイクはダナンでレンタルしたNuovo(第2世代)。旅をするバイクでもなく、ベトナムによくある110ccのスクーターです。

地図はスマホのgoogleマップだけ。とりあえず国道1号線を北上してフエに向かいます。

ダナンから1号線へ

ダナン市内から直線で1号線に向かいます。

ダナン市内の幹線道路から直進するとそのまま国道1号線です。左折して南下するとホーチミンまで1000キロ。この距離を普通に看板に記載するのがベトナムです。ダナンの道路看板は英語が併記されていて嬉しいですね。ホーチミン周辺は空港の入り口を除いてベトナム語オンリーです。ハイヴァン峠まで15キロと書いてあります。景色が綺麗ということでベトナム人に夜とても有名なこの峠、天気がよいので峠道を登っていくことにしました。

ハイヴァン峠に向かう

正面の山を越えていきます。

峠から見えるダナンの町並み

峠からはダナンの街が一望出来ます。意外と大きい街ですよ。

峠道を進む

決して良いとはいえない路面の峠道を登っていきます。

ハイヴァン峠

ハイヴァン峠は標高は496mと低いですが、ベトナム国道1号線の最高地点。最近までは交通の難所でしたが、日本のODAにより東南アジア最長の6kmのトンネルが開通したためにいまはほとんどの車両はトンネルを使っています。しかし、ベトナムにありがちな、歩行者自転車だけではなくバイクも通行禁止。この国は高速道路もバイク通行禁止です。今は高速道路が殆ど無いので何も不便ではないですが、これはバイク乗りには辛い・・。

ハイヴァン峠に着きました!

ハイヴァン峠にある砦。銃弾の跡が残っています。

峠には砦が残っています。この峠、交通上の難所ということもあり軍事上重要な拠点でした。この砦は日本軍(太平洋戦争:1945年)、フランス軍(第一次インドシナ戦争:1945-1954年、南ベトナム軍(ベトナム戦争:1960-1975年)が使用したことがあり、銃弾の跡が沢山残っています。

海雲閣(ハイヴァン)と書かれた看板

海雲(ハイヴァン)閣と書かれています。

「明命帝年吉日造」と書いてあります。明命はミンマンと読み、阮(グエン)朝の第2代皇帝(即位:1820-1841年)の名前です。その時代に作られたということですね。ちなみにベトナムでは最近まで漢字が用いられており、1945年まで、阮朝での公式文書は全て漢字が使われていました。ベトナムの漢字については、ベトナム人からの寄稿もあるので良かったらお読みください。

峠の地図

峠の地図。左下の小さい看板は、省境を表し、ここからトゥアティエンフエ省になることを示しています。

峠の地図がありました。DUONG CUU NANは救難道という意味です。ブレーキが効かなくなった車はそこに突っ込んで止まりましょう、というやつですね。日本の峠道にも緊急避難所という名前で同じ物がありますね。左下の看板は省境を表す看板で、ダナン特別市(省に属さない)からトゥアティエンフエ省になることを示しています。ベトナムの看板にはキロ程が書かれており、国道1号線の904km+800mの地点にいることがわかります。一般道でもキロ程が書かれているのは、ツーリングの時には便利ですね。

お土産物屋

峠には土産物屋さんが並んでいます。

峠にはたくさんの土産物店があります。トイレを借りた後に、借りたからなにか買っていけといってしつこく付きまとわれました。。このしつこいくらいにものを売りつけてくるおばちゃんたちも3回の戦争を体験しているのでしょうか。

ハイヴァン峠~ドンホイ

ハイヴァン峠を過ぎると綺麗な砂浜ビーチのあるランコー村があります。外国人は少ないですが、ベトナム人には人気の観光地のようです。峠からもそのビーチがみえます。

ハイヴァン峠から北側を望む

ハイヴァン峠から遠くに見えるのがランコービーチ

ここからまずはフエに向かいます。フエまでは100km弱の旅。しばし進みます。

フエについた時に「これはもっといけるんじゃないか」と思った私はフエ市街には入らずにバイパス方面に分岐して更に北上することを決めました。この瞬間、次の目的地はドンホイになりました。フエからドンホイは200km。一気に目的地が遠くなります。

ラオスナンバーのバス

道中ではラオスのナンバーのバスやトラックに出会いました。ここは東西回廊、東南アジア経済の要所なのです。

フエを出るとラオスナンバーのバスやトラックが多く走っていました。このバスは韓国語が側面に書かれていたので韓国系旅行会社の国際ツアーバスでしょうか。実はこの辺りは東西回廊の起点。ラオスからベトナムへの幹線道路があります。東西回廊はベトナム、ラオス、タイ、ミャンマーと海から海を道路でつないでいます。まだ一部建設中ですが、完成したら東南アジア経済圏の発展に多くな影響を与えるでしょう。

ENEOS ヴィーゴ

国道沿いのガソリンスタンドはENEOSでした。機械だけ。

国道沿いのガソリンスタンドで給油しようとすると見慣れた機会がありました。ENEOS ヴィーゴ。日本から中古で持ってきてそのまま使っているようです。店員は色で判断しているのでしょうか。

炎天下の未舗装のバイパス

炎天下の未舗装のバイパスです。これは辛い。

フエ市街を通るバイパスはまだ作り途中で未舗装の部分が多く、工事のトラックも多くて大変でした。舗装完了までは市内を通ったほうが早そうです。もしもフエを通過するルートでツーリングする方は参考にしてください。どれだけいるかわかりませんが。笑

コメ大国ベトナムの風景

ベトナムはコメ大国。機械ではなく水牛を使います。

ベトナムの田舎の風景はやはり癒される。世界どこに行っても田舎の風景はこんな感じなんでしょうか。

国道から見えた夕焼け

国道から見えた夕焼け

後はひたすら北上。何も考えずに国道1号線を走り続けます。観光は帰り道ですれば良いと考えていたので青空の下をひたすらに走り続けました。いつしか青空は夕焼け空に変わり、どんどん青が濃くなっていきます。時間は経っていきますが、国道にはキロ程が刻まれており目的地に着実に近づいていることがわかります。

ドンホイ市の中心のオブジェ

ドンホイ市中心にはオブジェがありました

夜6時。ダナン出発から6時間。ドンホイに到着しました。

ドンホイ~

「ダナンからのツーリング ~第2話:世界最大の洞窟に潜入~」に続きます。

本日のルートマップ

ダナンからドンホイ

今回の記事のルートマップです。

次回:「ダナンからのツーリング ~第2話:世界最大の洞窟に潜入~」
次々回:「ダナンからのツーリング ~第3話:ベトナム戦争の遺構に触れる~」

ライター情報

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aki

旅をするように生きていたい、そう思っていたら気づくとホーチミンにいました。本業の傍ら、ベトナム観光・生活情報ナビ、Samurai Cafe Saigonをやったりしています。ベトナム・ホーチミンから、日本とは一味違うベトナムの日常をお届けします。

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